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桃山鈴子 イモムシ本制作記

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驚異のイモムシ描き、虫めづるイラストレーター桃山鈴子さん。 工作舎から2021年、イモムシだらけの作品集を刊行しました。 孵化した幼虫が脱皮を重ねてどんどん成長していくような、 … もっと読む
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#いもむし

春だ京都だイモムシだ! 桃山鈴子さん新作展レポート

桃山さんの新作個展「わたしのイモムシ2023」が、四条河原町のメリーゴーランドKYOTOのギャラリーで4月12日まで開催中です。 展覧会の模様を工作舎の編集者がお伝えします。 会場となるメリーゴーランドKYOTOさんが入居している壽ビルディングは、1927年(昭和2)に建てられたモダン建築。「ミナ ペルホネン」京都店が入っているビルです。 桜の季節の京都の週末は午前中から人がいっぱい。このビルも繁華街の四条河原町にほど近い立地ですが、建物の中は静かな空気が流れています。

イモムシ、へんしん! 桃山鈴子さんの初めての絵本と原画展

2022年4月25日、福音館書店さんから 『へんしん ─すがたをかえるイモムシ』が刊行されました。 イモムシ画家・桃山鈴子さんの初めての絵本です。 東京で開催された原画展の様子もお伝えします。 春の訪れとともに届いた絵本『へんしん』。 企画のスタートから完成まで3年がかりだったそうです。 解説と監修は井上大成さん、ブックデザインは大島依提亜さん。 カバー帯には養老孟司先生が「なにしろまず見てください」と推薦の言葉をお寄せになっています。 カバーはモンキチョウ。 カバ

伊丹市昆虫館&箕面公園昆虫館「魅惑のいもむし・けむし展」行ってきましたレポ/後編

イモムシ画家・桃山鈴子さんと訪問した「魅惑のいもむし・けむし展」。後編は箕面昆虫館へ! 前編に引き続き、昆虫エクスプローラ管理人の川邊透さんのご案内で箕面へやってきました。箕面駅から箕面公園昆虫館へのルートは徒歩のみ。車や自転車は入れない、国定公園の一部です。通称「滝道」はとても気持ちのいい道! 坂道を登っていくと突然、大粒の雨が! 親切にも「どうぞお入りください」と招き入れてくださったお屋敷の風情が素敵すぎました。 ↑大正15年築のお屋敷は「音羽山荘」という旅館兼お食

伊丹市昆虫館&箕面公園昆虫館「魅惑のいもむし・けむし展」行ってきましたレポ/前編

『わたしはイモムシ』を刊行してからずっと行きたかった場所、というか絶対に詣でなくてはいけない聖地がありました。 伊丹市昆虫館(兵庫県伊丹市)・箕面公園昆虫館(大阪府箕面市)の合同企画展「魅惑のいもむし・けむし展」です。 その聖地へ桃山鈴子さんと担当編集者が行ってきました! 会期中、両館とも緊急事態宣言に大きな影響を受け、特に箕面公園昆虫館は長期の臨時休館が続きました。 休館中もオンライン配信で展示の様子や企画担当スタッフさんのいもむし・けむしトークが発信され、6月後半から、

『わたしはイモムシ』発売記念 桃山鈴子さんにいろいろ聞きました。

2021年6月、桃山鈴子さん作品集『わたしはイモムシ』がいよいよ全国の書店で発売となりました。海外からもAmazonで購入できます。 初回は予約注文のあった書店さんを中心に出荷しているため、お近くの書店になかったらぜひご注文ください。 ↑アサギマダラ幼虫のお面を装着して書店回りをする桃山さん。左が未来屋書店北戸田店さん、右は紀伊國屋書店玉川高島屋店さん。 ひとあし早く5月にギャラリー・マルヒさんで開催された個展で先行販売を行ない、たくさんの方々にご購入していただきました。

vol.6 幼虫のまま越冬してしまった! 起きなくちゃ! 来週入稿だよ!

すっかり更新をさぼっていた越冬明けのイモムシ本制作記ですが、本づくりのほうは着々と進んでいます。 この間、桃山鈴子さんは新作を描き、エッセイを執筆し、校正を確認し、絵を描き直し、エッセイを書き直し、編集者は編集し、デザイナーはデザインし、翻訳者は翻訳し、虫にくわしいご協力者の方々に原稿内容をていねいにチェックしていただき、印刷会社から見積もりをもらい、気がつけば来週にはもう入稿です。おそろしい…。 立派な終齢幼虫になれるまで、あともうひと山ふた山ありますが、今現在の姿をちら

vol.3 桃山鈴子さんのイモムシ手帳拝見。脱皮したてのスギドクガの幼虫は…

「いま、スギドクガを飼育していて」 ある日の電話で、虫めづるイモムシ画家・桃山鈴子さんがうれしそうに教えてくれました。 「脱皮したばかりのスギドクガの幼虫って、毛がくるんくるんにカールしてるんですよ!」 「……そうなんですか〜」 としか返せない編集者の私。 とりあえず手元のイモムシ図鑑でスギドクガを確認してみると長い毛がまっすぐピンピン生えていて、さわると痛そうだなという感じです。 毛が、くるんくるんとは……? というか、ドクガって大丈夫なのか……? (※ドクガ科ですが、ス

vol.2 どうして工作舎がイモムシ本をつくるのか?

ゴマフリドクガ、ビロウドハマキ、フクラスズメ…… 2021年春に発行予定の桃山鈴子さんの作品集のために、桃山さんから、少しずつイモムシたちの画像データが送られてきます。 印刷用の画像なのでとても容量が大きく、モニタ上で拡大すると、顕微鏡で虫を見ているような気分になります。今回の見出し画像のイモムシはビロウドハマキの展開図の一部です。 桃山鈴子さんのウェブサイトはこちらです。 さて今回は、どうして工作舎がイモムシ本をつくるのか? というお題で、工作舎が出してきた出版物のなか

vol.1 イモムシ選抜戦! これさえうまくいけば本はできたも同じ(?)

虫めづるイモムシ画家・桃山鈴子さんの作品集。 2021年春刊行に向けて、だんだんと全体構成が進んできました。前回の制作記はこちらをご覧ください。 画集や写真集などビジュアルが主役の本をつくるときに、大事な仕事は2つあります。 1. どの作品を載せるか選ぶこと。 2. 作品を美しく印刷表現すること。 2つめのほうは、主にデザイナーやアートディレクターの領分です。製版オペレーターや印刷会社の技術と経験に拠るところも大きいです。 桃山さんの絵は、アルシュという水彩紙にアクリルイ

vol.0 虫めづるイラストレーター桃山鈴子さんのイモムシ本をつくります

驚異のイモムシ描き、虫めづるイラストレーター桃山鈴子さん。 工作舎では2021年春の発行に向けて、イモムシだらけの作品集を制作中。 孵化した幼虫が脱皮を重ねてどんどん成長していくような、 本づくりのプロセスをつづります。ぶじに羽化できますように。 こんにちは。アサギマダラ、ウラギンシジミ、カラスアゲハ、ジャコウアゲハ、アカタテハ、クロシタアオイラガ、モンシロドクガ、クロモンドクガ、あなたはどの子がお好みですか? うーんどの子も魅力的で迷うなあと思ったあなたは、ぜひぜひ桃山