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人事は経営側からの最大のメッセージ

年明け早々に、耳に飛び込んできた衝撃的なニュース。

それは、昨年、パワハラまがいの行為で散々私を苦しめ、過去にも何人もの部下をつぶしてきた人物が、昇格を果たすというものでした。

世間ではVUCAの時代と言われ、または失われた20年とも30年とも言われ、これまでのマネジメントのやり方ではもはや通用しないという認識が広がる中、多くの企業が変革に取り組んでいます。

自分の勤める会社でも組織改革の専門組織が立ち上がり、様々な施策が繰り広げられ、幹部からのメッセージが日々飛び交っています。

新たな人事方針も発表され、そこには、適材適所とか、公正な評価とか、挑戦するものを応援するとか、耳障りのよいメッセージがちりばめられています。

しかしながら、現場で行われているのは、パワハラまがいの行為を繰り返す者の昇格人事。

言っていることとやっていることが、真逆です。

人事ほど、経営の意志が如実に表れる場面は無いと思います。

いくら過去に優れた業績を上げていても、人事方針に反する者は徹底して昇格させない、それくらいの強い意志を込めるべき場面です。

正に会社の本気度を社員に伝える絶好の場面です。

以前、ミスターミニットの迫社長のお話を伺った際、やはり同じことをおっしゃっていました。

ローランドベルガー社長である遠藤さんとの対話記事でも同じことに触れられていましたので、以下にご紹介します。

遠藤:人事は経営側からの最大のメッセージですからね。たとえば、「現場を大事にする」と言っておきながら「この人がこのポジション?」と思われるような人事をすれば、「口ばっかり」と見抜かれてしまうでしょう。 

 迫:ええ。清水に始まり、現在は部長以上の役職者の約3分の2が現場出身者です。これが、「この会社は現場中心なんだよ」というなによりのメッセージだと思っています。

迫さんの話っぷりからは、正にIntegrity(真摯さ)を感じました。

真摯さ無き者がマネジメントする組織は腐敗していき、社員の信頼を失ってく。

これは正にドラッカーさんが言っていたことですね。

 “日頃言っていることを昇格人事に反映させなければ、優れた組織をつくることはできない。本気なことを示す決定打は、人事において、断固、人格的な真摯さを評価することである。なぜなら、リーダーシップが発揮されるのは、人格においてだからである”
(P.F.ドラッカー「現代の経営」)

私の勤める会社の改革の本気度は、まだまだのようです。

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