詩人のはじまり
初夏かほる雨の日にはじまる。
分厚い雲におほわれ、風が肌に刺さる。
はじまりはいつだって日常にありふれている。
起立。気をつけ。礼。にはじまり、
起立。気をつけ。礼。に終わる。
さくらさく頃にはじまり、桜咲く頃に終わる。
はじまりがあるからおわるのか。
おわりがあるからはじまるのか。
鳥は自由に空を飛ぶ。
野原では自由に奈が成る。
はじまったらおわりがある。
鳥は羽を休め木に留まる。
奈は成熟し地に落ちる。
これはおわりなのだろうか。
鳥は再び自由に空を飛ぶ。
奈は新たな芽を生やす。
長く永く続いていく。
1つの終わりは大きなはじまり。
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