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黒い夏

 ジャック・ケッチャムの「黒い夏」を読んだ。
 恐ろしく、そして、悲惨な話だ。
 冒頭、殺人事件が起きるのだが、その殺人の理由が常軌を逸している。
 犯人であり小説の主人公のレイは、湖のほとりでキャンプをしていた二人の女性と出くわす。レイは、あいつらはレズに違いない。レズは撃ち殺してもかまわないと言って、ライフルで惨殺してしまう。
 その後も、気の滅入るような話が淡々と描かれるのだが、著者の筆致に、読み手は嫌悪感を抱きながらも、まるで重力には逆らえないかのように、話に引き込まれてしまう。
 読み終えて、俺はこの本を、お気に入りの本を収納する棚にしまった。もし未読なら、読んでみてもいいと思う。ただし、読んだせいで食欲不振に陥ってしまっても、それは決して俺の責任ではない。

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