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単発アルバイト㉚ 人気豚骨ラーメン店洗い場スタッフ

こんにちは。高校5年生です。

792回の記事『単発アルバイト㉙ 居酒屋キッチンスタッフ』を読んでくださった皆さん、ありがとうございます。

最近は「スキ」を押していただく回数やフォローしてくださる方が増えました。これを書いている2月初週時点で、フォローしてくださっている方が97人に達しております。数字は気にせず執筆していこうという思いでしたが、限られた時間の中で私の記事に目を留める方がこれだけいらっしゃるのかと考えると、感慨深くなるとともに、「読んで、時間のムダだったな」と思われない記事を書きたいという気持ちが強くなります。改めまして、ご覧いただきありがとうございます。

さて、単発アルバイトの感想を書いていきます。
今回シフトに入ったのは、人気ラーメン店の洗い場です。お名前を出すのは控えますが、「豚骨ラーメンのチェーン店の名前を3個挙げてください」と言われたら、早い段階で登場するであろう有名店です。

実は私、ラーメン店の洗い場に入るのは初めてではありません。721回目の記事『単発アルバイト㉖ ラーメン店洗い場スタッフ』でお話しした通り、1度入ったことがあります。ただ、今回のお店とは違うチェーン店です。

以前入ったラーメン店は忙しかったものの難しい業務はなく、黙々と作業ができ、お店の方々がご親切で、6時間勤務してなお「もうちょっとやりたい」と思うくらい素晴らしい環境でした。しかも、前回は6時間でしたが、今回は昼過ぎから夕方前までの4時間の勤務です。そのため、今回も忙しい人気店での勤務とはいえ、「きっと笑顔で乗り切れる!」と確信しておりました。

それでは、感想をキーワードとともに1点ずつ、お話ししていきます。

・白レース長袖で、油の海を泳ぐ


お店の前に着いたのは、勤務開始20分前でした。かなり時間に余裕があり、途中のベンチで2回腰を下ろしながら来ましたが、それでも20分ありました。

手持ち無沙汰なので単発アルバイトサイトの募集要項を眺めていたところ、文章の下の方に「エプロンと帽子は貸与するので、汚れても良い服装でお越しください」と書かれているのを発見しました。振り返れば数日前、私はこれを見て「Tシャツの貸与ないんだ……持って行かなきゃ」と手帳にメモしております。それをすっかり忘れ、Tシャツを準備せずに来てしまいました。

安いTシャツを買って行った方が良いのではと焦りましたが、今まで30回以上飲食店の単発アルバイトに入ってきてTシャツを貸与されなかったことはありません。「持ち物」の欄には「汚れても良いズボン」しか書かれていなかったので、「さすがにTシャツは用意されているのかな」と判断しました。もしもの時は、着てきた服(長袖白レースのトップス)のまま働くしかないと覚悟を決めました。

Tシャツが準備されているかどうか尋ねるためにも早く店内に入った方が良い、そう思った私は15分前に入店しました。お店の前には行列ができており、「すみません、すみません(通してください)」と言いながら人の波をかき分けました。
早くから押しかけてしまってすみません」と謝る私に「いえいえ~」と明るく店員さんが迎え入れてくださいます。さすが人気店のランチタイム、平日昼ですが店員さんの数が多かったです。

エプロンと帽子です」と渡されたのは、お子様セットを食べるときに着けるような薄いビニール製の使い捨てエプロンと、紙製の帽子です。他の店員さんはビシッと制服を着て、布のエプロンをつけているので「おぉ……いかにも裏方」と感じました。

“汚れても良い服装で”と書かれていたのを忘れたのでこのままの服装で勤務して良いか質問すると、「良いですけど、逆に良いんですか?」と言われました。「それって……もうこの服は着られなくなるほど油でドロドロになるってことですよね……?」と返したくなるほど怖かったです。しかし、忘れた物は仕方ないので「はい」と答えて洗い場に入りました。豚骨スープの匂いが漂う中、帰る頃には白レースが、まだらブラウンに変わっているんだろうなと覚悟しました。 

勤務までの10分弱、前の時間帯で洗い場を担当されていた単発アルバイトの方から、洗い場の仕事内容を教わりました。予想通り難しくはありませんが、似たような平皿・小皿(突起があるかないか、デザインが微妙に異なるなどの違いしかない)が複数あり、洗った後の返す場所もバラバラで、狭い厨房を「すみません、すみません」と繰り返しながらウロウロすることが多かったです。

洗い場はとにかく「油の海」という表記がしっくりきました。水道のところに食べかけのチャーシューが積み重なり、黄色い麺が覆いかぶさり、茶色く染まったご飯やネギも混ぜられております。至る所にスープが飛んだ跡があります。

私はせめて袖口だけは死守したくて捲っておいたのですが、激しく動き回るので次第に落ちてきます。手を洗って袖を捲り直しても、30秒後にはスルスルと落ちてきます。すぐに、いちいち捲るのをやめました。 

