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メガベンチャーから来たエンジニアおじさんが振り返る、スタートアップ選びのポイント

この記事は、Finatextグループ10周年記念アドベントカレンダーの17日目の記事です。昨日はTodd さんが「Improving Version Management of Data」という記事を公開しています。
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こんにちは、Finatext 最年長エンジニアの河本です。
2020年に参画し、入社エントリも書かないまま4年目が終わろうとしているので、この10周年の節目に、今更ながら入社に至った経緯と会社への思いを書こうと、アドベントカレンダーに手を挙げました。

はじめに

Finatext に参画するまでの約20年、私は、日本では名の知れた上場企業4社に所属していました。
現在はエンジニア採用をメインに活動していて、年間200人以上の方とカジュアル面談や面接でお話しさせていただいています。その際、経歴を見て私自身について聞かれることも多いので、大手メガベンチャーを離れて、当時未上場のスタートアップを選ぶに至ったポイントを書いておこうと思います。
「スタートアップに興味はある」「チャレンジしたい」「だけどなんだか不安」「実際どうなの?」といった方々の参考になれば幸いです。

規模や知名度よりも「業界内の立ち位置」

私がエージェントからFinatext の紹介を受けた時、正直何をやっているのかよくわからない、聞いたことのない会社だったので、家族に相談する前に、STARTUP DBなど色々なサービスを使い調べました。
B2Bがメインなので、企業名や自社のサービス名が表に出ることはあまりないものの、事業は着実に成長中、既に国内最大手メガバンクとの SI 案件の実績もありましたし、実績を積み重ねてきた結果、業界における知名度も決して低くないようでした。「小さなスタートアップだと下請けしか出来ない」なんてことはなく、業界内での知名度があれば、スタートアップでも十分やりたいことがやれる、というのがよくわかりました。
転職に対する家族(特に配偶者)のブロックは、知名度が下がると反比例して強くなりますが、「その業界内における企業の立ち位置」で見ることが大事なんだと思います。
上場企業かどうかという点も、安定性の面で妻の懸念の一つでした。私は、タイミングはさておき、IPOはできると確信していましたし、今回の転職で「IPOまでのフェーズを経験したい」という思いが強かったので、事前に調べたことをもとに、業界の市場規模、そこにおける立ち位置、そして成長から予想できる上場の確度を丁寧に説明して、理解を得ることが出来ました。
その後、Finatextホールディングスは、 2021年に東証グロースに無事上場しました。

スピードと技術を追いかけ続けられるか

開発に関わる人間としては、スピード感も気になるポイントでした。
かつていたソーシャルゲームの企業では、同じ開発言語、同じフレームワークを使った開発技術を、全員が同じ閾値まで習熟させることで、一定のスピード感を実現できていました。これはこれで効率はよいものの、技術的な選択の幅は限定され、エンジニアとしては少々面白みに欠けていました。前職のメガベンチャーでは、大きな方向性のもとで、チームでの小さな意思決定(マイクロディシジョン)を意識していたので、それ以前にいた企業よりは、意思決定と開発のスピードは格段に速かったです。
Finatext も同様に「独立性の高いチームでの意思決定」を尊重しており、非常にスピード感のある開発をしています。加えてFinatextでは、この言語を使う、とか、このフレームワークを採用する、といった技術的な方向性の決定も組織全体ではせず技術的なほとんどの意思決定ができる裁量チーム単位で持っている点が、今までいた組織にはなく、魅力的でした。
スピード感のある開発の背景には、Finatextの階層のないフラットな組織構造への指向があります。昨年の組織体制のアップデートで初めて明確なリーダーポジションが設定されましたが、こと開発組織においては、今も私が入社した当時と変わらないスピードで意思決定できています。経営戦略に関わる大きな意思決定を仰ぐ場面でも、階層を経て何人ものステークホルダーを捕まえるのではなく、必要であればダイレクトに経営陣にSlackで判断を仰いだりもしています。この意思決定のスピード感は、大企業と戦っていく上で一つの武器だと思っています。
また、Finatext ではインフラ専任のチームは存在せず、各サービスにおけるインフラ部分の裁量までも、開発チームが持つというのも非常に特徴的。かつてオンプレ時代に、大手のWeb企業のインフラ専任(インフラの番人的な)エンジニアだった自分にとって、開発最前線のエンジニアがAWSのインフラ部分も構築しているのは、劇的に時代が進んだのを感じました。私も「経験ある(が、いまや使われない)技術」にすがりつくのではなく、これからキャッチアップしていくべきインフラの方向性を感じました。
極論、私のようなおじさんこそスタートアップに行くべきかも知れません。

「じぶんごとマインド」を持てるか

社員の裁量の大きさは、開発だけに限りません。たとえば「評価制度」や「住宅手当」といった制度の設計に関しても、Finatext ではトップダウンで決めることはまずなく、進めたいと思う有志が中心となって、フォーラムという、「説明をし、意見があれば全て受け付ける場」を複数回設定し、丁寧に時間をかけ、理解と合意を得ながら決めています。
そして、実際に運用されている制度も、必要に応じてSurvey を実施し、随時Updateされ続けています。
会社の制度設計や実運用に、当事者としてこれだけ関わっていけるのは、同じ価値観を共有できた、この規模のスタートアップならでは、じゃないでしょうか。
そして、少ないルールでもカオスにならず、健全な組織でいられるのは、Finatext が大事にしている5つのプリンシプルが深く浸透し、各自が じぶんごとマインド を持っているからに他なりません。

  • Jibungoto じぶんごとで進めよう」

  • Beyond 役割を越えて、助け合おう

  • Anti-bias 専門性を敬い、当たり前を疑おう

  • TM™ 時間とお金にこだわろう

  • Update x ∞ アップデートし続けよう

最後に

こうして振り返ってみると、「スタートアップだからいい」点は、もちろんあるのですが、なにより私は「Finatext だからいい」と思って決めたのだと、再認識しました。
そして、こんな Finatext をまだまだ発展させていきたいと、改めて思いました。

興味をもっていただけた方は、是非とも話を聞きに来て下さい。
https://finatext.notion.site/finatext/Finatext-cd4ff36fb8bd4aa78a7835565c655396

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明日は、孝橋さんによる「レガシーなマクロ付きExcelファイルをAPI化する話」です。お楽しみに!

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