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映画「ミッドウェイ」見てきた!途中まで面白かった!でも…(ネタバレあり)

感想を以下、(ネタバレ注意です)

少なくとも日本人にとっては、痛快な映画ではないけど…

ミッドウェイ海戦は…負け戦の一部、更に言えばその後はガダルカナル、サイパンと「坂道を転がり落ちるきっかけ」みたいな局面の話なので、膝を叩いて楽しく観れる、スカッと溜飲が下がる娯楽映画ではなく、

大体あらすじ(というか歴史の流れ)を把握してるとはいえ、

「あぁ~」
「そうなんだよなぁ~、そうしちゃうんだよね、あぁ~」
「南雲さん、そこはそのまま飛ばしてよ~!」

と悲しくなる部分多々あり、心の中で悲鳴を上げておりました…、まぁこれも楽しんでいるうちに入るのかな…?

そして当然、アメリカ目線の歴史だし

まぁ、アメリカ映画ですんで、そりゃ当然アメリカ目線ですよ。
ローランド・エメリッヒ監督だったから、インディペンデンス・デイよろしく、
USA!USA!連呼な、勧善懲悪映画になるかもと思ってたんだけど、実際は…そうでもなかった。

難しいことは抜きにして、結構楽しいと思えた!(途中まで)

- 誇りを持って、命をかけて戦う兵士達
- 双方がお互いを”相手は強い”と認める中
- あらん限りの武力と、知力を総動員して
- 失敗や挫折はあっても、裏切りとか、卑怯な行いはなく
- 登場人物全員が、勝つために全力を尽くして戦っている

つい70数年前に敵味方に分かれて文字通り”殺し合い”をした場面をテーマに、
相手を悪魔化せずに、双方を冷静に描くのはかなり難しいと思うのですが、可能な限りちゃんと描いてくれたなぁという感想です。

この記事は、映画見終わってから見たんですが、まぁそういう感じで作ってくれてるなぁと、そうとしか感じられない映画でした(途中まで)

迫る軍艦、飛び交う戦闘機の迫力ある映像、凄かった!

まぁ、映画版ミッドウェイだと日本軍が勝つ…訳ないんで、既に結末を知っている物語な訳ですけれども、登場人物同士の会話をスクリーンで見ることで、「そうだよなぁ~」「そうだったんだよなぁ~」と深く感じ入ってみたり、あとは歴史本を読んでも楽しめない大迫力の戦闘シーン、存分に楽しむことができました。

だがしかし、一部に強烈な違和感あり

山本五十六を美化しすぎかな…というのは個人的な違和感なので些細な話でどうでも良いです。ここでは触れません。

強烈な違和感とは、上述の通りほとんどの部分、そして全体の流れは相手を悪魔化しないで描いたうえで、緊張感ある戦争の経緯、迫力ある戦闘シーン、しっかりとエンターテイメントにしてる、凄いなぁ…と、率直に思えた映画だったんです…

真珠湾でも、珊瑚海海戦でも、その後の戦闘シーン色々でも、ドゥーリットル空襲でも、一進一退、双方ともに攻撃と被害、敵機を落とした、敵艦を沈めた、くそっ仲間が殺られた!沢山あったけど、如何に相手が悪いやつかを誇張して悪魔化する演出は皆無だったのに…

何なのあれ、あの後半の中国のくだり。ストーリーに必要か?

無理やり差し込んだ感半端ない、降って湧いたような急な【悪魔化】。中国でのシーンでは日本軍の無差別爆撃で無辜の中国人民を大量に殺傷。念入りに死体の山のシーンのアップまで。見終わった後にネットちょっと調べたら”中国浙江省の歴史研究家”の著書に基づいてるシーンだそうで…

なんかね、フレンチのフルコースを美味しいなぁ、見た目も綺麗だなぁ、と食べてたら、急にめっちゃ辛い真っ赤な麻婆豆腐出てきた感じ。それもメインディッシュ直前で。あそこだけは、どうにも白けてしまいました。

別にね、史実がどうこうとか、日本側が悪い風に描かれているからダメ、とかじゃないんです。自分が情報収集してる歴史が正しく中立だとは思ってないし、もちろん歴史研究家じゃないから、どれが真実の歴史か…なんて検証は無理。そらあんだけ大きな戦争したんだから、きっとひどい話もあったでしょう。だけどね、そんな話じゃなくてさ、あの虐殺シーンを、映画のそれまでの流れに逆らって、あそこにぶちこむ必然性、皆無だよ皆無。馬鹿にしてんのかよ、と。

個人的意見ですが、あの一連のくだりに入る前には“映画の途中ですが、ここから15分はお知らせの時間です!日本軍はこんなに残酷!中国と米国は昔から協力関係だった!以上、提供は中国共産党中央宣伝部からでした”ってお断りとクレジット、入れるべきだと思います。

最悪、あのプロパガンダの部分(決めつけ)、前半に挿入してもらえたほうがよっぽど良かった。じゃないと私みたいに、「え?なに?急にどうした?」ってその直後にある大事なクライマックスに集中できなくなる。

なんだかもったいないなぁ…という感想ですね。まぁそれ以外は、全体的には面白いと思える映画でした!ご興味持たれた方は是非どうぞ。コロナでしばらく遠ざかってましたが、やはり映画は映画館で見るもんですね。次回は是非不自然なプロパガンダ抜きの映画を楽しみたいです。


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