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夢見の夢
人はなぜ眠る時に夢をみるのか。
諸説あるが、一説には普段の生活に起きた出来事など、脳のあらゆる情報を整理するためとされている。
しかし、医学が発達した現在でもよく分かっていないというのが実状である。
睡眠は眠りが浅い「レム睡眠」と、眠りが深い「ノンレム睡眠」という周期に分かれている。
人が夢を記憶しているのは「レム睡眠」のときだけで、「ノンレム睡眠」のときの夢は記憶に残らないらしい。
人以外にも哺乳類の動物は人と似た睡眠周期を行っており、同じく夢を見ているのではないかという研究もあるのだが……
僕は夢をみたことがない。
今まで生きてきた二十年間、一度も。
家族や友人は、嘘だとか珍しいとか反応は様々だが、皆冷たい反応をする。
まぁ無理もない。そんな話を信じる人はいないだろう。
夢をみて、何か実物を得ることはないし、特に意味はないと思っている。
それはわかっているはずなのに、何故か夢をみることに憧れてしまう。
人が楽しそうに夢の話をしているのを見ると、劣等感?孤独感?とでも言うのだろうか、なんとも表し難い感情に苛まれる。
僕はこのまま夢をみることなく一生を終えるものだろうと思っていた。
だが今日、僕は初めて夢をみた。
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