社長のサイン、私のスキ。
今から10年以上も前のことになるが、その頃の私は都心に勤める会社員だった。毎朝満員電車に乗り、会社がある駅で降りると、通り道にあるスターバックスでコーヒーを買うのが日課だった。
とある朝、いつものようにオーダーの列に立つ私のすぐ後ろに、見覚えのある男性が並んだ。勤務する会社の社長だった。
所属する部署が社長室と同じフロアにあることもあって、社長は私の顔を知っていた。私たちは、軽く微笑みながら挨拶を交わし、その日の天気について、ひと言ふた言話をした。
オーダーを済ませて飲