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とあるフリーランスのスケジューリング術

最近とある人に聞かれました。

「濱澤さん、体調悪くて仕事してないのに、なんで仕事くるの?」

……いや、まあ。それは良いクライアントさんに恵まれたからだと思うけども。あと、フリーランスという立場だからってのはあると思う、ん、ですよ。

というわけで、あくまで「フリーランス」というお仕事を選んだ「病人」がどうやって仕事と病気を両立できるスケジュールを組むか。

というお話。基本的なお話なので、期待はしないほうがいいと思います。

1.自分の「通常時」の力量を知っておく

私の場合は「ライター」と「ICTサポーター」という2つの仕事を持っています。ライターの方は「1日に何時間何文字文章が打てる」「調査範囲はこういう内容だと何時間程度で完了」「自宅作業で完結するか、図書館その他などの外部資料調査が必要か、はたまたインタビューなどが必須か」「インタビュー内容の書き起こしは録音何分に付き何時間程度で終わるか」みたいな細かい作業時間を数値化しています。こういう数値目標がある人は、無理なくスケジュールを組みやすい…のですが。

必ず「通常時」の時間を書いておくこと。
若かりし頃の時間は参考にせず、現在の力量で書いておくこと。

この2つが重要かと思います。いやさ。徹夜前提の作業ペースを基準にすると、病むんですよ。徹夜はたまにやるからセーフであって、基本的にはいつもの就寝時間に寝れる時間には作業を終える前提でないと。
あと、若い頃と今では、作業効率がぜんぜん違うことがあります。今のほうが力量が上がって向上していることも多いので、そこは素直に増やしておいたほうがいいです。ただ、逆に低下しているものも多く、特に体力とか目の疲れとかそういう「休憩必須で…」みたいな時間も加味しておかないと物理で死にます。うん。そこは自分自身が一番わかってるはずです。

半年か1年に一度は、そのへんを見直す時間を作ったほうがいいです。無理にでも。

なお、ICTサポーターの仕事については、計算値を「1回の仕事で4時間」と計算しています。移動時間の加味…というより、実際に行くとサポートの仕事以上に世間話的なメンタルコンサル的な何かが付与されることが多いので。本当は時間に応じた仕事をすべきなんですけどねー。なお、上記の時間とは別に準備時間が本当は必要になります。

2.通常時の力量でこなせる量以上は引き受けない

これ大事。超大事。質ではなくて、量の話。

自分の技量を向上させる目的で、力量以上の質(内容)を求められる仕事はすべきなんですよ。ただ、力量以上の「量」を求められる仕事は引き受けないようにしないと、死にます。

量って何かって言うと。

文章を書くお仕事ならば。
例えばあなたが1日どれだけ頑張っても5万文字程度しか入力できないのに、納期2日後で20万文字程度は入力が必要なお仕事。
専門的な内容で、論文専門家に話を聞くその他がどう考えても1週間は見とかないと…って内容で納期5日後とか。

要は、そのお仕事1つを無理に無理を重ねないと納期に間に合わない仕事は受けないようにする。

無理をしすぎると、そのときはなんとかなっても次の仕事をこなす体力がなかったりします。「あなたの力量を上げるためにはこのくらいの試練!」という方も多いでしょう。わかる。わかるけど、それはちょっとずつ上げていかないと難しい。あと、努力でできることには限界がある。

文字入力数も、ライターの場合は文章の構成その他を考えつつ、更に修正とか読みやすさとか構成変更とかで何回も書き直すことが多いので…。単純な文字入力数で計算できるものでもないですしねえ。

やってみないと実際に掛かる時間はわからないとはいえ。
目に見える範囲で「あ、絶対に無理」って仕事はきっぱり断ります。はっきり言うことで、納期見直しなどがあって、引き受けることもあったりします。

3.通常時の力量で完了する日時+1日以上先を納期にする

これは、体調を崩しやすい私特有のやり方かもしれない。

基本的に、仕事量はかなりセーブしています。というのも、突然全身に痛みが走り出して、PCに向かうことができないまま1日経過とかがザラにあるから。

フリーランスというものは、信用がないとお仕事が回ってこないものです。原則的に納期というものは守らないとダメなんです。というか、納期を破りまくっても大丈夫なのは、大先生とか、この人しか書けないとか、そういうレベルに到達しないと無理なので。間違っても普通の人は「締切日過ぎてからが本番だろ?」とか言ってはいけません。そういうコト言いまくってやりまくっても仕事がちゃんと来るのは、その人が先生という立場だからだ。

