日本にはなぜ欧米のような右翼団体がないのか/イスラエルが本当に怖いのはイランよりトルコではないか/イスラエルの核開発疑惑1963とケネディ暗殺

8月11日(日)晴れ

昨日でお盆前の営業は終了し、しばらく休み。厳密には今日明日はカレンダー上の休日であって、13日からがお盆休み。お盆前にやることもまだ終わってないので今日明日で片付けようとは思っている。今年のお盆はいろいろな関係であまり出かけない感じなので普段進行が滞っている部分をなるべくちゃんと流せるようにしていきたいと思う。態勢の立て直しが一つの主眼かなと言う感じ。

それこそアニメの録画したものとかの見てないものもかなりあるので、この休み中になるべく見たいなと思っている。今日は「ふつうの軽音部」の更新のない日曜なので「生きる希望が・・・」なのだが、来週を楽しみにしたい。


日本には欧米のような急進的な右翼団体がない、と言う話を読んで考えたのだが、日本に欧米のような極端な右翼団体がないのは、戦後の右翼が「皇室護持」の保守的・伝統主義のグループと「アジア主義」に代表される民族主義的なグループがあり、そこに商売で手を出してきた「任侠右翼」が絡んで街宣活動が行われてきた。ただ正直言ってどの種の団体も異常に「敷居が高く」、若者が入りやすい雰囲気ではなかった。それでいずれも世代交代で弱体化しつつある。

「新しい教科書をつくる会」などの新しい右翼系も日本会議=「元」生長の家やいわゆるネット右翼などのネット言論系など、言論や広報で世論や政治に訴えていくパターンにとどまり、大々的に活動家が育成されていく方向性が生まれなかったということかなというイメージではあるのだけど、あまり詳しくはわからない。直接行動系よりネット言論系が多いということがポイントかなと思うのだけど。つまりそれは大衆的な広がりを見せていない、よりインテリの人たちの中に「いわゆる右翼」的な思想が広がった、と言うことなのかなと思う。

日本では左翼にオルグされる機会はまだまだ「アカデミア」や「自治体」「生協」そのほか割とあるように思うが、正直右翼にオルグされる機会はあまり考えにくいように思う。おそらく宗教をきっかけに右方向の思想を持った人はかなり多いだろうと思うのだが、統一教会=勝共連合も伝統的な意味での右翼ではないし、生長の家は左旋回してしまったし、神社本庁はガタガタしている。今の若者が未来を見出せるような運動体にはなっていないのが現状だろう。

そう言う意味では「ここに入ったら立派な右翼になれる!」という組織が日本にはないように思う。右派保守運動にとっては大きな課題だろう。小林よしのり氏や百田尚樹氏などその中心になりそうな人たちはいなくはないのだが、運動論的にその組織化は難しいのだろうなと思う。むしろ青年会議所などが草の根でそう言う役割をしている気はするのだが。

一時拉致被害者の家族会の集会などに参加していた頃は、左派の集会とは全く違う感じの人たちがたくさんきていて、「日本の右翼というのはこういう感じなんだな」と思ったのだけど、あの運動もなかなか規模感を持っては続かなかったなと思う。世論全体が決定的に右旋回をしたのはあの2002年の金正日の拉致を認めた発言だったと思うのだけど、論壇や教育機関などにおける左派勢力の強さというものに結局じわじわと巻き返された感じがある。自民党の多くの議員がLGBTに熱心になった時にはもうこの国は終わりなんじゃないかと思ったが、まあ彼らが党内の主流派になることもなさそうなので、保守派には期待はしているのだけど、先に述べたようにアカデミアや自治体などに基盤を築いた左派に対抗して決定的な地歩を築くのはまだまだ難しいなと思う。


イスラエルの核開発疑惑というか、イスラエルはいまだに「持ってるとも持ってないとも言ってない」わけだけど、その核開発が進められたのはちょうどイスラエルとの「特別な関係」に舵を切り始めたケネディ政権の時で、彼はイスラルの核開発は何としてでも止めようとはしている。なんとかイスラエルに査察を入れようとして、でもそれが実現される前に暗殺されてしまった。最初の査察は1964年2月、ケネディ暗殺の2か月後だった。

