オンライン家庭教師として

本日もよろしくお願いいたします。僕がオンライン家庭教師の仕事を始めて1年が経ちました。昨年のこの時期からの登録だったことで、授業案件は少なかったものの、今年は11月現在、日本史だけで11人の生徒(授業コマは12コマ)を抱えることになりました。まだ増えるかもしれませんが、今後は案件と日程を確認しながら授業を入れていくことになります。

本日は、オンライン家庭教師として考えないといけないことについて話していきたいと思います。塾が独自で行っているオンライン授業もほぼ当てはまるのでは、と思っています(映像授業は今回は媒体が違うのであてはまるかはわかりません)。参考になれば幸いです。
では、最後までお付き合いよろしくお願いいたします。

■オンライン家庭教師として必要なアイテム

以前の記事で持っておくといい機材などについて話しました。今日はそれについて少し踏み込んでいこうと思います。

➀書画カメラ

僕が現在使っている書画カメラがこちらです。これは現在僕が登録しているオンライン家庭教師で指定されている書画カメラです。
標準的なカメラで、これが使えるようになると基本的なものは問題なく稼働できると思います。簡単に言うと、手元を写して演習やメモなどを取っている様子を見ることができるので、対面授業をしているのと同じ効果が出るといわれています。値段もそれなりにしますが、オンライン家庭教師をこれから行うときには必要なものの一つと思ってください。
もう少しアップグレードしたタイプのものもございますが、一般的に使われるときにはこのタイプで十分だと思います

②iPad

これはアップル社やドコモやソフトバンクなどの携帯ショップ、家電量販店などで購入するといいです。ただし、単品で購入するなら8万円近くはします。そのため、携帯とセットで購入してセット割りなどを活用するのがいいと思います。これもオンライン家庭教師を行うならほぼ必須のアイテムと思ってください(2年分の代金は自己投資としてみてください)。
え、書画カメラがあるならそこまでいらないのでは?と思います。確かに書画カメラがあればそこまで必要ではないかもしれません。が、これを持っておくだけで授業などの幅が非常に広がります
オンライン授業ではPCを使うと思いますが、タブレットやiPadがあると、それも使用できるうえ、画面共有ができるのです。そのため、授業のネタの幅が広がるのです。

【現在のiPad価格】
➀iPad9の場合:64GBで39800円、256GBで57800円
②iPad miniの場合:64GBで59800円、256GBで77800円
③iPad Airの場合:64GBで74800円、256GBで92800円
④iPad Proの場合:11インチで128GBで94800円で2TBだと226800円(インチと容量で値段が変わります)

iPad公式HPより

注意点としては、Zoomを使用される際はiPadでなければならないことに気を付けてほしいです。おそらくandroid系のタブレットでは対応していない可能性がある(僕が確認した限りはiPadもしくはiPhoneしかダメだったはず)ので、iPadを持つ方が妥当だと思います。
先ほども言ったように、iPad単体の値段は非常に高いです。そのため、学生講師でオンライン家庭教師を行う際は、iPadの使用は所有していない限りは無理に考えなくてもいいと思います。あと、iPadはあまり古すぎるとバージョン問題が発生するため、可能な限り最新のものを購入しておくといいでしょう。また、ゲームなどをインストールしすぎず、YouTubeで動画撮影などに使用するなどで容量が重くならなければ、64KBのもので十分です。
ですが、持っておくと便利ではあります。

■オンライン家庭教師といっても

オンライン家庭教師といっても、生徒のコーチであると同時に正しい指導者でなければなりません。家庭教師の時給は確かに高いです。が、それ以上に生徒に対する指導の責任がなければ家庭教師を続けることはできません
そのため、最低限でも以下のことはできていなければ指導は困難と思った方がいいです。

【最低でもやっておかないといけないこと】
1.指導を行う範囲の予習
2.受験生なら志望校の出題傾向など
3.生徒の事前情報など
4.指導者としての責任

最低でもこれらのことができていなければいけません。もし、一つでも欠けていればコンプレインがでて指導交代を言われる可能性が高いです。そのため、これらのことはプロの講師としてはできて当然のことです。集団授業との違いとしては、生徒の事前情報をよりつかんでおかないといけない、ということです。1・2については言わずもがな、です。そのため、生徒の事前情報をもとに入試問題の傾向を様々なところから入手しています。

➀Xam

入試問題としては、上記のXamが有名だと思います。こちらは1科目2万円弱します。プロの講師はよくこのXamを購入されているそうです(恥ずかしながら僕は購入したことはないが、いずれは購入する予定です)。
解答については、主要の大学にはついていますが、一部掲載大学については載っていません。また、解説はないので、このあたりの補足は各自でしないといけません。
Xamについては、時期によって過年度分の割引セールが行われるときがあります。過年度分のものを購入されるときには活用していくといいでしょう(ただし、2021年度は11/22現在では割引セールの話はまだ出ていません)。

②過去問データベース(東進)