で、普通の人は自分の力量目一杯まで仕事を突っ込んでいいと思うのですが、私の場合は体調不良で死んでることが多いのもありまして、基本的には作業日数は何も問題がなければ完了する日時に+1~2日追加した納期にします。納期はクライアントさんから提案されることも多いのですが、1日追加してくれたら確実という場合は、引き受ける前にその旨伝えて交渉します。急ぎ故に無理な場合はごめんなさいですし、先方の余裕がある場合はそれでOKが出たりします。それはそういうものです。

4.興味がわかなくて単価が安すぎる仕事は引き受けない

めっちゃ興味アリアリで単価が安すぎる仕事は、よっぽど忙しくない時期でなければ割と引き受けます。

……興味がなくて、単価が平均以上ならば、引き受けます。そういう仕事であっても、何らかの糧になることは多いので。

ただ、単価激安で時間泥棒にしかならない案件。お前はダメだ。

ライター駆け出しの頃そういう仕事ばかりやってた時期がありますが、そういうところは人を育てるという気概もありませんし、むしろ使い捨てにしてきます。あと、その頃の激安仕事が今の仕事に結びついているかと言うと、実はほとんど結びついていないという現状があります。

せいぜい、こういう記事やTwitterなどでネタにする程度です。いや、その程度でいいから何か得るものがあったとしないと、メンタル保てないから。

なお。激安仕事に限り、断ると「こういう仕事もできない人は業界でやっていけない」とか「お前を業界にいられなくしてやる」とか言い出します。逆に、適正単価以上のところほど、一度お断りしてもちゃんと次の仕事を回してくれます。必要以上に怖がらなくても大丈夫ですよ。

5.受けた仕事はきっちり納品する

あーっと。これ、当たり前の話なんですが。

受ける以上はきっちり納品してください。黙って締め切り破るのはダメ。そこは単価云々ではなく、信用の話です。

なお、納品する信用があれば、忙しいと断っても何らかのご縁は繋がり続けます。納品能力のない人は信用に欠けるっての、まあそのとおりですよね。

6.最低週休1日は取りましょう

別に土日祝な人たちに合わせて休みを取る必要はありません。平日休みでもいいのよ?ただ、最低週1はフリーの時間を作りましょう。

自営業自由業あるあるなんですが「駆け出しの頃は休みなく働くべし」「そうやって24時間365日働ける体力がないやつはやるべきでない」。もちろん、仕事の内容によってはそうなりがちではあります(農家とか生き物を相手にする仕事とかね)。けれど、全部の仕事がそういうものではないはずです。営業とかだって、企業相手ならば企業の休みの日に打ち合わせはしませんし、個人向けだって在宅していない時間に営業をかけたりはしません。(サラリーマンだと、そういうことは関係なく出社で、休日出勤になる人が多すぎて感覚がおかしくなってると思うんだけど)

休みを取るのは身体のため…もありますが、どちらかと言うと「脳活」のためでもあります。というのも、思考パターンが凝り固まってしまうんですよ。そして、疑問に思ったことがあったとしても、脳が疲れてるときはスルーしがち。いろいろなものの見方ができるようになるために、新たなアイデアを生み出すために、そして脳の疲れを取るために、休みは必要です。

人によっては1日丸々休みって怖いかもしれない。何していいかわからないかもしれない。本当は「なぜ休むことが怖いのか」「休みの日に何をすると(自分は)楽しくなるか」ってことを考える日を作るべきなんですけどね。


……とまあ、こんな感じで、バリバリ仕事をこなしてるフリーランスの皆様からすると「たるい!!」と言われそうではあります。言われそうではありますが、仕事仕事仕事なのに薄給でメンタル死にかけとかって生き方は、少なくとも私は嫌なのです。

長生きしたいもんね。面白いもの色々見て、それについて色々文章を書いていきたいものね。と、私は思うのです。

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