見出し画像

広告振り返り~2021/3月編~

 闇の広告ブログ4記事目です。
 いよいよ緊急事態宣言も解除されて社会に人が戻っていくと思われるので、昨年ほどネット広告が隆盛する事は無いかも? と思う今日この頃。
 とはいえこの調子だと案外再来月にはまた緊急事態宣言です!! ってなる可能性も全然あるし、社会情勢がどんなに揺れようが広告は不滅です。安心して来月からも広告見ていこうな!
 芸能人の名前がちょくちょく出てきますが全て敬称は省きます。ご了承ください。


・おねがい社長

 もう4ヶ月連続で同じようなドラマを作り続けている社長には本当に感服するよ。話の筋自体は全く変わらないんだけど、これをずっと続けるっていう根性が本当にすごい。
 しかもこのストーリーに関しては毎回借金創業をする事に対してのネタを挟んでいるし、秘書を1人雇ったのに10人雇われてカウンターされるし、案の定おばさんに援助されるけどその先は描写されないしでストーリーの底が見えない。
 おねがい社長は秘書を美人店員か何かと勘違いしてるんじゃないか? それもまた良し。

 バナナの皮で転びそうな女性を思いっきり線路側に突き飛ばして助けるダイナミックなストーリーがたまらない。
 そこから隠し10連ガチャに入る流れも結局おばさんを助けて手に入れてるのも強引で良いよ。パワープレイに次ぐパワープレイで笑わせてくる傑作広告。

 普段は隠し十連ガチャをくれるおばさんが彼女がいないのかと煽って来る上に、別の社長の女になっているというまさかの寝取り展開におねがい社長フリークは涙した。
 今回は借金ではなく彼女が助けてくれて、その上隠し10連ガチャもくれて、バカにしたおばさんの店舗を爆破してしまうというなろう系な展開になっている。『彼女いない歴=年齢の俺、おばさんにバカにされるが彼女事務所で投資加算バフ最強のミーちゃんと起業して隠し10連ガチャでランキング1位~「店舗を爆破しないでくれ」と言ってももう遅い~』という趣だろうか。
 図ったか図らずかそういうトレンドにしっかりと乗っているのは中々しっかりとリサーチをしている証拠ではないだろうか。感心した。

 最近のおねがい社長にはスピード感が足りない! と感じているあなたにはコレ。
 これは16秒の広告なのでその気になればテレビCMとしても流せるのでは? テレビでおねがい社長のドラマが見られる日をお待ちしております。

 画面両脇にでっかく出てくる「は! は!」という目を引く表現が良い。
 後半の話の流れは2月PUの時と同じだが、男の社長に助けられるパターンってのは中々珍しい印象。これおねがい社長というよりはマフィアシティのノリに近くない?

 いくら無礼講と言っても上司との飲み会でヨレたシャツを着て加齢臭を指摘するヤツは怒られてもしょうがないと思うし、それだけでクビにするのもやり過ぎだし、登場人物全員がバカをしている良い広告だよ。
 主人公の名前がハチオだかしょうただか安定していない辺りもナレーションと映像の連携不足が見られて良い。あと10連ガチャの演出が無駄に豪華で、深田えいみを召喚しているのもリッチな広告だ。

 貧乏人と金持ちを対比するという陳腐な発想ではあるが、10連ガチャや逆転に頼らないストーリー調広告を出してきたのは中々見どころがある。
 あと瓜売りのおじさんが乗っていた改造チャリンコは多分中国本土だと走ってるんだろうなと思う。何度か中国に行ったことがあるけども、マジで向こうの人は自転車に過積載するから瓜売りのおじさんスタイルも不思議ではない。
 日本じゃそう出てこないタイプの自転車を出して主張してくる辺りが結構好きな広告です。

 10連ガチャの流れが無く、ただ秘書を選ぶだけで30秒使っているタイプの広告もある。
 不細工な女性は殴り飛ばして美人を取ろうって表現は普通にその筋の人が見たら怒って良いと思うんだけど、こういう広告に対してその筋の人は文句言わねえんだよなあ。
 おねがい社長クラスだとジャブみたいなもんだけど、アイアム皇帝や日替わり内室はそういう表現ひどかったでしょ。実際文句が無い、文句があっても微量だから流れ続けてるんだろうけど。

 かと思ったら秘書に転落させられ、秘書に暴言を吐いたら投獄されるパターンもある。ちゃんと因果応報にしているからその筋の人も合格とみなしているのだろうか?
 というか3月だけでおねがい社長は見どころのある新作を作りすぎだと思う。来月はお休みしても誰も文句言わねえよ。俺はガッカリするけど。
 一定のクオリティの広告をキッチリ続ける職人感が実に良いと思います。

・超次元彼女:神姫放置の幻想楽園

 2021年1月ぶりの登場となる超次元彼女だが、とうとう美少女要素すら無くなってしまった事に驚きを禁じ得ない。
 一応それまでは自前の素材を使っていたはずなのだが、とうとう素材すらHero Warsから丸パクリし始めているのは広告を打つのが限界という事だろうか。

 この動画と見比べてみればやっている事がほぼ同じだし、何ならグラフィックすら丸パクリなんじゃないかと思うのも仕方がない出来である。
 そりゃ広告のネタをパクるなんてのはこういう広告界隈では日常茶飯事であるが、ネタどころかグラフィック、構成までモロにパクっているのは初めてなんじゃないだろうか。
 元ネタとしてHero Warsを出したけど、Art of Warとかいうゲームでもこういうネタをやっていた記憶が正しければ超次元彼女は3番煎じのパクリ広告という汚名を被る事になる。Art of Warに関してはソースが無いから一応2番煎じという事にしているけど、2番煎じでも充分ひどい広告だと思う。

 この広告も同じようなもんだけども、この青い人、赤い人のグラフィックはどこかのフリー素材として配布されているのだろうか。
 ひたすらローコストを極めるのであればこういう広告もまたアリなのかもしれないが、魅力的な詐欺すらも出来ずただよく分からない虚偽広告をしていても儲けには直結しないのではないか、という疑念ばかりである。
 しかしこんな広告を打っていても何だかんだ稼いでいるようなので、やはり広告はどんな形でも打つだけ得なのかもしれない。おねがい社長やエバーテイル辺りが広告パワーで釣って一気に儲けるという手法を取っているのは分かるけども、最早こういう広告ですら売り上げが上がるんだからすごいよね。もちろん本当は全然儲けてない可能性もあるけど、何だかんだ一年くらいは続けている所を見ると初動でずっこけて終わったゲームとはえらい違いである。

・エボニー王の帰還

 2020年12月ぶりの登場ながら、あいも変わらずピン抜きばっかしてて感動しました。
 新作問題1問+いつもの使いまわし問題1問という構成になっているようであり、この1問目に関してはおそらく正解出来る問題になっているのも好印象。
 無理ゲー問題を強引に解かされるのもそれはそれで面白いけども、やっぱり解ける問題をあえて間違えるヘタクソぶりが可愛らしい。

 エボニーはたまに正解例を出すのが良いんだけど、女性がやったら問題が変わってるのはちょっとアンフェアじゃないでしょうか。一応最初の問題は獣の方のピンを抜いてミノタウロスに獣を殺させたのち針天井でまとめて始末してクリアって流れなんだろうけど、2問目はそんな絡め手抜きで簡単にクリア出来るじゃん。同じ問題の正答を見せてくれよ。
 来月以降も細々で良いからピン抜きを続けて欲しいな。

 一応エボニーがピン抜き以外の事をしている広告も登場したが、これもライズオブキングダムのパクリなので売れてる広告のパクリしかしないんだなあと思います。
 広告、無人島に漂流しがち。

・にゃんこ大戦争

 こちらはピン抜き広告のパロディを能動的に行ったのが印象的である。現状の詐欺広告を皮肉る立場で描かれた広告であり、6年もやっている古参タイトル的な立場から広告を打っている。
 現状のピン抜き広告に嫌気がさしているらしい視聴者からは賛同と歓喜のリプライがぶら下がり、既存のピン抜き広告を超えるバズり方をしている事からかなりローコストで成功した広告だと言えるだろう。

 まあパロディ広告を作るにしても二番煎じはイマイチだから次は無いと思います。
 こういうパロディに安易に走る広告や作品も増えてきた印象があるけど、中華広告も日進月歩なのでピン抜きを未だにやってるのはEVONYくらいのもんだと思うよ。今最新のパロディをやるならタワー伸ばし広告じゃないかなあ。

・三国志群雄

 遅れてやって来た大物俳優コラボシリーズ。三国志群雄は吉川晃司を引き連れて広告を出して来た。
 たかだか4ヶ月で高橋克典、松重豊、乃木坂46、橋本環奈、そして吉川晃司と一本ドラマが作れそうな俳優陣が次々と広告コラボを果たしている。本当に中華資本ってやべえな。次は沢口靖子や反町隆史辺りとコラボし始めるんじゃないか。

 案の定こういう芸能人コラボにありがちなメイキング動画も公開されていたのだが、21秒でメイキング動画が終わるのはさすがに面白い。実際あのワンシーンしか無いとはいえ、このためだけに鎧を着させたと考えるとすげえよ。
 まあ変にやった事も無いゲームの感想を聞いたり、宣伝をさせたりするよりはこうしてサラッと終わらせた方が良いと判断したのかもしれない。実際わざわざこのメイキング見に来る時点で無理に宣伝しなくても良いでしょ。

・美女と栄光~戦場にキスの花束を~

 本編でヒロインが死亡するとかそういうソシャゲは珍しくないけど、まさか広告でヒロインが死亡してしまうとは誰が予想しただろうか。死亡した後に応急処置をしようとしているのは愛ゆえの行動として受け取りたい。
 それにしてももう片方、「あっちに行け」ってのは選択肢としてあまりにも無慈悲だし、そもそも72%と18%で90%にしかならないので残り10%はどうしたんだとか、突っ込みどころもいっぱいあるのが良い。

