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無意識の存在 嶋浩一郎さんの場合

なぜ書くようになったのか、第2回です。

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こうして僕は2014年暮れから、編集ライター講座に通うことになりました。

著名な講師が次から次から登場し、とても刺激的な講義が続きました。その中でも衝撃的だったのは、博報堂ケトル代表であり編集者である嶋浩一郎さんの講義です。

嶋さんは、編集とは何かという問いをたて、

「編集とは人々の無意識に言葉を与える行為」

だと言いました。

氷山の写真を使い、人間が意識できているのはほんの一部でしかなく、その裏に広大な無意識の世界が広がっているというのです。そこに光を当て、引っ張り出して言葉を与える。編集にはその作業が必要だというわけです。

「美魔女」という言葉を例にとり、これまでにない新たな言葉が生まれることで、「そうそう、私がなりたかったのは美魔女なの」と人々の無意識を浮かび上がらせ、社会に新たな認識を生み出すことができるというのですね。

これは衝撃的でした。

そもそも、無意識なぞを意識しながら仕事をしている人がいるということに驚きましたし、僕がこれまで認識していた世界とは全く違う世界があるということに驚きました。

無意識ってそういえば昔よく読んでた遠藤周作さんが本でよく書いてたなぁなんて思い出しましたが、僕にとってはそんな程度の認識だったのです。

こうして、僕の中に無意識の存在がより深く刷り込まれたのでした。

そして、数週間後、山田ズーニーさんの講義を受けることになるのです。
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続く

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