続いては、東進のサイトにある過去問データベースです。主要大学の過去問が掲載されています。中には、後述する「全国大学入試問題正解」や赤本に掲載のない問題も早慶・関関同立・GMARCH辺りは掲載されています(2019年くらいまでは産近甲龍など他の大学も掲載されていたが、ここ2年は更新されていない)。注意点は解答がない場合もあるので、最悪の場合は、学校の先生などから添削を受ける必要があります。受験大学が関関同立・早慶・GMARCH、国公立大学であれば、こちらで十分な気がします
主要大学であれば、代ゼミ、河合、駿台のサイトでも一部掲載されています。合わせて活用すればいいでしょう。

③全国大学入試問題正解・赤本
あとは、全国大学入試問題正解(旺文社)と赤本(教学社)です。前者は基本的には主要大学が掲載されています。後者は大学別・学部別(日程別)で掲載されていますが、全てが載っているわけではありません。主要な問題をトレーニングしていくのが目的です。

基本的にはこういうところでしょうか。大学によってはそれらを冊子にして受験生に提供しているところもあります。そのため、赤本に掲載していない問題もあります。受験大学が絞れているなら、このような使い方もありだと思います。

4の指導者の責任としては、いうまでもありません。プロとしての成果を出すことが絶対条件ですが、それ以上に生徒のサポートも行うことも仕事になります。そのためには生徒のことを知っておかないといけません。そのうえで、目標までの設定とその逆算学習の仕方を知っておかないといけません。それを正確にアドバイスできるからこそ、正しいやり方・学習法を提示できるのです。

■学生講師といっても……

学生講師といえども、上記のことはできて当然です。そして、生徒の成果が出なかったら、講師の責任です。なぜなら、講師は生徒の進路に大きくかかわっているため、その進路に正しく導くことができなかったことの責任があるのです。間違ってほしくないのは、講師に責任を負わせるのは間違い、という人がいますが、それは正しくありません。個別指導であれば、そのような講師を使った教室責任者の責任ですが、実際に生徒を指導している講師にも責任はあります。
僕が教室責任者であれば、導くことができなかった理由などを講師に聞きます。その改善を要求したうえで、次の生徒の指導に生かすようにアドバイスします。その原因が講師側にあるのか、生徒側にあるのかも見極める必要があります。ですが、大抵の場合は、目標や合格に導くことのできなかった講師側の責任の方が重いです
場合によっては、人気講師であっても今後の指導に影響を及ぼす場合は関連生徒の指導及び受験指導を外すことがあります(その結果、その講師が辞める場合もありますが、責任者は一過性ではなく教室全体を見なければなりません)。
このようなことは、今後の塾選びにも影響が出ます。今は「○○先生がいるからこの塾に……」という人もいますが、本当の塾の中身を見ないで選ぶのは大変危険です。

■だからこそ準備は万全に

そういう意味で、授業準備を万全にしなければなりません。僕も事前に次回やるところの準備や問題演習などの編集を行うことで、次回授業のイメージを立てやすくなっています。それと同時に周辺知識・関連知識・背景知識の3つの知識を活用して、どう説明していこうかを考えています。
もちろん、今までに指導した経験もあるかもしれませんが、それを新説などを加えて周辺知識などを強化して整理しています(一度指導した内容でも本当にこの説明でよかったのかなどを教科書・日本史研究・補助輪参考書などを用いて振り返っていきます)。
あとは実際の入試問題の確認です。これができなければ指導もできません。なので、問題演習といえども、その周辺知識や根拠などを提示できるような授業をしなければ、生徒の満足度は上がりません。

僕は学生講師が悪いとか、個別指導塾が悪いと断言していません。ですが、このような所業については、プロ講師に一日いちじつの長があるのです。

■最後に

最後に、これだけは僕も言っておかないといけないことがあります。よく、家庭教師指導で3か月でも逆転できる、という謳い文句があると思います。これについてはある意味は間違っていません。だが、この言葉自体を鵜呑みにしすぎないでほしいのです。あくまでも3か月で合格する場合、正しい指導法ができたうえで元々の土台がそれなりにある人が使うならそれでも問題はないと思います。
そして、2時間くらいの指導を1回受けただけで成果が出るとも思ってほしくありません。大事なのは、その指導を受けた後なのです。そのための自学の仕方、学習習慣の定着など、どちらかというと指導することよりもコーチングのほうが重要であるのです。プロの講師たちは、このようなコーチング・合格までの逆算が非常に長けていると思います。
今から家庭教師や個別指導を受けて逆転合格を目指そうとする人たちは、自分の力で習慣づけて学習することが大事になります。そして、それにかけるべき学習時間についても指導をしなければなりません。加えて、他科目とのバランスをとる必要もあります。それを実現するために必要な時間はどれくらいなのか、最低限確保しないといけない時間などを残り日程から逆算しないといけません。そして、逆転合格の最後のキーワードは、自分自身に勝つことです。その覚悟がなければ、逆転合格はできません。その覚悟をもったとき、僕はそのためのシナリオを作るために奔走します。

なお、僕が12月から大学受験の指導を行う際の条件は、基本的な知識が仕上がっていることが条件です(ただし、高2生については現在の学力は一切問いません。その志望校に合格する運命を強く望むなら問題ありません)。これに加えて、英語の成績を見ます。これらを総合的に判断して依頼を受けるかどうかを決めます。
これから家庭教師に登録しようと考えている方は一つ参考にしていただけると幸いです。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。サポートいただいたものは一般社団法人CAMELの活動費として活用させていただきます。