 先の広告がバッドエンドだとしたらこっちはリンダがSSRになって復活するというハッピーエンドに仕上がっている。バッドエンドが嫌いな諸兄はこちらを見て欲しい。
 なんかポーズをとっているだけでリンダがどういうキャラかは一切分からない辺りも中々見どころがある。25秒も広告の尺があるのに詰めている情報があまりにもスカスカな辺りに豪勢な金遣いを見せてくれる。良い。

 女性を労働者か上役に仕分けしていく広告というのはどこかおねがい社長的なテイストを感じる。女性蔑視的な広告であるという見方もあるけども、例え男でやってたとしても充分蔑視的な広告だと思う。
 この広告の見どころは女性キャラの胸の谷間にモザイクをかけてエロを隠そうとしている所では無いか。他のゲームだと堂々と谷間を見せているのに、美女と栄光だけは谷間にまでモザイクをかけているんだよ。やってる事は蔑視だけど表現は性的アイコンを隠しているという表現のチグハグ感がすごい。
 未来の世界でAIの検閲を抜けるなら言論より谷間にモザイクをかけるのだ、という人間よりも機械を優先した感があるモザイク選択に惚れそうになります。TwitterはAIで検閲してないと思うんだけど。

・覇王の業

 先月、先々月にいた三国志グローバルみたいな方針の広告という印象なんだけども、これはおそらく覇王の業側が独自に作った広告だと思われる。

 ただ、一応荒野行動系の流行を狙ってるのか「伊集院丸ノ介」という人物を主役にした広告も出している。
 荒野行動に比べるとキャラの個性があまり出ていないせいか今のところその目論見は上手く行っていないが、今後も伊集院君が活躍するとゆうとに並ぶタレントになる可能性はある。
 その点荒野行動の広告は良く出来てたな……と思うが、その話はまた別の機会にでも。

 あと着目すべき点はgamewithとのコラボ広告も出している事だろうか。
 gamewithは意外とこういうよく分からんゲームのプロモーションを出してはいるけど、実際に攻略までやっている場合は少ない印象がある。
 まあ人員の都合もあるだろうし、わざわざこのゲームの攻略まで面倒見切れねえよという所もあるのだろう。今ならウマ娘でも攻略してた方が広告報酬で儲かりそうだもんなあ。
 公式サイト曰く「月間4,000万ユーザーが利用するNO1ゲームメディアとして、今後さらにこの“アプリゲームの商品棚”としてのポジションを強化していくことで、ゲーム業界のインフラとして貢献するサービスを目指しています。」らしいけども、実際gamewithを経由してゲームを探す人ってそんなにいるんですかね? 見たいゲームの攻略見て終わりなんじゃないかという感がある。
 広告のクオリティ自体は普通のレビュー動画という印象なので特段コメントする事も無い印象。アジア系ゲームが日本に販路を広げる際に正確な日本語で、さらに大手攻略メディアの力も活かしたマーケティングをしたいのであれば頼るのは悪くない判断だと言えよう。
 とはいえ中華系ゲームでも売れている魔剣伝説やらおねがい社長やらは独自路線の誇大広告で売りまくっているので、誇大広告で突っ張る度胸があるならわざわざ委託する事は無いと思われる。

 ……かと思ったら結局タワーを伸ばす広告をやっている。お前は何でgamewithに頼んだんだ。
 強欲に色々な種類の広告を打っているんだろうけど、この方向性のブレ方はちょっと将来性があるかもしれない。

 声優インタビューシリーズもあります。田中理恵という方は何演じてるのかなと思ったらヴァンパイアシリーズのモリガンとか、fateの殺生院キアラ、ローゼンメイデンの水銀燈やプリキュアなどなどを演じている超有名声優やないの。
 この辺は4399の声優インタビューを見習ったのだろうか。同業者のリサーチも欠かさないのはさすがだと思います。

 テイコウペンギンというyoutubeアニメともコラボしている。
 金のかかり方という面では4399よりもすごそうだよな。実際ソシャゲは稼動して最初の一週間くらいが勝負の印象があるから、ここで一点集中にプロモーションを打ちまくる事自体は正解ではないだろうか。
 ゲーム画面を無暗に出さずひたすらコラボしまくる、インフルエンサーに広告させるという手法は、「ウマ娘」のように内容でゴリ押せるほどのコンテンツパワーが無くてもすぐ出来てしかも注目を集めやすい便利な広告だと言えるだろう。広告費がかかるというデメリットはあるが、中華資本があればそんなデメリットは無い様な物なのだろうか。
 これは現代の商品がしきりにやっている芸能人を起用したCMとやり口としては一緒。しかしソシャゲ広告の場合、日本企業がこういう広告を打つのは稼動初期よりも結構流行ったタイミングであったり、そもそもコラボで記者会見をしたとしてメディア以外ロクに知らなかったりする。その点アジア広告は最初のタイミングで、しかもインフルエンサーを擦り倒すように広告を打つから無駄が無い。
 結局どんな大物芸人を呼ぼうが誰も知らなかったら意味ないですからね。ピックアップでさらに詳しく紹介するけど、スタースマッシュは芸能人の鈴木咲や声優の松岡禎丞、お笑い芸人の柳原哲也(アメリカザリガニ)まで配信前の生放送で呼んでおいて全然話題になってなかったんだよなあ。有名人を広告に使うだけで無く、コラボしたことを大々的に伝える努力をする。そうしないと広告費の無駄遣いになりかねない。

 しろくろチャンネル&みそしるチャンネルともコラボしている。不勉強なのでみそしるチャンネルもしろくろチャンネルも知らず、申し訳ございません。

 けんきなる人物が登場しているのもあるけど、これも元ネタがよく分からない。
 毎回元ネタが分からないで申し訳ないんだけど、youtuber全知の男では無いからマジで知らないんです。それでもいっぱいコラボすればどこかひっかかるだろうって魂胆なんだろうな。テイコウペンギンは見覚えがあったし、そういう事なんでしょう。

・報道ステーション

 日本の報道番組の広告がおねがい社長と同列に並べられる日が来るとは思っていなかった。ジェンダー論だの男女平等だのという思想に関して自分は素人ではあるが、このご時世こういう広告をやったら碌な事にならないのは火を見るよりも明らかというもんです。
 報道ステーション的には「政治家がジェンダー平等という当然達成されているべき事を今更掲げている時点で日本は時代遅れ、本当はもっと早くに達成、あるいは取り組んでいるべき事だよ」という事を言いたいのだろう。これは誤読を招く表現だし、そもそも自分も好意的解釈を取ってこの解釈なので4:6=炎上:称賛くらいの計算でこの広告を作ったのではないだろうか。その点すぐ取り下げるんだからそんなに考えてなかった可能性も高いけど。
 立場的に炎上広告がマイナスにしかならない様に見えるが、炎上しようが「むしろ名がめちゃくちゃ売れてラッキー」という肝の座り方をしていたらそれはそれでアンチ男女平等な方々の支持が取れていた可能性があるんだよな。報道番組がそういう立ち回りをし始めたらおしまいだけど。

 自分が報道ステーションで評価しているのは毎回オープニング映像がオシャレだよねって所。
 報道番組の広告となると変に思想を出しすぎてもリスクが大きいし、だからと言って「最新情報を分かりやすくお伝えします!」みたいな事を言っても当たり前の事を宣言しているだけだしで、死ぬほど面倒くさいなと思う。
 こういう雰囲気が良い映像を流して、最後に番組タイトルと放送時間を流すくらいが軽く印象にも残るし、炎上もせず名を広げられるしで良いんじゃなかろうか。政治的、思想的な話題を広告で語るのはあまりにもリスクが高すぎる。
 元々報道ステーションは年に一度は問題を起こしている印象があるので、今年の問題はこれだったんだなあという感じだ。

・マイナンバーカードの健康保険証利用 「マイナンバーカードで受付!」編

 社会的な話題が続くけども、こっちは普通に秀逸な広告として例示するのでご安心ください。
 テツandトモという日本全国で営業が200本以上ある芸人を使う事で話題性があるし、芸歴も20年を超えるベテランなのでお役所広告に必要なクリーンさもある。その上でちゃんとユニットの個性も出し、マイナンバーカードで伝えたい事もちゃんと伝えている。超正統派の広告じゃないですか。
 その上最後の厚生労働省のマークにテツandトモが重なる演出はセンスがあるよね。言われてみればそういうマークなんだけども、これを思いつくには相当頭が柔らかくないと出来ない。ここのセンスだけで日本企業の広告としては良い線行ってると思います。

・SUUMO ジングル篇 物件数No.1ver.

 youtubeの6~7秒で飛ばせない広告はこの世でも1、2を争うほどに悪い広告なので、尺が6秒である時点で紹介する事は無いだろうと思っていた。けどこれは合格として良いだろう。6秒という尺ながら印象に残る映像をちゃんと提示しており、短い広告ながら閲覧者に強烈な印象を与えられるようになっている。
 個人的に最悪な6秒広告はただ芸能人が商品名を言うだけの広告、ただ15秒の広告を6秒に縮めたような広告を指す。あれは閲覧者の利便性を損なうだけであり、名前だけ知らせようという魂胆が透けて見える。さらにひどいのは飛ばせない6秒広告×2や飛ばせない15秒の広告であり、どうせ飛ばされるなら飛ばせなくすれば良いという表現的工夫の欠片も無い仕組みにしているのが本当に悪質である。

