小説を書いて幸せになれますか? ③自己啓発執筆術の隠された鍵は潜在意識
お世話になっております。素人以上小説家未満の管野光人です。
前回は自己啓発執筆術のアファメーションとビジュアライゼーションを紹介しました。さて今回は、創作の源流──アイデアの源を探りたいと思います。
唐突ですが、あなたはこんな経験がありますか?
ふとした瞬間に、天啓のごとく小説のアイデアが閃いたコトが。
自分の場合、ネットの投稿サイトで短編イベントに応募するのに、1晩でプロットをひねり出すと決めたとき、突如としてアイデアが閃いてきます。言わずもがな、これは「天からアイデアが降りてくる」という現象ですね。
実はこれ、「潜在意識」の成せるわざだったのです。
心には2つのレベルがあるそうです。普段使っている理性的な心──顕在意識、理性では説明のつかない心──潜在意識です。
アイデアは「天から降ってくる」のではなく、心の声として「潜在意識から湧いてくる」のが本当なのです。
たとえば、あなたが本当だと意識すれば現実的でなくても、潜在意識はそれを本当だと受け止め、それに準じた結果を現実にします。
その意味で、あなたが普段使っている顕在意識は「心の門」であり、潜在意識が誤った暗示を受けないように機能しているのです。
まるで心のなかの「天使と悪魔」ですね。
でも我々は、その悪魔を出し抜かなければいけません。つまり潜在意識を活用して創作に役立てるのです。
自分の場合、アイデアが湧くのが、歯磨きをしているとき、車を運転しているとき、散歩をしているとき、突如としてアイデアが湧いてきます。
どうやら、これは「無意識」のときに発動するようです。おそらく、無意識のときに顕在意識が薄れ、潜在意識からアイデアが湧いてくるのでしょう。
では、どのように無意識モードに入ればいいのでしょうか。自分の場合、それは歯磨きのときや洗髪、または散歩のときに無意識モードが発動するようです。
どうやら手や足を動かしながら、意識が別に働いている状態で、無意識モードが発動するようですね。
しかしながら、ここまで読んだあなた。潜在意識とか無意識とか、ちょっと難解な言葉がならんでいると、眉をひそめているのではありませんか?
それではここで科学的な言葉を加えましょう。
キーワードは「RAS」です。
アラン・ピーズ&バーバラ・ピーズ著『ブレイン・プログラミング』(サンマーク出版)によると、RASとは網様体賦活系という哺乳類の脳幹にある神経の集まりで、体の生命活動を維持する働きがあるそうです。
このRASには、脳に入る情報を中継しながら、何に注意を向けるか振るい分けています。騒がしい人混みのなかで、あなたの名前が呼ばれてもちゃんと聞き取れるのは、このRASのお陰なのです。
これを自己啓発執筆術に解釈すると、創作のアイデアが欲しい場合にRASが活性化し、無意識モードに入っているときにわずかな情報から検索して、潜在意識から数珠つなぎでアイデアが湧き上がるのです。
自分は潜在意識に入っている状態を「創作脳」と名付けていますが、いわゆるゾーンに入るとかフロー状態と呼ばれるもの状態ですね。こうなると小説のアイデアがどんどん溢れ、キャラのセリフが止まらなくなります。
自己啓発執筆術では、偶然にアイデアが湧くのを待つのではなく、自力で創作脳に入れる習慣を見つけなければなりません。
トーマス・ウルフは深夜に自分の性器をいじり、ヘミングウェイは立ってタイプライターに向かい、トルーマン・カポーティは寝転んで原稿を執筆する習慣があったそうです。
いわゆる「ルーティン」ですね。
このように、あなたも自分に合った習慣力を見つけましょう。
これが無意識モードのトリガーを引く秘訣であり、潜在意識を活用する最善方法なのです。
さて最終回は、より潜在意識を活用できるように「心の声」に切り込んでみたいと思います。
またこのコラムを読んでくれると嬉しいです。