こういう経緯から、一部にはイスラエルと中国が核を共同開発していてそれを察知したケネディが暗殺された、という陰謀論があるようなのだけど、確かに両国の核開発は同時期、1964年ではある。これは流石に荒唐無稽だと思うが、1979年に起こったヴェラ事件というのがあり、これはイスラエルと南アフリカの共同核実験だったという説があって、昭和基地の地震計のデータからこれは表に出ていないが「海中核実験だった」という説を書いている人がいて、これはある程度説得力があるように思った。アパルトヘイト政策時代の南アフリカは国際的に孤立していたから、イスラエルと手を結ぶ動機は十分あっただろうと思う。


今朝見た記事で一番印象に残ったのがこれである。

トルコのエルドアン大統領がイランで暗殺されたハマスの最高幹部、ハニヤ氏の息子に面会したというニュースである。

ハニヤ氏は西岸とガザで行われた2006年のパレスチナ立法評議会選挙でハマスが大勝した際、パレスチナのファタハ・ハマスの連立政権の首相に就任した人物である。同時期にハマスがガザ地区を占拠したためアッバス大統領から解任され、現在のパレスチナの内部抗争の発端となった人物でもある。

今年になってハニヤの子供たちが何人も暗殺されていたが、ついに本人も暗殺されたということで、エルドアンとしては「ハマス支持・イスラエル非難」を鮮明化するためにハニヤの息子たちを招いたのだろう。

シーア派のイランがハマスを支持してもあまりその二つの勢力の連帯は感じられないけど、トルコがハマスに配慮を見せているというのはイスラエルやアメリカに対する圧力にはなるだろうなあ。

イランは中東の多くの武装集団に援助を行なっているけれども、シーア派のヒズボラやフーシ派を除けばすんなはのグループから本当には信頼を得られてないだろうし、今回のハマス幹部の殺害もイスラエルに唆された革命防衛隊を裏切った人物がやったようだから、ハマスからも信頼を失っているのではないか。エルドアンがハマスに同情の意を示したことの方が今後に影響してくるように思う。

私などもイランとハマスの関係には注目していたが、トルコとの関係についてはあまり注目していなかったので認識不足だったのだが、4月にもエルドアンはハニヤと会談していたのだった。

エルドアンは最近になって特にガザの状況に関してイスラエル非難を強めているようなのだけど、自分はあまりちゃんと認識していなかったので少し時系列的に調べる必要性を感じた。中東におけるイスラエルへの対抗勢力としてはイランばかりクローズアップされてきてるけど、本気になったらトルコの方が絶対厄介な存在になる。

イスラエルもかなり本気で嫌がっている感があり、トルコはこの方向で外交攻勢をかけるつもりのようだなと思う。

しかしイスラエルも、NATO加盟国であるトルコには攻撃できない。NATO加盟国が攻撃されたらNATO諸国は敵に対して反撃する義務があるからだ。だからイスラエルは「トルコを除名せよ」と叫んでいるわけだが、そう簡単にはいかない。

面白いのはイスラエルがNATOに加盟していない、つまりNATO加盟国にはイスラエルを守る義務はないということで、そういう意味ではイスラエルはほぼ100%アメリカとの同盟関係に頼り切っている、というか本来何があっても自衛に徹するために誤魔化しながら核開発もしたわけで、国際的に主流な「集団安全保障」に否定的なところが面白いなと思う。しかしそういう意味では加盟国でもないイスラエルが騒いでも、加盟国の多くは「うるさいな」という感じだろう。アメリカは別として。

世俗化されたイスラム教徒の国であり、NATO加盟国であるという点において、トルコは外交にも軍事にもかなり多くの選択肢を持っているし、シリア難民を100万規模で受け入れるなどの国際社会への貢献もあるわけで、トルコの行動はかなり重いだろう。イスラエルが神経を尖らせるのも納得できるなと思う。

長崎市がどこまで考えたかは別として、結果的にしろ長崎市が行った「イスラエル批判」は偶然とはいえ共時性が感じられ、「西側諸国に属するアジアの国」の西端と東端で同時にそういう動きが起こったのは割と批判としては刺さるかもしれないなと思う。

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