 広告を飛ばせなくする弊害として内容を精査せず、商品名さえつければ何でも良かろうという事になってしまいがちである事が挙げられる。
 テレビは飛ばせない15秒の広告を番組の間に5~6回もやっているが、それだけ本筋の情報には不要な物を閲覧させるのだから凝った広告を作り、アウトにはならないが印象に残る表現の範囲を探す。番組側でも「CMの後、衝撃の展開が!?」など引きを作って突然広告に入るストレスを低減しようと試みているし、15秒、長ければ30秒の視聴に堪える映像を流せるように工夫が感じられる広告が多かったのではないか。
 youtubeにおける広告とは番組の途中で突然に挟まる全く無関係な映像であり、どうせ6秒で飛ばされるのだからと中身の無い商品名、企業名の提示しかしていない。自分も一度は6秒飛ばさずに見ているが、現状6秒の広告は5分30秒のショッピング広告よりも苦痛なので廃止して欲しい。今後SUUMO並に6秒である事を念頭に置いた広告が出る事を期待する。

・アコム

 アコムはアツロイドのCMがリバイバルしてから本当に面白くなったなと思っている。
 実は1年前にも同じネタをやっているんだけど、洗練度合で言ったら今年のアツロイドの方が良いんじゃないでしょうか。

 これなんか先月末リリースだけど、アツロイドのキャラが良いんだよな。
 アツロイドシリーズくらいクールな広告なら6秒でも比較的許せるかもしれない。いややっぱ15秒はやってほしいかな。

・今三国志

https://twitter.com/imasangokushi/status/1375398062365966341?ref_src=twsrc%5Etfw">March

※ツイート埋め込み出来ないので直リンク

 2021年1月から2度目の登場。とは言っても1月の時は悪い例として挙げたのでピックアップはしていないんだけど。
 最初はアンリアルエンジン4だかを使っている事を売りにしていたから映像美的な所を主張していたんだけども、結局行きつく先が平民の張飛が劉備と出会って呂布を倒す広告だよ。何なんだよお前は。
 しかし中華製アプリでは最近『三国ブレード』というアンリアルエンジン4を使ったスマホゲームをやる機会があったんだけど、確かにグラフィックで言えば下手なゲームよりは綺麗な気がするんだよな。だから今三国志も低クオリティなゲームよりはグラフィックを自慢して良い出来だと思うんだけど、それにしても広告の仕方が他のゲームとまるで一緒だから全然魅力を広告出来ていないと思った。
 別に今三国志が嫌いって訳でも無いし広告しか見てないんだけど、なんだか辛辣に書きがちだよね。最近は三国志系ゲームの広告がやたらあるし、そういう意味で常に比べられ続けた結果がこういう評価なのかもしれない。

 実際この広告を見る分には確かにグラフィックは良さそうだし、ゲーム自体も結構面白そうだし、ナレーションも中々真っ当なんだよな。
 こういう真っ当な広告をして、アマギフを配れば普通のユーザーが増えたんじゃないだろうか。最初の平民張飛の広告はいらなかったよ。もし平民張飛で行くならずっと平民張遼、平民太史慈と引っ張るべきだったし、真面目な広告メインでやりたいのであればgamewithや日本の広告代理店に頼ったりしてクオリティを担保すべきだったと思う。


 今三国志は広告がどうにもチグハグな所が好きになれないんでしょうね。別に他のゲームもいろんな広告をやってるけど、今三国志はネタに走るにも微妙、ゲーム性を紹介するにも超面白い訳でも無いと微妙なんだよなあ。
 まあリリース後のこれからに期待といったところか。

・アリス・ギア・アイギス

 最近流行りの偽広告かと思いきや、ゲームの本筋に関係ないミニゲームを主軸に宣伝する。あまりにも斬新な手法を取り入れてきたのが特徴的な広告だが、確か本編はロボ少女系のゲームなので全然本筋とは違う物をあえて広告しているのである。
 理由を少し考えてみると、今プロ野球スピリッツだのパワプロのアプリだのと野球のスマホゲームがバカ受けしているのが理由の一つなのでは、と予想出来る。またロボゲーの広告を正直にやっているとしたら獲得出来ない客層として野球ファンというのはかなり大きなマーケットである事は明らかなので、その辺を狙って野球のミニゲームを作ったとしたらかなりチャレンジしたなと思う。
 広告を見ているとゲームらしい奇抜な変化球もあるし、見た感じ普通に面白そうなゲームが普通に出来るというのは大きな利点だと思う。実際にどこまでプレイヤーが増えるかは未知数だけども、この挑戦精神には最大限の敬意を表したい。

・ピックアップ

・スタースマッシュ(ひいては広告を打たなかったゲームの話)

 突然広告をあまり打っていないゲームをわざわざピックアップするのは奇妙な話であるけども、今回これをわざわざ例示するのは「ゲーム的にはまずまずのクオリティで、長期的に遊ぶと問題点はあるけども素材は悪くなかった作品なのに知名度が低いままだった」事を取り上げたいからである。
 大体モンスターストライクを作ったXFRAGとディズニーが組んでゲームを作っているんだから、第一印象としてはまずまず面白い佳作だったのである。事実友人に勧められてやってみるとこれが中々に面白く、大体年始のハデスくらいまでは結構真面目に課金しながら遊ぶくらいのクオリティはあった。
 それが何故こうもプレイヤーがいなくなったかと言えば、そもそもゲーム上の問題があったという事は挙げなければならない。アクションゲームなのに同じステージを何十周もさせられるシステム、ガチャ産キャラを持っていれば激ヌル、持っていなければ全く歯が立たない調整のステージ、周回以外にする事がそれほど無く、タイムアタックをやってみてもぶっちゃけそんなに面白くないという残念なゲームである。
 とはいえディズニーと初見なら結構楽しめるゲーム性である事からちゃんと知名度があればまずまずプレイヤーが多くなって、もう少しプレイヤーの母数が多ければそのディズニー人気を活かして初動でもっと儲けられたんじゃないかと思わざるを得ない。それが何故知名度が全く無くなったかと言えば、ひとえに広告をほとんど打っていなかったからというほか無いだろう。
 自分は全然知らなかったけどテーマソングには今時の若者に人気なMrs. GREEN APPLEというバンドを使っているし、アニメーションも同じディズニー繋がりのツイステとは違ったテイストで良く出来ている。これだけ良い広告映像がありながらツイッターで広告を見かけたのはリリース直後の数日で1回しか見たことが無いのだから宝の持ち腐れである。

 その辺りを反省したのかタイトーは『ディズニーミュージックパレード』というゲームをテレビCMまで打って広告していた。しかし2月からウマ娘というあまりにも強烈なタイトルが出たし、そもそも音ゲージャンル自体ガチで長期間やり込める人は珍しいのでミューパレの話題もすっかり聞かなくなった印象がある。
 とはいえ儲け自体はスタスマよりも出しているので、広告を打って認知される事は現代において必須であるという教訓にはなったはずだ。不評を買うとか、広報費がかさむとか、そういうなよなよした事を言っている場合では無い。
 スタスマもインスタグラムやtiktokとかそういう所にも広告を出していってたら案外ライト層を取り込んでもう少し行けたんじゃないかなと思った。ゲーム自体の問題点は確かにあるけど、素材としては最強クラスなのにここまで知名度が無く声も出さずに落ちて行ったゲームは他に知らない。

・ウマ娘(ひいてはサイゲームスの広告戦略)

 先月も同じ広告を出したけども、ウマ娘の広告はツイッターで見かけなくなった代わりにテレビ広告での放映が増えたなという印象がある。何となくチャンネル回してたらウマ娘が流れるし、報道ステーションの時間帯でもウマ娘が流れるんだから相当金かけて広告打ってるなと思います。
 しかしこの広告は本当に賢い。ツイッターでは既にウマ娘の話題で溢れかえっているのだから、わざわざ広告を打たなくても勝手に話題になって勝手に広告されているのと同義なのだ。だからツイッターを早々に切り上げてテレビCMだけにしてしまうのは優れた戦略だと感じる。このレスポンスの早さが3月覇権ゲームの広告だよ。
 サイゲームスはこの辺の広告の作り方、出し方が実に丁寧だよなと感心しきりである。思えばドラガリアロストやワールドフリッパーというタイトルでも、タイトルごとに少しずつ広告方針を変えていた印象があるのだ。


 ドラガリアロストがリリースされた時期はまだツイッター広告を見る趣味が無かった為ツイッターの方の記憶が定かでは無いが、積極的にテレビでの広告を行っていた記憶がある。任天堂と組んでいるという事を前面に押し出し、未曽有の大作感を出す事に成功していたと思う。
 今ではあまり聞かないタイトルだけども、3年前の広告でしっかり内容を覚えているんだから良質なゲーム広告を地上波に乗せていたと自分は評価している。

 個人的に秀逸なやり方をしているなと感じるのがワールドフリッパーの広告で、特に地上波で流したガンバレルーヤと斗和キセキをコラボした広告に関しては極めて良質な広告だと思っている。
 地上波で流れている頃はお笑い第七世代以前、そこそこテレビに出ていたガンバレルーヤという芸人を起用してインパクトを出し、ガンバレルーヤを知らない層にもVtuberという異質なキャラを混ぜて気になる要素を作る。その上彼らが高速で弾かれ吹き飛ばされる様は視聴者に強烈な印象を与え、しっかりゲームの印象も残していた。
 その上ワールドフリッパーはyoutubeの6秒広告やツイッターの広告も出していたが、そちらではゲーム内のキャラをガッチリと押し出した内容になっていたのも印象深い。そちらは資料を探し出せず恐縮であるが、しっかりネットとテレビで広告を使い分けているのは実に良い仕事をしていると言えるだろう。

 両作はウマ娘ほどのメガヒットでは無かったかもしれないが、広告の巧さという面では過去作の時点から既に片鱗を見せていた事を窺える。今大人気であるウマ娘が一年後、二年後になったらすっかり落ち目になっている可能性もあるが、あっという間に作品が消費されていく現代においては瞬間風速で100億以上儲けただけでも歴史に名を刻むキラータイトルとして覚えておくべきタイトルだと言えるだろう。
 まあ結局自分もご祝儀で4000円くらい課金してそれ以降大してやってないけども、ほんの数時間だけであったとしても4000円払った価値はあったかなという印象です。スタースマッシュには30000円くらいかけちゃったけどアレはアレで楽しいゲームだったからしょうがないね。

