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「女の子だから」、家族の食事を作る

こんにちは。高校5年生です。

8月の終わり、母が体調を崩しました。
起きたとき声が枯れていて、1日寝ていました。父の帰りを待ち、帰ってきたタイミングで病院に行くと、風邪だと診断されました。

私はちょうどアルバイトを入れていない日だったので、母に必要なものをメールで聞いて買い物に出たり、母の昼食や夕食を準備したりしました。時間に余裕がある日だったので助かりました。

人間誰しも体調を崩すときがあります。私も体調を崩して看病してもらったことがありますから、母が病気になったときはできる限りのことはしたいと思っております。ただ、1つだけ看病するのが嫌になることがあります。それは、母の代わりが全て私にまわってくることです。

母ができないのですから、その代わりを他の人がやるのは分かります。しかし、母は決まって私にしか代わりにやるのを指示しません。我が家には父も高校生の弟もいるのに!いい大人と身の回りのことができる年の子がいるのに、どの家事も雑用も私にだけ「やって」と言うのです。それも最初から私がやることが決まっていたかのように、です。

母がなぜそうするかは知っております。「家のことは女がやるもの」と考えているからです。ですから、母は父や弟を台所に立たせたり、買い物に行かせたり、掃除させたりしません。意図的にさせないのではなく、そもそも父と弟がやるという選択肢がないようです。病気のときだけでなく母が外出するときも同様、「お父さんたちのお昼ごはん、作って食べさせてあげてね」と頼まれます。

リビングで寝転がってテレビを観ながら笑っている父と弟を横目に、台所で3人分の食事を作る私。ずっと「何で私だけ?!」とモヤモヤし続けてきました。けれども反論したところで、私が非難されるだけです。母にとってはやって当たり前、やらなければマイナスポイントなのです。私が家族のごはんを用意して食べさせるのが当たり前なので、それから逸脱することはあり得ないのです。

大学1年生のとき、ジェンダーの授業で「父の昼食の準備を私には頼むのに、弟には頼まない」と授業後レポートに書いたら、次の授業で先生が取り上げてくださいました。そこで先生は、「確かに弟も作れるよね。でもこれ、お父さんも自分で作れるんじゃない?」とおっしゃいました。そのときの私は、父の食事は弟か私のどちらかが準備するものだという固定概念に縛られていたので、「あ、確かに父も自分で作れるのに、何で作らないの?」とそこで気づきました。レポートを取り上げていただいた頃から、弟だけでなく父にもモヤモヤする気持ちを抱くようになりました。
しかし、未だにそのモヤモヤを解決することはできておりません。

本日、母の夕食を用意しているときにまたモヤモヤが再発してしまいました。帰ってきた父が「○○(弟)の食事、作ってやって」と言ったのが原因です。
弟は夏休み中で、本日も1日中ゴロゴロしておりました。私が買い物や食事作りに動いているときも、甲子園球場の野球中継を観たり、昼寝したり、録画したテレビ番組を観て笑ったりしておりました。料理ができない小さい子どもじゃあるまいし、なぜ私が1日中遊んでいた弟の食事のお世話までしなければならないのでしょうか。怒りを表したところで誰も共感してくれる人は家庭内にいないので、ただモヤモヤするしかありませんでした。

家族の考え方には納得できませんが、正直、家族に「おかしい!」と言ったところで解決するものではありません。ある意味、家族は悪くないからです。なぜなら、私の祖父母も同じような考え方なので、父や母も小さい頃からそうやって教えられてきたんだろうな、だから疑いもしないんだろうなと分かるからです。
幼い頃から祖母には幾度と「女の子だから、お母さんを手伝ってあげてね」「お母さんが大変なときは○○ちゃん(私)が支えてね、お父さんと○○くん(弟)の面倒をみてやってね」と言われてきました。昔は深く意味を考えずに受け取っておりましたが、今は言われたとき、素直に頷けない私がおります。
今回も、祖母から電話がかかってきて「女の子だからね、頼りにしてるからね。お父さんと○○くん(弟)は男だから。家族4人の面倒見てやってね。やることは私が電話で指示するから」と言われました。上手く返事ができませんでした。「お父さんと○○(弟)と協力して、お母さんを支えるよ」と言いましたが、祖母に「お父さんと○○くん(弟)は男だから。○○ちゃん(私)がちゃんと身の回りのことしてあげなきゃダメよ」と言われました。お父さんも弟も私の子どもじゃない、1人で身の回りのことができる年だよ、と叫びたかったです。

社会では女性の社会的地位向上が叫ばれております。今はその途中の段階なので仕方ないかもしれませんが、今、女性はあるときには「女だから」と言われ、あるときは「男女平等だから」と言われてどっちつかずの状態になっている場面があるのではないでしょうか。
私も実際、大学では男女平等が当たり前になっており、男性より優遇されることは一切ありません。しかし家に帰れば「女だから」と言われ、男の子にはさせない役割を担わなければなりません。何となく、女であるばかりに損している気がします。
インターネット上では「レディースデーなんて男性差別だ!」、「女性は仕事で上手く行かなかったら専業主婦になれるからいいよな」、「恋愛市場は女性の方が有利」など、女性が優遇されていると主張する意見を見かけますが、あまねく全ての女性がその恩恵を受けられているわけではないと思わされます。

以上、『「女の子だから」、家族の食事を作る』でした。
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

次の投稿でまた、お会いしましょう!