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PHASEシリーズの著者 小説家 詩人 悠冴紀 歌集 「この歪な世界の最果てに」 を読み考えさせられたこと        

はじめに

PHASEという視点で現代社会の実態を掘り下げて探求し 時間 宇宙 芸術 哲学 自然 動物 人間 人生 生と死 愛 友情 社会 国家 戦争 等の多彩なテーマの状態の変化を局面で取り上げて精細にそして渾身の力をこめて言葉を選び創作された小説というタイプではなく93篇掲載された 詩集であることで驚かされた

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作者悠冴紀さんが幼少期から書き溜めてきた詩の数々をNOTEに投稿され編纂され詩集として発刊されたのは 文字数が少く曖昧模糊とし表現して読み手の観点において思考するきっかけとなればと願っているからだと著書で語られ単行本として発行されたと掲載されています                            私の読書はもっぱら書籍であり iPhoneにカラマーゾフの兄弟や レ・ミゼラブルは入力して読み続けてはいることもあり 悠さんのNOTEに掲載された作品 小説 詩をネット上で現在も読み続けていますがあまりにも膨大な作品群でもあり 翡翠の神話 それぞれのパンデミック 小説PHASEシリーズ 詩ヘンデルとグレーテル〜石のしるべ 詩LICORIS 曼珠沙華等 は心象風景でもありメタファーで少ない言葉で喚起させる表現であり 全作品は読み終わってはいないのですが 新しい読書分野でもあるので悠冴紀さんの作品を時間をかけてじっくり書中から考えさせられ 伝えきれない重い深い言葉は悠冴紀さんの書から引用しつつ書きあげた読後感です


詩集目次
詩集目次

歌集 この歪な世界の最果てにから

商業主義に適合させ かつ読者のレベルに合わせた作品であったりAiが記述したような無機質なライトノベルりーのような作品ではないがために難解さは否定できないが 悲劇をテーマにしたオーロラの宿る場所 君の道 私の道 真実 亡者たちの自称 自由の代価 壊れた人々〜傷だらけの世界で カウントダウンの作品なども読みつつ考えさせられ思い出したことがある 

パンデミック カタルシスという言葉である かって ギリシャ ローマ神話に惹かれてホメロスのオデッセイヤ イリアスそしてアポロドーロスの「ギリシャ神話」も読んでいた 難解な書籍ではあったがさらには アリストテレス ソクラテスの哲学へとつながっていた 

パンデミックスは よく取り上げられているがこの言葉もギリシャ語であり感染症のように世界的な規模で大流行することを意味する 語源は Pan-dimicである Panはすべて dimicはdemosは人々という意味である

悠冴紀さんの詩作 この視点で創作されたのかと推測して読み続けていた アリストテレスの論理学を読み浄化説(カタルシス)がこの定義の一部とされていたことを教えられていた ギリシャ悲劇は観衆の観念の心に恐れと哀れみの感情を誘発してそれによって効果を持つと解されているからである

アリストテレスはその悲劇を文学の最形式となると立場に基づいて著作 創作「詩学」で悲劇の定義を残している この詩学の論理は後世の文学作品の基本となり文学作品の名著が執筆され続けている

現代社会の歪に満ち溢れた人類社会では理解不能な悲劇的な状況が近代では引き続き続き更にはすでにAIのパンディミックの悲劇が蔓延しさらには感染症も絶えることなく変異し続ける時代に 透徹した意思により現代社会において未解決のまま放置されている課題を主題として選択して日本語という言葉で生きた証を少ない言葉で読者にわかりやすく表現され読者に参考になればと体験を語りつづけるため象徴化させ創作した悠冴紀さんの詩作品だと感じさせられた

長文となっていますが 読書の研究者として[読書感想文として 詩集 この歪な世界の最果てに] を投稿し多くの方にお買い求め頂き是非読んで頂きたい詩集だと判断して書いた記事です

これも 三島由紀夫が語るように 芸術は体験から生まれるものでありますまいか それは日常的生活体験でより一段高次の体験であり醸造作用を得て象徴化された体験です 悠冴紀さんが幼少期から書き溜めてきた自伝的作品だと語られていることもあり 著作 [詩集 この歪な世界の最果てに]  をしっかり活字で読みたいがためにオンデマンド版をAmazonで買い求めこの書を手元におき読書しつつ読後感を書き込んでいます