・殿下の砲塔

 youtubeってここまでの下ネタ広告もOKなんだと思わざるを得ない広告の一つ。
 色々な隠喩を用いて男根の事を隠しているがどう考えても勃起不全の話題で、性交渉のシーンから始まり、商品紹介中も65歳でも生涯現役だの絶倫の何ちゃらさんだの不快になる人は多そうな印象を受けた。
 まあ別にそれだけならyoutubeの広告がひどい、というだけの話なんだけど、自分がこれを確認したのが2021年4月2日、そしてこの記録動画の投稿日が2020年の8月なので、かれこれ8ヶ月は放映停止の処置を取られずにこの広告が放映され続けているという事である。
 これを考えるとYoutubeの広告のチェック体制には根本的な問題があるのか、そもそもこの広告自体が何度か放映停止の処分を取られているけどその度に新たにアカウントを取り直して放映しているかを考えざるを得ない。どういう手段を取っているにしろ、根本的にこういう広告はどんなに放送を止めようとしても止めようが無いのだな、と思ってしまった一本。

 ちなみにこういうR18系商品の広告動画は、商品の名前でyoutube検索すると閲覧する事が出来る場合がある。
 もしR18広告のファンの場合は商品名で検索すると幸福になれるかもしれません。上のチャンネルで見られる広告の元ネタ動画は普通に性行為描写があるので、リンクを貼っている殿下の砲塔よりもひどい広告だぞ!

・ハナノア

 これすき。
 毎年やってることは一緒だけど一年経って見返すとまた面白く、インパクトがあるから本当に良い広告だと思います。

・ダイショー やきにくのタレ

 ネット上で激バズりした広告である。これは不快じゃないけど他の広告は不快だというのはどういう理由なのはよく考える必要があるだろう。
 確かに不快感を与える要素は無く、だからといってインパクト薄弱という事も無く、詐欺や虚偽も無い真っ当によくできた広告である。しかし単に不条理な広告というだけであればアコムのアツロイドシリーズだってあるし、6秒広告としては今月取り上げたSUUMOも傑作の域であると感じる(そもそも飛ばせないのだが)。
 おそらく広告を好んで見ていないユーザー層からすると広告が挟まる時点で不快である事は間違いないし、その上中華広告的なセンスも、日本的な芸能人広告も許さないのだろう。しかしきんに君だって芸能人だし、そもそもこの広告がまともにテレビやyoutubeで流れているのを自分は確認した事が無い。
 こういう広告が流れるターゲティングから自分が外れている可能性は大いにありそうだが、正直な話自分がこの広告を見たのはバズったツイートと自分で調べて見つけたオリコンニュースだけである。

 本作がウケたのは、そもそもテレビやyoutubeで流れた回数が多いというよりは一般人の声で受動的にウケたというのが大きいと感じる。
 もしこの広告がアコムや魔剣伝説ばりに6秒、15秒スパンで延々流れてきていたら本当に許せるのか? テレビを見るたびにこれが流れていたら許容出来るか? おそらく多数の人間はこの広告も嫌いになっていた可能性が高いのではないか。
 既存メディアによって放映される広告は嫌われるが、一般人が発掘した体で見せられる広告は発想が良ければ好まれる。この傾向自体は元々あったが、この焼肉パワーに関しては一般人の声の力がより大きく発揮された形と見ている。

 詐欺にせよ真っ当な広告にせよ、既存のメディアに載せると不快であるが一般人が紹介すると呪いが解けたように評価されるという状況になってしまったのはひとえに広告を邪魔な物にしか出来なかったこれまでの広告システムの問題点が露見しているのではないか。
 テレビ時代は家の娯楽が少なく、テレビ番組が支配的な娯楽であった事から60分の番組プログラム中6分も広告を挿入しても問題無かった(※1)のだろうが、今テレビ以外の娯楽が増えてからはCMの間に離脱されるリスクが大きくなっている。
 youtubeも粗雑に6秒、15秒の広告を差し込むようになったが、テレビの反省を活かせないままであると次世代のメディアが出てきたらユーザー数が大きく減る可能性も大いにある。「広告=邪魔な物」であるが、それでも支配的な娯楽に乗せているのだから見られるだろう、というやり方では将来的に先細りであるように思う。
 とはいえ邪魔にならない広告では訴求出来ない側面もある。邪魔であろうがとにかく印象に残せば売れるのだ、というのは各種広告を見ていても明らかである。邪魔にならず、印象に残り、しかも法に触れない広告というのは難しい。
 現状広告である、商業であるという事を明らかにした瞬間に無茶苦茶に批判される現状が余計に広告を強引に見せれば良い、改善などせず邪魔なくらいに見せれば良いという結論に至ってしまうのではないか。そうなってしまった原因がこれまでの広告の失敗であり、何でも良いから印象に残せれば良いという風潮が虚偽広告、誇大広告を生む。この状況をどうにかするのは難しい。

・情報募集

 覇王の業のCMなんだけど、この広告用Vtuberは何者か知ってる人いたら教えてくれるとありがたいです。
 多分gamewith関係者だと思うんだけどKENTYみたいに自己紹介していないから見るたびに誰だか分からなくて困ってます。

・MTGArena

 PCゲームだったMTGアリーナがとうとうモバイル版で正式リリースという事で広告が打たれた。ギャザ関連の動画を見ているとこの広告がバッチリ出てくるので、そういうターゲティング広告になっていると思われます。
 内容としてはカードゲームの広告なのにカードの内容やキャラとかには一切触れず、ひたすら楽しいぜって感じの明るい雰囲気を出しているのが印象的。かつてのカードゲームの広告と言ったら強いカード紹介とか、カッコいいカードを全面に押し出すのが通例なのに、これはそういう広告じゃないんだよな。一応コスプレしてる人たちはMtGのストーリーの登場人物なので全く関係が無いとは言わないけど、誰がどれとは説明が無い。
 ツイッター広告でもたまにMTGアリーナの広告を見かけたけども、そういう一部の強そうなカードを見せて「君ならどっちのカードを使う?」みたいな既成的なカードゲームの広告だったから殊更にピックアップしなかった。

 自分の中でのカードゲームの広告といえばこういうヤツで、「主人公の絵が出てくる→一押しカードの3DCGが出てくる→パックの画像ドーン」みたいな流れの物だった印象がある。
 こういう広告をよくやっていたのが遊戯王で、そこに乗っかる形でデュエマもメインキャラの3DCGが広告で動き回っていた印象がある。カードゲーム黎明期の広告はカード本体を推していたのは、やっぱりアニメでやっているゲームを実際に遊べるという所を推したかったのだと思う。

 その流れを変えたのがヴァンガードの広告で、DAIGOがヴァンガードを遊ぶみたいな広告をやり始めたのは極めて印象的だった。
 当時カードゲームを芸能人が遊ぶ、というのはかなり違和感の強い物で、子供ながら「子供の遊びを大人がやる物なのか」と衝撃を受けた覚えがある。
 それからしばらくの間ヴァンガードはDAIGOが出る広告がメインで、遊戯王は変わらずカード本体を推し、デュエマの広告は全然見かけなかった印象がある。そもそもカードゲームの広告はカードゲームのアニメ中に流れる物で、カードゲーム関係ないタイミングで広告が流れるのはDAIGOが出ているヴァンガードくらいでは無かっただろうか。
 ブシロードはおそらくゴールデンタイムで流れても違和感の無いカードゲームの広告を目指したかったんじゃないかな、と今になると思う。

 カードゲームの広告を語るのであれば、デュエマのデュエキングパックの広告は外せないだろう。なんだかよく分からないけど延々歌っていて、ひたすらキャッチーで、しかもカードの紹介もこなしている。ただメインのカードがカッコいいだけで広告になる時代が終わった瞬間というのはここではないか。
 ゲーム自体が分かっていればどういうカードが収録されているのかも大まかに分かるし、ネット上でもしっかりとバズる広告に仕上がっているのだから実に秀逸な広告だと思う。

 遊戯王も近頃は地上波で広告を出しているが、今の遊戯王はこうなっているぜというイメージ革新のような物を感じさせる。
 昔のエースカードを見せる演出的な所もしっかり盛り込み、青眼の白龍という遊戯王の顔とも言えるカードを出しているのも実にニクイ演出だ。
 大昔から遊んでいる人間にとってはカード本体の3Dグラフィックがドーンと出てきて「どうだ、カッコいいだろ!」的な広告に恋しさも覚えるのだが、今後よりイメージを良くしてカードゲーム人口を増やすにはそういう広告一辺倒ではない方が良いのだろう。
 今後のカードゲーム広告も期待したい。

 MTGアリーナ自体もウマ娘から自分を引きはがした原因にして文章を書く時間を物理的に削いでくるくらいには楽しんでいるのでいいゲームだよ。
 でもよく操作ミスをしてゲームを落とすし、意気揚々と使いたいカードじゃない物を使っちゃうから自分はカードゲーム向いてねえなと思いました。思えば紙のカードでも宣言と違うカード出す人間だからお話になりませんぞ!