そんな状態でしたが、白レースの長袖服は派手に汚れることはありませんでした。エプロンがかかっていないところには茶色のスープのシミが点々とついておりましたが、帰って即刻手洗いしたところ、目立たなくなりました。多少、全体的に薄汚れた気がしますが、アルバイトには着ていけそうです。

・水分補給の大切さ


洗い場に入って30分後から困ったのが、喉の渇きでした。洗い場に立つと、背中側に麺を茹でるスペースがあるからです。2月とはいえラーメン店の厨房は暑く、自分でも信じられないくらいの早さで喉が渇きました。

しかし、チラチラと周りを見渡しても、水分補給をしている店員さんが見当たりません。どこかで隠れて飲んでいるのか、いつも働いているから慣れているのか……。普段は意識しないと水を飲まない私ですが、この時ばかりは1度喉の渇きに気づくと、そのことしか考えられなくなりました。「今ここにある洗い物が終わったら、『すみません、水分を摂らせてください』と言いに行こう」と何度決意したことでしょう。「今ここにある洗い物」が途絶えることはなく、洗い物を一気に手洗いして食洗器にかけたら、また次の洗い物が到着するのです。時計の針が進むのが、本当に遅かったです。

猛烈な喉の渇きを我慢していると、1時間経つ辺りから徐々に声が出なくなってきました。そればかりか手元も怪しくなってきて、置いてあるお茶碗にお茶碗を重ねようとしたら、1発で上手く重ならないこともありました。「やばい、このまま続けていたら、いつか必ずグラスを割る」と思った私は、喉の渇きを自覚して2時間経つ頃、「すみません、水分補給をしてもよろしいでしょうか、申し訳ございません」とやっと言い出すことができました。

お店の方は「どうぞ、お手洗いは大丈夫ですか」と気遣ってくださり、優しかったです。全く嫌がられる様子でなかったので、「何でもっと早く言い出さなかったんだろう」と少し後悔しました。水分を摂った後は、それまでが嘘のようにキビキビ働けるようになり、重かった体がよく動き、「ありがとうございます!」の声もよく出るようになりました。水分補給、大事です。

・洗い場の床

地味に気をつけなければならないのが、足元でした。ちょうど洗い物をするときに立つ場所が金属の網でできており、油と水でつるつるに滑りやすくなっていたのです。
そればかりか、その金属の網は一部がへこんでおり、足1つ分くらいの段差になっておりました。食器を取るために横に移動しようとしたら、段差を1段乗り越えなければならなかったのです。
食器を持ったままここにつまずいたら、全てが台無しだ……」と、とても怖かったです。

・呼び出しチャイム


洗い場からお客様がいるスペースが近かったので、お客様が呼び出しボタンを押したときのチャイム音が頻繁に聞こえました。「ピンポーン」や「チーン」などではなく、曲のワンフレーズが流れるシステムです。

それが印象的だった理由は、流れる度にすぐさま店員さん達が「はーい今伺いまーす!!!お待たせしておりまーす!申し訳ございませーん!」と食い気味で応答していたからです。「今すぐ来て!早く!」と言われたわけではないのに、そこまで叫ばないといけないなんて……。待つのが苦手なお客様が多いのかなと思いました。

店員さんは呼び出し音が鳴ってすぐ駆けつけているにも関わらず、お客様と喋るとき、最初に必ず謝罪から入っておりました。お客様想いでとっても素敵なのですが、普通のスピードで駆けつけたときも謝罪しているとそれが当たり前になってしまって、店員さんがますます大変になるのではないだろうかと心配になりました。

私がもしそうやって働いていたら、呼び出しチャイムの音が苦手になってしまうでしょう。

・対応が丁寧

入店してから何度も感じたのは、お店の方の対応が丁寧なことでした。お客様に対して深々と頭を下げる姿はもちろん、話し方も皆さんとても綺麗でした。
驚くべきことに、お客様の前だけでなく、厨房でも皆さん言葉遣いが綺麗だったのです。厨房とお客様の席の距離が近いので、聞こえたときのために丁寧にしてあるのかもしれません。

たった4時間お世話になるだけの私に、名札を指しながら自己紹介してくださる店員さんが何人もいらっしゃるなど、受け入れもとても温かかったです。

長々と書きました。想像していたより大変で、正直「この作業量で最低賃金なら、他の受け入れ先を探す方もいるかもな~」と思いましたが、とにかく店員さんが優しかったのは印象に残りました。
今回もお世話になりました!来週は3日間単発アルバイトを入れているので、感想記事、楽しみにしていただけますと嬉しいです。

以上、「単発アルバイト㉚ 人気豚骨ラーメン店洗い場スタッフ」でした。
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
次の投稿でまたお会いしましょう!