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ツムラさんの漢方116番「気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、時に動悸、めま い、嘔気、胸やけなどがあり、尿量の減少するものの次の諸症: 不安神経症、神経性胃炎、つわり、溜飲、胃炎」という適応症の茯苓飲合半夏厚朴湯 ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう に関してご紹介します。

この漢方薬はその名の通り
茯苓飲
という漢方薬と
半夏厚朴湯
を合わせた漢方薬です

茯苓飲 ぶくりょういん

茯苓 ぶくりょう
お小水を増やしてむくみを改善する
お腹の調子を整えて水分の代謝を良くする

枳実 きじつ
陳皮 ちんぴ
生姜 しょうきょう
胃腸の消化を助ける
滞っている気を下に下げる

人参 にんじん
白朮 びゃくじゅつ

胃腸の弱さを整える
老廃物を取るのではなくて
胃腸を元気にする
気を補う

ここまでが茯苓飲の部分で
主に胃に水がたまってぽちゃぽちゃしている時
によく聞きます

ここに
半夏厚朴湯を足すのですが、
重複している生薬があるため、
追加するのは三味の生薬です

半夏 はんげ 
水分のネバネバした老廃物をとり、気を下に降ろす

厚朴 こうぼく 
気の巡りをよくして、詰まりをとる

紫蘇葉 しそよう 
体を温める、良い匂いで気持ちがリラックス

精神的な心の負担が原因で喉の詰まりを感じることを
東洋医学の言葉で「梅核気 ばいかくき」
と呼びます。
(目には見えない気が詰まっているので内視鏡などで見ても異常はない)

この場合気と痰の両方の詰まりを取る必要があります。

半夏厚朴湯はそのような場合に適した漢方です

全体で発散させて気の巡りをよくさせながら、
気と痰の詰まりをとる働きがあります

また、紫蘇葉には解鬱作用(かいうつ)
という気分を良くする作用があるので、不安を
ある程度取り除く作用があります。

胃のチャポチャポや
胸の辺りのつかえを取り除く茯苓飲
を合わせることで気の巡りを良くする作用と

メンタルの不調の原因となる水分の老廃物
を取り除く作用が強まっています

しかし、不安や喉の詰まりの原因は一つではありません。

不安に関しては
血が不足しているタイプで出る不安や
体が疲れていることによる
不安には効果が期待できないと思います。

漢方薬を自分で選ぶのは難しいので
専門家の体質チェックの上で
選んでもらうことが大切です

いかがでしたか?
漢方薬を知るには名前だけではなく、中身を知ることが大切です。
私と一緒に一歩ずつ勉強していきましょう。

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