・NieR RE [in] carnation

 ニーアもさすがにスクエニが絡んでいて、開発もapplibotだからグラフィックの出来だけで言えば今時のソシャゲではトップクラスだと思うんだよな。
 綺麗な本編のグラフィックをそのまま垂れ流しにすれば広告になるレベルのタイトルなので、広告には困らなかったでしょう。これダウンロードしてちょっとやったけど、実際にこのグラフィックがスマホで出来るんだからヤバいと思います。
  正直中華広告の偽3Dゲーム広告すら指先1つで吹き飛ばせるレベルのグラフィックだし、声優はすごいし、ストーリーもすげえし、最近話題こそ聞かないけどこれもレベルは高いゲームだ。

 でも自分はアンインストールしてしまった。こんだけグラフィックが良くて、ストーリーも良いけど、やっぱりゲーム本体があまりにもしんどい出来上がりだよ。
 広告として考えてみると、売りであるグラフィックだけ前面に押しまくるのは大正解だと思う。しかし実際にプレイしてみると令和のゲームとしてはかなり厳しい内容ではないだろうか。ニーアファンならもう少し評価が変わるかもしれないが……?
 何にせよ話題がすっかりウマ娘に持っていかれてしまった印象がある。別にゲームの指標は話題性だけでは無いが、ここまで金のかかっているであろうゲームが三ヶ月程度で話題一つ無くなってしまうのは製作元としては痛いだろう。
 来月も広告を見られる可能性は低いし、何なら半年後には覚えている人間すらいないかもしれない。

・蒼空ファンタジー

 魔剣伝説、三国志グローバル、剣魂と広告を出せば絶対に突っ込みどころを用意してくる広告界のパワーヒッター4399が新作を引っ提げてやってきた。
 タイトルの時点でグラブルのパクリ感をムンムンに漂わせ、ゲーム画面は原神を意識しているような昨今のゲームをどうパクるかという事に心血を注いだ「ぼくのかんがえた最強のゲーム広告」である事は間違いない。
 広告ではベータテストと言っているが、ちゃんとゲーム自体は本サービスインなので安心してほしい。

 今回は少しプレイした上で広告に突っ込んでいこうと思う。今までの課金システムとは違うと言いつつも結局VIPシステムはあるし、ゲーム開始したら無料10連ガチャとは言ってもその10連ガチャでは装備品の強化石しか出てこないし、この広告で見られるシリアルコードを突っ込んでも大した育成アイテムが出てこない。やらないよかマシだけど。
 あと星10の聖炎天使も戦姫幻化には見当たらない(※2)し、乗騎は育成要素こそあるけどガチャからは出てこないので10連ガチャから出てくるような表現は誤解を招くし、ボス捕獲要素はあるけどモンハンライズみたいな事は起こらないし、プレイヤーレベル79とか開始2分で超えるし……
 やめよっかこの話。

 もうゲームと広告の乖離に関しては突っ込み始めるとキリが無いのでやめにするとして、蒼空ファンタジーもgamewithに委託して広告している。だがやっている事は例の漫画広告であり、中華広告とは別方向にキマってる広告を国内からぶん投げてくる二段構えで広告を出してきたのがあまりにも興味深い。
 こういう広告を出す事がgamewithの言う「ゲーム業界のインフラとして貢献するサービス」となっているようだが、実際のところ中華ゲーム、台湾ゲームが広告するルートを確保するという意味では間違いではないのだろうか。
 そもそもゲーム業界のインフラ、アプリゲームの商品棚と言うとappstoreとかGoogle playとかの方が近いのでは。どちらかと言えば次世代のファミ通になりたいと言った方が正しそう。

 4399特有の有名役者とのコラボも完備。千葉雄大という役者を起用している。天装戦隊ゴセイジャーのレッドでデビューし、多数のドラマや映画、バラエティに出演している売れっ子役者ですってよ。
 そんな人間が中華広告特有の数日放置したら超強化される広告をやっているんだからやっぱりチャイナマネーってすげえなと思います。魔剣伝説の高橋克典や伊藤英明と言った先輩方は鎧を着ていたのにこっちは鎧を着させられていないのはゲーム性の違いを主張したかったのだろうか。
 ちなみにこれらの広告には全て実際のゲームで使えるシリアルコードがついているので、蒼空ファンタジーをプレイしている場合はこまめに広告をチェックしてシリアルコードを集めよう。ここまで掲載した広告で4種のシリアルコードが分かる。

 いつもの声優インタビューシリーズも高橋李衣編、梶裕貴編、佐藤利奈編、植田佳奈編の4種を完備。とりあえず高橋李衣と梶裕貴をピックアップしたけど、毎度毎度インタビュー動画を作れば声優ファンがいいねしたり拡散したりするんだから割の良い広告ですよね。
 4399との契約はこのインタビュー撮影までがワンセットになってそう。

 蒼空ファンタジーの広告を総評すると、いつもの4399の広告全部やってみました! という色が強い。一ヶ月の間に声優インタビュー、漫画広告、誇大広告、有名人起用を全部やってるんだから凄まじいよな。広告トライアスロン完走者として賞賛すべきだと思います。
 真面目な話、くだらない広告から真面目な広告まで全部やるってのは大胆ながら丁寧な手腕だよね。ギフトコードをつけてプレイヤーの関心を向けようとしているのもアマギフ配るより安上がりで広告を見てもらえそうな施策だし、中々しっかりしている。
 ゲーム本編ではグラブルやFGO等からのパクリが多い事も取沙汰されてるけど、実はこのパクリでデザイン費をケチりつつ話題を取ってやろうとか思ってるんじゃないか。4399はあまりにも前科が多いけど、魔剣伝説を筆頭に剣魂、天姫契約も未だにサービス絶賛継続中なので結局どんなにパクろうが詐欺ろうが大丈夫だと図に乗ってる感は見えるね。

・電車でGO!! はしろう山手線

 電車でGO!!の広告。ゲーセンに良く行く人ならアーケード版電車でGO!!の復活、まずまずの人気を得ている事から家庭用新作もあり得なくは無いなと感じていた事と思うが、ゲーセンに行かない人の場合は懐かしいと思う人も多いのではないか。

 実は大昔の広告のリメイクなのだが、それに気づく人は結構少なそう。
 そうで無くても画質もよくなり、役者も変わったので元ネタを知っている人でも中々新鮮に見られる出来に仕上がっている。
 初代PS版が1997年に出てその辺りに放映されていた広告だと考えると、実に24年もの時を経てリバイバルされた広告ということになる。24年越しのリメイクとなるともはや新作のような趣があるね。

・映画モンスターハンター

 こんなコテコテの洋画を日本に輸出した時の広告あります?
 昔から映画の広告見てた人は「うわ~こういうのあったよね~」って感じると思います。
 それだけで紹介したくなっちゃう感じの広告なのが良い。

・チキンラーメン

 結局食べ物の広告は美味しそうに食べ物を食べてるだけで良いんだよな。
 永谷園のお茶漬けの広告でもそうだったけど、過度な演出なくひたすら食べるだけで良いという当たり前の事を思い出させてくれる傑作広告だと思います。
 実際こればっかりだと飽きそうではあるから、三年に一度くらいのペースでこういう広告を打っておくのが良いんじゃないでしょうか。

・『シン・エヴァンゲリオン劇場版』『Q :3.333』版予告・改2

 この広告はズルでしょ。先月気付かなかったんだけど、本編まで見たら間違いなくトップ広告だったなあと思う。2月の振り返りを書き上げる前にこれ見て映画も観てたら絶対にこれがダントツのMVPだった。タイミングが悪かったよ。
 公開三日後くらいに時間を見つけてシンエヴァを見に行ったんだけど、そりゃあもう大名作映画だったなと自分は思う。賛否はあるし、いきなり見に来ても訳分からんで終わるかもしれないけど、新劇場版三部作を観てこれを待ってた人間からすると本当にいい映画だったと思う。
 そのいい映画をわざわざ映画館にまで足を運ばせるきっかけになったのがこの予告映像だった。現代の映像であの次回予告をリブートするのは本当に良い。この広告を見たおかげで、人生で初めて自分の意志で映画館に行って映画を観ました。

 エヴァのネタバレをしないために観覧者たちが自発的にエヴァの話をせず、その結果公式からネタバレ込みで会話をして良いよという許可を出すという中々見られない光景も見られた。
 公開直後からあまりにも話題にならな過ぎた事からこういうお触れを出した、話題にならないとやはり口コミ的な効果が見込めず、高い興行収入が見込めなくなってしまうという憶測もある。
 しかし個人的には別に無理に口コミベースでの広告を見込まなくても良いのではないか、というのが正直な感想である。そりゃスタースマッシュくらい自発的に広告も打たない、話題にならないでは問題だが、エヴァに関してはさんざん延期しましたという話題性もあるし、ゼンショーのチェーン店や時計とのタイアップもして、あれだけ派手な予告映像もあるのだから話題作り自体は充分していたと思う。
 それにエヴァという作品自体26年前からじわじわとコアなファンを残し続けてきて、新劇場版によって割と若めのオタクでも見たことがあるよという事も増えていたはずだ。一般層にも見てもらうとメガヒットが見込めるのだろうが、自分が見た感じ劇場には若いカップルから中年男性、老人まで幅広い客層がいた印象がある。エヴァというマニアックな作品ながら客の取入れには健闘していると感じた。
 ここまでもこれからもぜーんぶ主観で申し訳ないんだけども、同じアニメ映画でも鬼滅の刃と無理に比べなくても良いのではないか。そもそもエヴァと鬼滅を比較していない皆様には恐縮であるが、どうも今のエヴァ映画の口コミに関する話題や興行収入の話になると鬼滅の影がちらついている印象がある。
 鬼滅もコロナ中に公開されたけど、あの映画は漫画原作を映像化した作品なので既に知っている物を見に来るわけで、ネタバレや口コミのハードルが非常に低い。その上元々老若男女問わず鬼滅ブームだ、タンジローだと言われていた最中での公開だったから歴史的メガヒットの素地が極めて盤石だったと言える。
 それに対してエヴァは今の小学生中学生まで人気かと言われたらそうでは無いだろうし、そもそも完全オリジナル作品なのでネタバレ情報自体がかなりデリケートな存在である。元々大ブームだった物の劇場化と、熱烈なファンが残っていた作品の劇場化では元々土俵が違うし、どっちも良い作品なのだ。
 口コミがあった方が良いというのはマーケティング戦略のセオリー的な話であり、エヴァ自体も口コミほぼ無しで興行収入60億という大台に乗せているのだから立派な話である。むしろ公開12日後にネタバレをしても良いよ、という雰囲気をちゃんと公式が作った事に意味があるし、結局ネタバレ解禁後にネタバレがあまり流れてこない状況でも60億行っているので化け物タイトルだと思います。
 何だか私情が挟まったり突然鬼滅出したりしてメチャクチャになってしまったけども、何だかんだエヴァはいい映画だからまだ見てないエヴァファンだった人は見ようね。見たことが無い場合は新劇場版三部作くらいは軽く見ておくと良いかもしれません。

