工作舎の隠れ推し本#09 トンデモない人々のおかしくも悲しい人生模様 『奇天烈紳士録』
note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第9回は、あっぱれな人生と奇妙な信念『奇天烈紳士録』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。
ジョン・ミッチェル 和田芳久＝訳
奇人は現代人へのギフト
自分とは違う生き方をしている人に出会った時、みなさんの心はどのように動きますか？劣等感や優越感、もしくは、褒めたり批判したりしますか？
「みんなちがって みんないい」これは、金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」の詩中の言葉です。この詩が胸に響き、慰められたのは私だけではないはずです。同じ人間は一人もいないと、頭では分かっているのですが、そう思わせない何かが、世の中には蔓延している気がします。
『奇天烈紳士録』は、人と違った人生を生き抜いた紳士淑女の話が描かれています。年代は少し遡って1700年頃から1900年辺り。ヨーロッパが主な舞台です。様々な背景や事情の中で、色々なことを考える人達がいたものだと、驚かされます。その極端な思い込みの強さは、滑稽にも感じられます。ですが、現代ではあまり見られなくなった、どこか生き生きとした命の輝きがあり、不思議な魅力を放っています。奇人と言われるような人生を生き、必ずしも幸せな結末ではなかったにせよ、本人達はきっと満足しているのではないでしょうか。自分らしく生きてみたいと、勇気がもらえるような一冊です。（経理部）
著者紹介
ジョン・ミッチェル（John Michellr）
1933年イギリス生まれ。ケンブリッジ大学卒。ロシア語通訳および公認測量技師の資格をもつ。 邦訳書に『地霊』（イメージの博物誌14・平凡社）、『怪奇現象博物館』（共著・北宋社）などがある。
書籍情報
『奇天烈紳士録』
ジョン・ミッチェル 和田芳久＝訳
●本体2500円＋税 ●四六判上製 344頁
1996.2刊行
本書目次
１ ひたむきな求愛者 ジョン・ラター・カーデン
▶︎彼女は私への愛を認めるのが恥ずかしいだけなのだ。
２ サマーセットの系図学者 イアン・スチュアート＝ニル
▶︎妻の霊視能力でアーサー王の系図を解く。
３ 平らな地球の信奉者 レディ・ブラント
▶︎地球が平らであることは証明可能な事実である。
４ 地球の内側に住む人間 サイラス・ティード
▶︎この世界は空洞の地球内にある。
５ 不屈の神父 ジェレマイア・オキャラハン
▶︎何も当てにせず、ただ貸しなさい。
６ 超保守的な下院議員 チャールズ・ド・ラエット・ウォルド・シブソープ
▶︎絶対に「改革」など認めない！ 外国人は全員スパイだ！
７ 陰謀学のファースト・レディ ネスタ・ウェブスター
▶︎歴史を操る秘密結社を白日のもとに！
８ 彫像と話した男 ルートヴィヒ・ド・ギルテンシュトゥブ
▶︎私は死者からの直筆メッセージを得た。
９ 二人の奇妙な領主 ロクビー卿とリー・ウォーナー
▶︎過剰な放任と過剰な寛容さ。
10 ラトビアの失恋男 エドワード・リーズカルニン
▶︎この城は、いつか彼女と住むために。
11 野人を訪れた裁判官 モンポッド卿
▶︎その地では「尻尾をもった人間」が多く生まれているのです。
12 優良人間を作る科学者 フランシス・ゴールトン
▶︎優れた人間だけが子孫を残す権利がある。
13 氷結戦艦の発明者 ジェフリー・ナサニエル・パイク
▶︎パイクリートこそ戦争を終わらせる大発明。
14 最後のドルイド エドワード・ウィリアムズとプライス博士
▶︎美しきウェールズの伝統は死なず。
15 聖書を書き換えた男 ウィリアム・コミンズ・ボーモント
▶︎イギリスこそ人類文明発祥の地である。
16 頭に孔を開ける人々 ジョーイとアマンダ
▶︎開頭手術で閉ざされた意識を拡大しよう。
17 蔵書狂 トーマス・フィリップス vs ハリウェル
▶︎世界のすべての本をわが手に！
18 英国選民思想の説教師 エドワード・ハインとシャフツベリー卿
▶︎神に選ばれしイギリス人には大いなる使命がある。
19 シェークスピアを疑う者 デライア・ベーコン
▶︎あんな間抜け男であるはずがない！
20 偉大なる異端者 イグネイシャス・ドネリー
▶︎「シェークスピア」劇は大いなる暗号に満ちている
21 F・ベーコンの選ばれた解釈者 ダーニング＝ロレンスとオーウェン博士
▶︎ベーコン卿が残した宝物が必ずあるはずだ！
22 UFO研究者たち ジョージ・アダムスキー
▶︎彼らは金星から来たと語った。
プレゼント応募方法
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