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孤独は最も付き合いやすい友達である。

 執筆中の長編小説で、孤独をテーマにした章を書いている。

 ヘンリー・ディヴィッド・ソローいわく、「孤独は、最もつきあいやすい友達である。それなのに、孤独はたいてい嫌われる。自分の孤独に手を差し伸べよう」と言っている。

 私には友達がほとんどいないので、孤独とは昔からのお友達である。誰かの話を聞くのはそれほど嫌いではないけれど、深い付き合いをするのには抵抗がある。数少ない友達とも、二ヶ月に一度くらい会えばそれで満足する。

 執筆中の孤独も、ネガティブな方向に持って行こうとしたけれど、どうもそれは自分の本質から離れている気もした。ネガティブな孤独を扱った物語の方が多いから、ここは自分なりのポジティブな孤独を扱った物語にしてみることにした。

 以前テレビのニュースで長寿のお婆さんに、長生きの秘訣を聞いたアナウンサーがいた。お婆さんは長生きの秘訣を「人と干渉しないこと」と言っていて、私はカッコイイお婆さんだと思った。

 もう十年以上も前のことなので、そのお婆さんがさすがに亡くなっていると思うと、私は少し悲しくなった。

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