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⑥皮膚科門前の薬剤師をしています。よく処方が出る(十味敗毒湯、白虎加人参湯、黄連解毒湯、当帰飲子、麻黄附子細辛湯、桂枝茯苓丸、加味逍遥散)について解説してください

本日は 桂枝茯苓丸 けいしぶくりょうがん について解説します

桂枝茯苓丸は婦人科でよく使われる漢方薬ですね。では皮膚科領域ではどのように使われるのでしょうか?

桂枝茯苓丸は
桂枝 けいし 枝の生薬なので、経絡を通す つまり、血管の詰まりを通す働きがあります

茯苓 ぶくりょう 余分な水分を尿中から外に出す

炎症を抑えながら、体の血流を良くする
牡丹皮 ぼたんぴ 赤芍 せきしゃく 桃仁 とうにん

この漢方薬は炎症を抑えながら血の巡りを良くしたり、血の停滞(瘀血おけつ)が原因の黒ずみに使われます (写真載せときますね)

しかし、気をつけなければいけないのは日本では桂枝茯苓丸は正しい材料で作られていないことが多いということです

まずは桂枝 けいし これは枝の生薬を使うのですが、日本では、桂皮 けいひ という皮が使用されている製剤がほとんどです。 

東洋医学では桂枝と桂皮は別の薬として運用していますので、注意が必要です(詰まりを通す作用を期待するなら桂枝を使うべき)

次に芍薬 しゃくやくこれは桂枝茯苓丸の場合皮付きの赤い芍薬を使うのですが、日本の製剤の場合白い芍薬を使っているケースが多いです
(血の巡りを良くする作用が白芍にはない)

そして、桃仁 とうにん 桃仁の皮には「毒がある」とされていますので、皮を剥いた物を使用することが好ましいとされていますが、ほとんどのメーカーのものは皮付きの物が使用されています。

漢方薬は同じ名前でもメーカーにより製造方法や使っている原材料が異なるので効果が大きく異なるということをご存知でしたか? 

漢方薬は現代医学の薬とは異なり、同じ名前の漢方薬であれば効果も全く一緒というわけではないんです

いかがでしたでしょうか?
漢方薬を知るには名前だけではなく、中身を知ることが大切です。
皮膚の漢方薬は難しいので、自己判断で選ぶことはお勧めしません。

私と一緒に一歩ずつ勉強していきましょう

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