誰かが手を貸して、この世に送り出してくれた時点でその魂は「要る」のだ

人は、生まれる時期と亡くなる時期を自分で決めることができないし、決めてはいけないのだとも思う。

そして、生まれたときと亡くなるときは、必ず誰かの手を借りなければいけない。生まれたら誰かに食べさえてもらい、着替えさせてもらわなければならない。亡くなるときも、病気で誰かの手を借りることがあったり、死後の始末をしてもらうことがあったりするだろう。

人の手を借りてまで、この世に生まれてきた魂には、すべからく意味や価値がある。魂がこの世を経験することで、さらなる意味が生まれるのだと思う。

自分自身ですら「なぜ、生まれると決めたのか」が分からず、なんのために生きているのかだって、時にあやふやになる。

そういうあやふやで、不確かな私たちが、魂について要る・要らないとか、重い・軽いなどと言うべきではない。しいて言うならば、生まれてきた時点でその魂は「要る」のだ。誰かが手を貸して、この世に送り出してくれた時点で「要る」のだ。

私も昔、体調が悪くて、寝込むことしかできない日々が続いたとき
「こんな日々がずっと続くなら、なんのために生きているんだろう？」
と考えたことがあった。

それでも「生まれる時期と亡くなる時期を自分で決めてはいけない」という言葉が頭にあったこととで、生き延びて来られた。どんな姿になっても、勝手に死ぬことができないのだから、開き直って寝込んでいればいいのだと(笑)。

魂がこの世に送り出され、またこの世から去っていくことの真の理由は、私にはわからない。ただ、この時期と環境のもとに送り出された以上は、その状況をしっかりと自分で経験を積み、魂に刻み付けることで、いつか生まれた意味がわかるのかもしれない。

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