・神獣契約

 シンプルながらパンチの効いた良い広告だと思う。まずザリガニがネズミを喰ったらサメの体にハサミをつけた化け物になるって発想が無いもん。
 声優代をケチって合成音声を使ったり、説明文が一つ除いて全部「歴號に住む(詳細不明)。食べると人を殺すようになる。」だったり、その例外の説明文は中国語そのまんまであったり、細かい所までスキの無い良作だよ。
 一見しても楽しいし、細かく見るともっと突っ込みどころがあるってのは面白い広告の鑑だね。普段ならMVPか準MVPくらいは張りそうな広告だけど、今月はちょっと強い広告が多かった。

 このゲームはちょっと面白そうだからダウンロードしようと思ったんだけど、うっかりダウンロードを止めたくなるレベルでレビューが胡散臭いのが良いね。個人的によかったレビューを抜粋してみようか。

★★★★★
あこいのぐちナ
2021/03/31
やっぱサイゲ様や
課金だが楽しい。 課金だがハマると楽しいです。しかし、ある程度いくと飽きてしまうかもしれません…
★★★★★
みそんトミタし
2021/03/31
ゴルシ最高
とても面白いゲームだと思います。運営の対応も良く好感が持てます。ゲーム面も誰でも手軽にプレイできて良いと思います。
★★★★★
こんいしぜた
2021/03/31
全てが運ゲ
最高に楽しいです。

 ウマ娘は人と馬が融合した生き物だから神獣契約のスピンオフだったって事? だったらゴールドシップが神獣契約に出演していても何ら不思議では無いし、実はサイゲームスが一枚噛んでいるという説も無きにしもあらず。ソシャゲって奥が深いなあ。

・湾岸ミッドナイト MAXIMUMTUNE

 アケゲーもツイッター広告とか打つんだ。
 実際その驚きだけで取り上げちゃったんだけど、実際ゲームセンターでしか遊べない体験が出来るゲームとしてレースゲームは未だにプレイヤーが多い印象がある。広告を打てるくらいには儲けていると言われても結構納得がいくタイトルだ。
 ゲーセンで色々な車の運転の疑似体験が出来る、というアプローチは良いと思う。車好きの友人曰く本物の車とアケゲーの車は全然違うため面白くなかったというご意見も聞いたけど、それは筐体でプレイするゲームである都合上致し方ない部分もあるだろう。
 湾岸って結構中高生からおじさんまで幅広く人気があるイメージなので、そういう意味でも浅く広く受ける広告で良いのではないだろうか。優良広告だと思います。

・パズル&サバイバル

 細々と新作を出しているようなので一応。パターンとしてはおねがい社長以上に変わり映えしないのが難点だが、地道に広告を続けているうちに新しいパターンも見つけてくれるかもしれない。
 結局広告も継続が大切なので、最初は同じパターンしか出来ないんですよ。荒野行動も日替わり内室という古豪から、魔剣伝説やおねがい社長といった新人たちもそうだった。同じストーリーを続けていき、最終的にその広告独自のパターンを見つけていくものである。
 今後も見かけたらちゃんとチェックしておくべきだ。男子三日会わざれば刮目して見よ、全く新しい広告スタイルを打ち立てるのはパズル&サバイバルかもしれない。

 ニンジャにもなれるけど、結局パズルをやるのは同じ。もうこれは一種のパズル芸としてパズサバが伸ばしていく芸なのかもしれない。
 ただこのダイナミックパズルってのはどうも主張が控えめなので、もうちょっと派手なネタを仕掛けてくるんじゃないかと予想している。どんなに本編のゲームとは違う詐欺広告とはいえ、絶対にパズルをするのは根の真面目さが出てきているのかもしれない。
 あるいはパズルゲームでパズルをしてるんだからどんなに表現を盛っても詐欺じゃねえ! という居直りだろうか。それはそれで肝が据わっていると思う。

・荒野行動

 荒野行動を見てみろよ。PUBG系のゲームなのに突然神経衰弱をやりだす広告がありますか? 歴が長くなるとこういうアクロバットも出来るようになるんだよな。一応ゲーム画面らしき物も見せてるけど、多分武器スキンだからこのスキンを手に入れただけで超強くなるなんて事は無いだろうしね。
 それにしても全く話題を聞かなくなってしまったPUBGと、未だに荒野キッズなる存在がいる荒野行動ではユーザー数に大きな差があると思う。キッズキッズと馬鹿にされがちだけど、それだけ若いプレイヤーがいるって事は活気があるコンテンツなんだよな。今じゃAPEXもあるから一概に荒野行動がスゴイとは言えないだろうけども、数々の問題を抱えながらもここまでサービスを継続出来ている時点でNetEaseってのは中々のやり手だと思う。

 アドベンチャーゲームにもなれるのが荒野行動の積み上げてきた歴史の生んだものだ。
 この調子で行くと来月くらいにはおねがい社長のパクリとか、ピン抜きゲームとかやってきてもおかしくないよ荒野は。かつてウザイ広告の筆頭として絶対に名が挙がっていた古豪、荒野行動の力量を甘く見てはいけない。

 いつもの実写広告もやってます。
 何だかんだずっと荒野GOGOGOシリーズもやってるっぽいし、根気があるよなあ。継続出来るのが一番偉いよ。

 謎のチータープレイ広告もある。プロアクションリプレイを使ったらこういう事出来そうだよねって感じがノスタルジーに溢れていて好きな広告です。
 実際こういうプレイヤースキル要らないぜ! 的な無双もちょっとやりたいよ。こんなん出来たらゲームにならんだろうけど、小学生の頃に色違いレックウザレベル100を友人間の通信対戦で使われてただけの人間からすると今こそチートで他人をボコボコにしたいと思う事もある。
 自分は小学生の頃に友達からチート込みのアルセウスをもらったし、中学生の頃はにこさうんどで音楽を、tubefireで動画をダウンロードしていたので人に正義を説けません。正義漢の皆は頑張ってくれ。

・アイアム皇帝

 アイアム皇帝もいつもの広告を荒野行動と一緒に出してるの見るだけでほんわかするよね。荒野行動と併せてA定食って感じ。
 それだけです。

 このカンザシを茶に入れて毒を見極める演出はオシャレだよね。
 ずっと後宮物を続けてるから似たような広告も以前にやってそうだけど、毎回蹴落とすばかりでなく蹴落とされるのを防いだり、逆に裏をかかれたりするのがストーリーに飽きがこなくて良いと思います。

 アイアム皇帝が新たにやってきたパターンとしては、2つの広告を1つに連結して放映しているのが特徴的。
 マフィアシティとかはyoutubeでこれをやってたけど、Twitterでこのパターンをやったのは初めてじゃないでしょうか。やってそうでやってなかったところに手を付けるパイオニア感も良いですね。
 アイアム皇帝はいつまでもこういう事をしていてほしい。

・シャイニングニキ

 シャイニングニキは相変わらず真っ当な感じの広告を出しているんだけど、オチで失敗している辺りにだんだんと「次はどうするの?」的なガーデンスケイプテイストが出て来た。
 まあ元々ニキシリーズは着せ替えゲームながら着せ替えに世界の命運がかかったり、人が死んだりしてた記憶があるので実際これがニキのノリなんだと思います。

 まあ何だかんだシャイニングニキなどニキシリーズを作っているのは中国の会社なので、ともすれば突然ピン抜きゲームをしたり、突然不細工にし始めても何らおかしくは無いんだよな。
 しかしそんな雰囲気にそぐわない広告をしないという理由を調べてみると、日本版の運営は「ニキ株式会社」という別の会社を設立して運営している事が大きな要因である様だ。
 日本の支社を作ってプロモーションをしているおかげで中国的なセンスが漏れてくる事が無いし、きちんとローカライズして日本人が見て不快にならない広告を生み出している。
 中国の会社だからと一緒くたに下らない広告を作る物だと偏見を抱かない方が良い、という前例に出来る良い広告だと感じた。日本人が楽しめるようにきちんとローカライズする真摯な運営をしてくれる所はしっかりと評価したい。

・放置少女

 放置少女はサクラ大戦コラボを打ってきたが、サクラシリーズと言えば仮にもサクラ革命という最新作があるにも関わらず外様のゲームへ先にコラボで収録されるのは奇妙でしかない。
 サクラ革命自体もすっかり話を聞かなくなったし、広告すら見なくなった。本当はサクラ大戦コラボを先にやりたかったけどあまりにも儲けが無いから先に放置少女に貸してしまったのか、あるいはサクラ革命側はサクラ大戦のキャラを出す気が無いのか。そもそも放置少女勢にサクラ大戦ファンがそんなにいるのかという疑問もある。

 放置少女の話は一切しなくて申し訳ないけど、近頃のSEGAは本当にどうしたんだって感じだよな。
 こうしてコラボでキャラを出せばコラボ代である程度SEGA側にも儲けが来るんだろうけども、どこにでもSEGA、ひいてはATLUS(主にペルソナ5)のキャラがコラボしているもんだからキャラのありがたみ、ブランド感は否応なく薄れてしまうよなあと感じてしまう。
 それでも良いからSEGAはこうしてコラボをしまくっているんだろうけども。下手なSEGAのゲームよりも放置少女の方が人気がありそうなのもまた悲しい。

 ……と思ったら放置少女は4周年記念キャンペーンを打っているので、サクラ大戦コラボもその一環なんでしょう。
 合宿免許WAOのCMで名を売っているえなこが放置少女の絵に向かって話してるちょっとレトロな感じの広告が良いよね。この雰囲気が好きです。

 一回のキャンペーンのために上坂すみれまで呼んでいるのはかなり豪華だと思う。先月は三国志グローバルのインタビューをされ、今月は放置少女のインタビューだから声優さんも大変だ。

・アイドルエンジェルス

 メイドガチャ万事屋って何?
 そんな強烈な引きを作っておきながら結局やる事はいつものガチャの広告だけってのが良いよね。先月に続いて面白い広告を打ってくるので、かなり見どころがあるゲームだと思う。
 卑弥呼が一番強いってのはBeatmaniaⅡDXリスペクトかな? 合格!

