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介護状態にならないように予防できるの?

誰しも介護状態になりたいと思っていません。では介護状態にならないためにはどうしたらよいか知っていますか?

最近、フレイルやサルコペニアという言葉を耳にすることはないでしょうか?これらは健康寿命を延ばし将来の介護費や医療費を抑えるために研究されているといっても過言ではありません。何故かというと、一旦介護状態になると、そこからいくら介入しお金をかけても健康な状態に戻らず維持か緩やかな下降となる確率が上がってしまうからなのです。ですからその前段階で介入し、いかに介護状態にならないか、というところにお金をかける方がトータルの介護医療費が抑えられるということから、このような指標がたくさんでてきています。フレイルやサルコペニアは介護状態を事前に予測できるような指標がたくさんあります。

言葉のなじみにくさはともかく、どの数字をみても高齢者に接する中で経験的に当てはまることが多く、確かにこのような指標があれば、「まだ私は大丈夫」と思っている方にアプローチしやすいということを感じます。

昔から歩行速度が1.0m/s以下、連続歩行距離50m以下になると移動能力の自立が難しいと言われていました。横断歩道を渡りきるためには1.22m/s以上のスピードを必要とするため、そのように言われていたというのもありますが、1.0m/s以下となるとただ歩行速度がゆっくりなだけでなく、バランス能力の低下や判断力の低下などの能力も低下していることが多く、転倒リスクも上がり、転倒恐怖から『なるべく歩かない』という状態になり、ますます歩行能力が低下するという悪循環に陥るのです。もちろん例外はあると思いますが、歩行能力が1.0m/s以下、もしくはサルコペニアの指標の0.8m/s以下となると健康な状態に戻りにくいというのは感覚的にも合致します。

今はサルコペニアやフレイルで検索すると計測する以外にも色んな指標が出てきてなるほどと思うことが多いです。例えば、横断歩道を渡り切れない、ペットボトルを開けられない、食事量が減って来た、体重が減ってきた、物忘れがある、外出がおっくうになってきた、どれも「年だから」と思いがちな症状ですが、このようなことに気付いたら是非歩行速度や握力などを計測してみてください。指標になっている数字は科学的根拠に基づいています。サルコペニアやフレイルの状態になっていたらすぐにアプローチしてください。

ではどうすると防げるかということですが、とにかくこれより悪くなったら引き返せないかもしれないという危機感を持って様々な方法でアプローチすることです。病気になったらお金がかかるから、、今はお金を置いておきたい、ではなく、病気にならない体を作ることに注力してください。持病の治療はもちろん、栄養面も時々はプロにお金を払って相談すること、適切な運動も自己流になっていないかプロの人に相談する、そうやってできるだけ健康寿命を延ばすことが将来の介護状態を遠ざけることになります。人工関節の手術に踏み切るというのもありだと思います。あなたの状態に合わせて科学的にアプローチしましょう。

介護状態にならないようにするためのポイントは、『介護状態になってから○○をする』ではなく、『介護状態になっていない状態から介護状態になるかもしれない状態を見つけてアプローチする』ということです。今回はそのための指標のお話でした。

厚生労働省                             第3回高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議     https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000362871.pdf

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