人の心を解放し、安心させる言葉がけ

野宿している人のなかで、万引きをする、無銭飲食をするという犯罪行為をしてしまう人は少なくありません。犯罪行為ではなくても、コンビニのごみ箱をあさる、という方も少なくありません。ごみ箱をあさるとき、ホームレスの人は「エサ取りをする」と言います。「エサ」とは人の食べ物ではなく、動物の食べ物。「俺は動物に成り下がってしまった」という思いが反映しているものと思います。本当はしたくなかった、でもお腹が減ってどうしようもない、情けないという思いでしょうか。
　
　万引きも悪いことは誰に言われなくても分かっています。だから「万引きなんてしてはいけません」という陳腐な言葉は必要ありません。

　私たちの施設に入居したのだから「もう万引きなんてしなくても大丈夫だよ」と、叱るでもなく、ばかにするでもなく、「こんな俺なんかダメな奴だ」と思っている人の心を解放し、安心してもらう言葉がけを大切にしたいと思っています。