 気合いが入ったエフェクトの割にナレーションの棒読み具合がいいよね。やっぱり卑弥呼推しなんだけど、Twitter広告よりはリアリティのある感じの当たり方になっているのが印象深い。
 Twitterはガチャ報告の場所だから爆当たりしてる広告の方が良いだろうと判断したのだろうか?

 割とこういうゲームだったら真面目にやりたかったよなあシリーズ。こういうゲームだったら連絡してください。
 広告でわざわざ3Dモデル作って広告するのって採算取れてるのかなあ。ゲームとして実装するとなるとコストがかさみまくるのは間違いなさそうだけど、実際のゲーム画面見せた方が安上がりなんじゃないかと思ってしまう。
 まあ中華広告って広告にはいくらコストをかけても良いとか思っていそうだし、こういうもんなんでしょう。

 この広告はかなりウマ娘リスペクトでしょ。性欲ダダ漏れのおじさんがウマ娘みたいなノリで女の子を育成するエロゲーがしたいなって言う、そんな意図を感じる。
 実際システムは優秀だし、ウマ娘的なシステムをベースにスケベゲームを作っている所がもうありそう。キャラはダメでもシステムは良いだろうみたいな精神で作ってそうじゃないですか? その点広告はそれっぽい映像を作るだけなので、フットワーク軽く作業ができるよね。

 帽子を取られて闇落ちして強くなる広告もある。意図はよく分かりません。
 てかアイドルエンジェルスもえなことコラボしてるのすげえな。えなこ大人気過ぎるだろ。

・ソネット・オブ・ウィザード

 聞いた事無いゲームなんだけど、まずはTwitter広告でここまでウマ娘へのヘイトをぶつけてる男気に敬意を表したい。内容も知らないしいつリリースされたかも知らなかったんだけど、なんと3月17日リリースなので結構最近のゲームの様です。
 ウマ娘を敵にしたことで早速炎上しているようだけど、実際炎上商法をやるなら一番流行ってる所にヘイトをぶつけるのが良いので見た目の感情任せに反して計算づくな広告の印象がある。

 面白そうかはとにかくとして、自分はこういう声もちゃんと評価したいなと思う。何ならちょっとやりたい。
 実際今月はほぼウマ娘というビッグウェーブに対してどう広告を打つか、またどう運営するかという事を否応なく各ゲームが意識せざるを得なかった月だと思うんですよ。で、「なーにがウマ娘じゃ!!」ってキレる声があって当たり前だと思う。
 とはいえ炎上商法をしたとして、それでどれくらいユーザー数が増えたのかなというのは気になる。今始めると500コインとか言ってるからガチャがありそうだし、炎上するだけして何も無かっただと厳しいよね。レビュー見る感じでは散々な感じだけど。

・メギド72

 漫画広告を出したら現状のユーザー層に不評を買いまくった広告。
 実際メギドは遊んでないけど、こういう広告が嫌いな層がやっているという辺りで何となく広告で狙う客層を間違えたんだなあという事を察してしまう。
 そもそもこういう漫画広告で狙えるユーザー層というのも不明だし、なんとなく広告を打ちたいけど低予算で済ませたい、という場合の選択肢なのかなあ、漫画広告ってのは。
 実際普段はこういう漫画広告を自分も何の関心なく飛ばしているので、本当に存在意義が不明だよね。この広告を境にメギド72の広告用アカウント@megido72_PRは動いている気配が無いし、この広告が不評だった事を受けて広告を止めたんでしょう。もし動いたら再度取り上げるかも。

・魔剣伝説

 合計2分にも関わらずなんて壮大なドラマだろう。ゲーム本編でもこれくらいの事をやってくれれば今頃大人気ゲームだったと思う。あとたかだか合計2分の動画を3分割して出すのはやめろ。
 動画としては主演の女優さんは結構な美人なのに声優はいつもの声なのがあまりにも面白かったです。多分主演は西洋系の顔なのに、同じギルドの人はアジア系の顔なのもまた世界観を微妙に崩しに来ていて良い。昨今の色々な民族が映像作品に出ているべきという思想に倣っているのだろうか?
 4399の事だからギルド対ギルドの多数のぶつかり合いのシーンはどっかの映画からパクってきてそう。まあその辺の元ネタ捜索は映画に明るい人にお任せする。
 広告の内容としては新モード「魔界深淵」の告知らしい。新モードの機会にこういうドラマを作るのはいいけど、こういう動画にこそいつもの「今なら400連ガチャ無料!」をつけるべきだったのでは。もしくは魔界深淵がどんなモードなのかもう少し説明を入れるとかした方がよさそう。この映像だけだと結局何を伝えたいのかよく分からない広告だと思いました。

 魔剣伝説は公式チャンネルで超カッコいい広告を出してるのでこちらも是非。
 広告だけ見てゲームの内容を想像して楽しむと広告詐欺にならないし楽しいゲームを妄想して遊べるから名作だと思うぞ!

・エバーテイル

 今月どころか今年イチの大問題作だと思う。楽しいお話は別のnoteにまとめているので、こっちでは真面目な話をします。

 エバーテイルがここまで跳ねた理由は、ただ魅力的な詐欺広告を打った所だけでは無い。まずタイミングが神がかっていて、2月末に本家ポケモンのダイヤモンド・パールリメイクの新情報が出ていたのはこの広告の知名度を大きく押し上げた一因と言えるだろう。
 ダイパリメイクの見た目が悪かったと話題になった事や、アルセウス版の予告などでポケモンを意識するユーザーが多くなったタイミングでこの広告を出せたのは偶然にしても大きな追い風だったと言える。

 第二に優れていたのは、元々人気があった任天堂作品のホラーパロディブームの再燃にいち早く乗っかったレスポンスの早さ。昨今ではAntipiracyscreenブームもあるが、元々.exe系の二次創作や黒い任天堂などそういうホラーネタ自体は多く存在していた。その辺りのエッセンスも多量に含まれていると言えるだろう。
 先ほどのダイパリメイクに関しては乗っかろうと考えても任天堂の都合に大きく左右されるが、ユーザー内でのホラーパロディに乗るのは少し遅れていても需要があると捉えて広告を作成出来るラインだろう。
 ゲーム内のメタネタとしてUNDERTALEという作品と比較する声も聞かれるが、どちらかと言えば任天堂のパロディが強く残虐路線を押し出している所を見ると.exe系の方が近い印象を受ける。

 第三に、ちょうど2周年というタイミングに合わせて新規ユーザー向けのキャンペーンも打てた事は大きい。
 広告を見てやってきたユーザーで「全く期待外れだった」「詐欺だった」という意見が目立つが、こうして新規ユーザー向けの施策を打った事で少なからずあの広告に釣られた人の中でも課金したプレイヤーもいるのではないだろうか。
 単にウケる広告を打つだけならおねがい社長などもやっているが、それに加えてプレイヤーとして残ってもらう工夫をしているのも隙が無い。

 その結果、ウマ娘という超大型タイトルが他タイトルのユーザーを奪っていった3月の中で異例の増益を遂げるという結果を残してしまった。無論ソース自体がやや信用ならない所もあるが、ウマ娘という強豪に対して虚偽広告一本で爪痕を残した事は現代広告文化の問題点を浮き彫りにしたと言える。
 虚偽広告を出して儲けるという手法は確かに許される物では無いのだが、現状問題視されるだけで実際にエバーテイルの運営が謝罪文を出したり、サービス終了したりというアクションは起きていない。つまり実質的にナアナアの状態でこの広告が続いているし、これで儲けても何らリスクが発生していない状態である。
 こうなると虚偽広告は出し得の状態である。そもそも広告の内容がゲームと違うというのはエバーテイルが昔からやっている事で、露骨なポケモンパロディをリリース当初からやっては生き延びているのだから市井の人がいくら騒ごうが何の意味も成していなかった。

 今日の広告で儲けを上げている所は小規模ながら虚偽を混ぜて一定の儲けを得ているパターンが多い。
 結局エヴァやウマ娘など元が良い作品の場合は事実を伝えるだけで広告になり儲けになるが、当然ながら世の作品が全て元が良いとは限らない。むしろトップ層のゲームと比べると2番手、3番手のゲームは作品の出来としては拙いかもしれない。それでも超話題作と顧客を奪い合う必要がある場合は事実を伝えるだけではとても勝負にならない事は明らかである。
 その中で虚偽でも魅力的な広告を作る事で儲かるしリターンしかないとなると、当然虚偽広告を打つだろう。エバーテイルは虚偽広告の中でも特に成功したタイトルだと言えるし、善意や誠実を捨てれば儲かるとなればこの不景気だと誇大広告、虚偽広告に手を出す企業が増えるのは当然の帰結だ。