裏表紙には 考えさせられる言葉がきざまれています

現代社会の歪に満ち溢れた理解不能な状況が続き更にはすでにAIのパンディミックの悲劇が蔓延する時代に透徹した意思により21世紀の現代社会において未解決のまま放置されている課題を主題として選択して日本語という言葉で生きた証を少ない言葉を選び読者にわかりやすく表現されこの願いを読者に参考になればとその体験を現実模写 描写して語りつづけ 読者に考えるための詩作品だと感じさせられています


LYCORIS 

この書を手にした時 表紙デザインに使用されているリコリスに惹かれてしまったのですが本書のイメージに合わせてデザインされたと作品で記されていますので画像として掲載しています
さらに作品では その根に命の宿る限りあらゆる瞬間に美を海の女神の名を受けて大地の精霊を集める花だと力強く芽吹いてしなやかに伸び優しく鮮やかに開花する優麗なリコリスの花 私はずっと見つめていく とこよなくリコリスへの愛をこめられている言葉も文中に記されている この書を読み終わってリコリスがこの書によく似合っているものだと感心させられた

NOTEにはおうち生花としてリコリスの画像も角度を変えて多々投稿され飾られています 悠冴紀さんの生き方であり 小説 詩の創作の原点である言葉だとも教えられLYCORISを見つめるように生き方の原点についても見つめて言葉でかたられ画像も添えられ思いを残されてていると読み終わった


上代ギリシャ口承詩

叙事詩「イーリアスとオデッセイア」は西洋文学のみならず 全世界に現在まで完全に伝わる文芸作品として最古という意味でもなく スケールの雄大さや叙述の巧みさ 構想の多種多様 人生観照の深さ等々において他に比類を見ない文学作品である

叙事詩 イーリアスとオデッセイアは 一人の作者の創造によるものではなく幾世代となく語り伝えられてきた口承詩ホメーロスという優れた吟遊詩人がまとめ上げ完成させた叙事詩である


ホメーロス イーリアス オデッセイヤ 河出書房

口承詩 oral poerty  は書かれたテキストを有せず 書いたテキストに頼らないで口伝により伝承され生命を維持した文学詩である 日本では古事記 日本書紀の中核である史伝 風土記 万葉集等が現在にも残されている      

       出典 ホメーロス イーリアス オデッセイヤ 河出書房

ミメジス論

西洋文学の歴史を調べていた際 ドイツの比較文学研究者 エーリッヒ・アウエル・バッハ(1892〜1957)著「ミメジス」という書籍を教えられた ミメジスとは プラトンかにはじまりアリストテレスにおいて一応完成された文芸評論の根底に横たわる現実模写 描写の謂われである つまりリアリズム論である

エーリッヒ・アウエルバッハは ホメーロスから ラテン文学 ダンテ ボッカチオ ラブレ モンテニュー シェイクスピア セルバンテスルネッサンス文学 さらには スタンタール ゾラ ヴァジニア・ウルフとにいたる近代小説の代表作について文体批評を施しながら一貫して流れている現実把握の手段としてのミメジスのあり方を勅勘的に追求した文学史である


おわりに

文芸評論に記載された近代小説の作家の大作の作品を5.6年かけ読了し文学作品の魅せられて イーリアスとオデッセイヤ ドン・キホーテ 随想録 ガルガンチュアとパンダグリュアル物語そしてシェイクスピアの作品は特に魅せられ心に残る人間の重みのある貴重な生きた証の歴史の記録である文学作品であると心に刻みこまれている 悠冴紀さんは大学時代 神話や象徴文学 犯罪心理学や シュルリアリズム 哲学の研究等も作風に影響を与えていると著者プロフィールで記されているがこ私も読書や近代文学の文献から大きな影響を受けていたこともあり悠冴紀さんの作品に感動し類似点も感じつ読み続けていることはその証かと書き終わり思っている それが読書感想文ではなく文芸評論的な展開となった感もあるがミメジス的に構成させてしまったとも考えられる。





    

 




 

 






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