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③皮膚科門前の薬剤師をしています。よく処方が出る(十味敗毒湯、白虎加人参湯、黄連解毒湯、当帰飲子、麻黄附子細辛湯、桂枝茯苓丸、加味逍遥散)について解説してください

皮膚科門前の薬剤師をしています。よく処方が出る
(十味敗毒湯、白虎加人参湯、黄連解毒湯、当帰飲子、麻黄附子細辛湯、桂枝茯苓丸、加味逍遥散)について解説してください その③

本日は黄連解毒湯 おうれんげどくとうについてご紹介しますね

黄連解毒湯は皮膚疾患でよく使われるそうですが、果たしてどんな漢方薬なのでしょうか

この漢方薬は構成生薬が4つだけでシンプルです。

ここで覚えていただきたいことは漢方薬は構成生薬が少ない方が効きがシャープで強いということです

黄連解毒湯の中味を解説すると

黄芩 おうごん
上焦 じょうしょう(横隔膜より上)の部分の熱を冷まし、じゅくじゅくした状態を乾燥させる

黄連 おうれん
中焦 ちゅうしょう(横隔膜より下、へそより上)の部分の熱を冷まし、じゅくじゅくした状態を乾燥させる

黄柏 おうばく
下焦 げしょう(へそより下)の部分の熱を冷まし、じゅくじゅくした状態を乾燥させる

山梔子 さんしし
三焦 さんしょう (上・中・下全てという意味と水と元気の通り道という二つの意味)
の熱を冷まし、内臓の深い部分の毒素(じゅくじゅくした熱の毒素)を綺麗に乾かす

この四つの生薬が配合されています。

この漢方薬はじゅくじゅくして黄色い滲出液が出ているような皮膚の症状に短期間使用するのが一番正しい使い方だと私は考えています。
特別にどんな皮膚に使用するのか、写真を添付しますね

ここで気をつけなかればいけないのは
①この漢方薬は炎症を抑えたり、熱を冷ます作用が強いので長期間使ってはいけない
ということです。 特に漢方薬初心者は冷ます漢方の使い方が上手ではないことが散見されます。特に、お腹がゆるくなったり、食欲が低下したりしたら別の漢方薬に変えた方が良いと思います

②この漢方薬は乾燥しますので長期間使わない方が良いです
皮膚が乾燥するだけではなく、体の血や津液が消耗しますので、長期間使わないようにしましょう。

この副作用を無視して出すと清熱薬の副作用が出ます。黄連解毒湯という名前での副作用ではありませんが、山梔子や黄芩を長期間服用したことによる、副作用は説明するまでもありませんよね。 誤用が原因です。

清熱薬は気をつけて使いましょうね

いかがでしたでしょうか?
漢方薬を知るには名前だけではなく、中身を知ることが大切です。
皮膚の漢方薬は難しいので、自己判断で選ぶことはお勧めしません。

私と一緒に一歩ずつ勉強していきましょう

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