 この状況をどうにかしたいのであればyoutubeやtwitterと言った広告元に通報する事、また権利者側に報告する事がぱっと思いつく解決法であるが、根本的に現在の不況下ではこういう広告は増える一方である事は容易に予想出来る。
 それにエバーテイルが前回のポケモン広告で生存しているという事は、限りなく似ているけど少しだけ雰囲気が違う広告程度では広告が止まらない可能性もある。虚偽広告や音楽の不正利用が行われていたとしても、海外企業が行っている場合はそれを規制するのが難しいという事情もあるのかもしれない。
 結局全世界の人間が虚偽広告を打つゲームに対して団結して金を落とさない、ダウンロードしないを徹底するか、景気自体が世界的に回復して虚偽広告を打ってまでゲームを売るよりも真っ当な仕事が儲かるようになるかしない限りはずっと虚偽広告、誇大広告は打たれ続けるのだろうなと思っている。

 この問題を考えていると、転売と同じで不正行為を無くそうとしたらまず社会情勢がどうにかならないと話が始まらないと感じる。
 そもそも真っ当に仕事をしてりゃそれなりに儲かるという状況であれば転売という副業をする必要も無いし、真っ当な作品が真っ当に評価され儲かるのであれば嘘をついて名作に見せる必要も無い。
 あるいは転売や虚偽広告といった迷惑行為、不正行為をより取り締まれるようになれば罰則が大きすぎて儲けの割に合わないという事になるのだろうけども、現状グレーゾーンを攻めれば金儲けになるのだからどんなに悪を憎もうが無くなるはずがない。
 それに転売や虚偽広告という目先の問題だけを解決したとして、新たに他者を不快にしたり迷惑をかけてでも儲ける方法を見つけるのがオチだろう。

 全てはここ30年の不景気の積み重ねである。

 実はエバーテイルは普通の美少女広告も3月に出している。注目度としては例の広告に比べてゼロに等しいし、嘘をつかなかったら話題性はこんな物という事がある程度分かるのではないだろうか。

・余談
 これは蛇足だがニーアやサクラ革命など最近の国産タイトルを見ていると、どうもコストに対して収益が見合っていないのではないかと思わざるを得ない。
 結局中華ゲームの強さとは金のかからない独自タイトルで、しかも安上がりに見合った以上の課金額は取りっぱぐれないVIPシステム+ガチャを使い、しかも詐欺広告で儲けを取る所なのではないか。ゲームの面白さはさておき儲けを取る為に必要なシステムと最低限のグラフィックは抑えている印象がある。
 こと金儲けをする装置としてのゲーム作成では中華ゲームのシステム構築は尋常では無いし、単純なグラフィック、システム勝負でも中華産ゲームは人員が多い事から下手な国産ゲームをやすやすと越えていく。
 現代におけるゲームでの金儲けには莫大な初期投資、設備投資に裏打ちされた超大作を出すか、低予算に抑えつつも集金をする上で最適化されたシステムを出すかの二択になってきているのだろう。そして低予算に抑える場合は有名IPで釣るよりも、オリジナルタイトルで有名IPのパクリっぽい物を作って課金の重要性が高いシステムを作るのが近道になっているのだ。
 金に糸目をつけずにゲーム作成をして超大作を作れるならともかく、なるべく安く、早く儲けたい場合は極力広告に金をかけてゲーム面はほどほどに仕上げるのが最適解であると中国のゲームは気づいているのだろう。
 それに集金する上で最適なシステムとは言うけど、意外と下手な日本のキャラ推しゲームよりも中華ゲームの方が面白い事すらあるかもしれない、とは思う。まあその辺の詳しい話はいずれするかもしれない。何せ自分もルミナスフォレストという中華産放置ソシャゲにハマって課金した経験があるので、意外とアレは集金するだけのシステムって訳でも無いと思うんだよな。

・商人放浪記

 おねがい社長のパクリというネームバリューで1月に注目を集めた商人放浪記だが、2月は珍しい広告も無く、3月にようやく出たと思ったらこの一本というのはやや残念。
 1月の広告を見返そうと思ったら動画が削除されてツイートだけになっていたので、おねがい社長側から何かしらのアクションがあった可能性がある。おねがい社長でもパクられたら止める様に働きかけるのに……
 広告自体はかなり不快なタイプの広告。ネズミが飲食店に大量に出てくるって想像するだけでイヤでしょ。それでネコが来たら来なくなったけど追い払ったらまた出て来たって、どういう話よ。
 来月以降も少し期待はしてるけど、この調子だとちょっと来月はどうだか分かりません。

・今月の準MVP

 3月はあまりにも豊作過ぎたと言える。1月も豊作とか言ってたけどそれ以上に豊作月が来るとは思っていなかった。
 今回取り上げられた広告は45タイトル、107作品と過去最高のボリュームになった3月広告の準MVP選考にはかなりの時間を要したし、春の訪れと共に広告も芽生えた季節だったという事を思い知らされる。

・準MVP①:おねがい社長

 今月のおねがい社長は過去最多の9作品を同時リリースという大型広告戦線を敷いてきたのが印象的である。
 そのうえ4ヶ月連続のノミネートという前人未到の記録まで成し遂げたので、さすがにそろそろ準MVPクラスの継続力はあるだろうという印象を受けた。
 ストーリーラインにも少しずつ変化を加え、いつもの逆転ストーリーだけでなく新しいスタイルにも意欲的に取り組む姿勢は我々も見習うべき所があるのではないだろうか。
 同じく長い事広告をしているシリーズとしてはビビッドアーミーも大先輩として挙げられるが、ビビッドアーミーが画像広告を主軸にしている中でおねがい社長は動画広告に絞って印象的な広告を打つ戦略を取っているのが特徴的だ。
 単純な画像広告ではブラウザゲームであるビビッドアーミーには勝てない事もあるだろうが、そもそも相手をしなくて良い強豪とは戦わない生存戦略も見事だと思う。youtubeとtwitterに絞って広告しているのも案外と戦略的に考えられた手法であると言えるだろう。
 この調子で1年間新作を出し続けたら内容がどうあってもおねがい社長をMVPにします。もちろん1年間も出していればどこかでメガヒット広告を出せる可能性もあるし、どんな物でも続けてやるってのは大事なんだよな。

・準MVP②:シン・エヴァンゲリオン劇場版予告映像

 3月の広告を語る上でシン・エヴァンゲリオンは欠かせないというか、単純なクオリティで無双する広告例として準MVPに相応しい作品だと思う。
 強いて問題点を挙げるならそもそも広告を打たなくても元々のファンが映画を視聴しに行くだろうし、広告以外の面で話題になってガッツリ売れているタイトルだからそんなに広告関係ある? 的な所が挙げられるんだけど、それにしてもあれだけのクオリティの広告映像を出されて評価しない訳にはいかない。
 あと良かった点として、映画広告にありがちな作品をポップに見せようとするナレーションや実績自慢(観客動員数だの全米1位だのそういうやつ)抜きでひたすら本編の映像を見せつけるというストロングスタイルがガッチリハマった広告であった事を評価したい。
 もちろんポップなナレーションや実績自慢も他の作品では有効な広告要素にはなるだろうけど、ことエヴァという作品ではそういう事をやってはいけないと思う。その辺りをしっかり分かっていて、本編映像を少しずつダイジェストで公開し続けた事は素晴らしかった。それはちゃんと評価すべきだと思います。

・準MVP③:マイナンバーカードの健康保険証利用 「マイナンバーカードで受付!」編

 いやマジでこの広告はよく出来てると思う。厚生労働省というお役所仕事ながら最近の下手な広告より洒落が効いてるし、事実を正確に述べているし、起用した役者もしっかり広告したい内容に噛み合った内容になっている。厚生労働省の本気を見た。
 しかもこの広告はロング版があるんだけど、このロング版ではさらに詳しくマイナンバーカードの健康保険証利用について語ってるからね。ロング版とショート版を使い分ける手腕も実に丁寧な職人仕事だけど、ロング版のラスサビ直前からバイオリンが入って来る演出は鳥肌モノだ。
 そもそもテツandトモという芸人が歌モノ芸として一つの到達点に達している感はある。後世にもムーディ勝山やどぶろっくなどの歌モノ芸人が登場したけども、テツandトモだけが一般受けする領域に達したのは本当に地道な営業の賜物と言えるかもしれない。自由自在にネタを組み替えてテーマに沿った内容をリズミカルに伝えられるテツandトモは今後広告でしばしば見かける存在に返り咲くかもしれない。
 本当にこの広告はすごい。単純な広告の出来という意味ではこれがMVPでも良いレベルの広告です。

・今月のMVP

 今月のMVPは『エバーテイル』

 この広告は他の広告では到底なし得ないだけの成果を挙げたと言えるだろう。たとえそれが虚偽であったとして、それで売り上げを大幅に上げ、しかも話題作りまでしてしまった。何なら自分もその面白さに一本まとめ記事を書いてしまうくらいの面白さと詐欺を兼ね備えた非常に業の深い広告であり、個人的には中華広告の新時代を象徴するだけの広告になり得るだけの一作だと感じた。
 詐欺でも話題になれば良い、広告が面白ければ中身が何であれ儲かるという事はかつてより行われていた手法であるが、10作以上の広告群で話題を搔っ攫ったその広告のクオリティには脱帽せざるを得ない。
 4月6日時点でまた新作広告を出してはいるけども、さすがに話題性としては最初の勢いほどでは無くなっている印象。話題性を取るにしてもエバーテイルというタイトルだけで詐欺のイメージがこびりついてしまっているので、少なくともあと三ヶ月はどんな広告を打っても最初の広告ほど上手くいかないんじゃないだろうか。
 結局虚偽広告は一瞬上手くいくけどそれ以降も上手くいく事はほぼ無い諸刃の剣であると感じる。来月以降の動向もより注視したい。

・注釈

※1:テレビ番組が支配的な娯楽であった事から60分の番組プログラム中6分も広告を挿入しても問題無かった

 BPOの放送基準第18章「広告の時間基準」を参照。

※2:星10の聖炎天使も戦姫幻化には見当たらない

 軽く一時間程度プレイした結果なので、育成したら聖炎天使になる可能性がある。確認した方はご連絡頂けると幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?