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コツコツやることの大切さ

なぜ書くようになったのか、第5回です。

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ある講義の課題で「新社会人に勧める本の書評」というお題が出ました。

僕はこのお題を聞いた瞬間、取り上げる本はあれだなと思いました。
村上春樹著「走ることについて語るときに僕の語ること」です。

僕はこの本をおそらく4、5回は読んでいました。
村上春樹さんはかなりのシリアスランナーなのです。
走るとは村上さんにとってどういうことなのかが淡々と綴られています。

僕はそれまでにフルマラソンを数回走ったことがあるのですが、フルマラソンにエントリーするたびにこの本を読んで、村上さんだってこんなに黙々と走っているんだから、俺もやらんとな、とモチベーションを上げていました。

でも、フルマラソンをそこそこのタイムで走り終わると、そこでまたモチベーションは一旦リセットしてしまう、というようなことの繰り返しでした。

この書評を書くために改めて読み直してみたのですが、ここでまた不思議な感覚に陥ったのです。

この本の中で、村上さんはただただコツコツと走っています。

ん?このコツコツこそが、人生において一番大切なことなのではないか?
そんな気づきが、自分の中に芽生えたのです。

これまで何回も読んできたのに、そんな気づきはありませんでした。

僕がこの時得た気づきは、コツコツやることでしか人間は成長できないんだなというようなことだと思います。
しかも結構深い気づきで、確信に近いものです。
なんてこった、そうだったのか!というような。

それまで、フリーで仕事してく中で、業績はよくもなく悪くもなくといった感じがずっと続いていました。
あぁ、どこかで業績がどーんとアップしないかなぁなんて、思っていたものです。

でも、そんなのあり得ない、ということがわかったわけです。
コツコツ、コツコツ、努力して、それがいつか実るのかどうか分からないですけれど、それぐらいしか人生できることなんてないのだと。
でも、それこそが楽しいし、尊いし、重要だし、必要なことなのだと。
実ろうが実らなかろうが、少なくとも少しづつは成長できる。

今でも不思議なのは、なぜこの時にこの気づきを得たのかということです。

それまでになんども読んでいるのに。。

その当時、僕は42歳。
あぁ、もっと早めに気づいておけばもっと人生違ったのにと思いました。
でも、気づいただけでもよしとしなければなりません。

僕はその気づきを書き、課題を提出しました。
タイトルは
「走ることについて語るときに僕の語ることについて僕の語ること」

講師からの評価はイマイチでした。
「これは書評ではないですね」
と言われてしまいました。

そうかもしれません。
僕はコツコツやるしかないのだと気づいた驚きを、そのまま書いてしまったのですから。

しかし、この気づきが僕を変えた要素は大きいです。
今ではいろんなことをコツコツやりたくて、毎日のやるべきことが増えすぎて大変なことになっています。
このnoteもそうですが、英語の勉強も始めてしまったし、日記もほぼ日手帳に書いているし、トイレ掃除もやっているし、ピアノもなるべく毎日弾きたいし。
(残念ながら、今はランニングがこの中に含まれていないのですが。。)

ある程度続くと、もったいなくなってやめられなくなるんですよね。
それに縛られるのもどうかと思いますが。
やりたければやればいいんでしょうけれど。
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続く


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