自殺(未遂)した時の話

1月12日、私は2度目の自殺行為を行った。

その日は友人と彼氏とラーメンを食べて、
彼氏と遊び、段々と日が暮れてきた頃、突然
希死念慮が浮かんできた。

次第に希死念慮から自殺念慮へと変わり、
彼氏にはその事を告げずにそれぞれの家へ向かった。

JRに乗って壁にもたれながらイヤホンを付けて、聴いているのは

Acid Black Cheeyの
「少女の祈り」「少女の祈りⅢ」

【ただ愛されたかった 少女の祈り.......】

【笑えるでしょう? また一人ぼっちね
愛とか やっぱり大嫌い
なんて嘘 ごめんもう強がれない 泣いていい?】

心がしんどくなる大好きなアーティストの曲を
聴いて窓の景色をぼんやり見つめながら、
自殺を実行する為の計画を企てた。

まずドラッグストアで酒を買い、家に着いたら
直ぐに精神薬と眠剤をOD。
その後は洗面器にお湯を貯めてリストカットを
して眠りながら失血死。

自殺念慮が強い時は【死ぬ】しか
考えられない。
自分が死んだ後の処理や費用、親や友人の事とか、全て頭のどっかに消えている。

フラフラと目眩がする中、早く死にたい
気持ちで足を早め、ドラッグストアへ到着する
とすぐ酒を購入して帰宅した。

服を乱雑に脱ぎ、充電ケーブルと延長コードを
繋いで風呂場近くへスマホを持っていき、
死にたい時に聴くプレイリストを大音量で流し始める。

どうせ死ぬから脱ぎっぱなしの服や、ストーブ
なんて勿論付けるはずも無く、
ストックしている精神薬や眠剤を
1つずつ数えて、全部で50錠を開けた。

流れるように酒で50錠を小分けにして飲んでいく。

そこに感情は無い。ただ【死】のみだった。

薬が効いてきて意識が朦朧とし、足取りが
おぼつかなくなってきた所で今度は、風呂場の
洗面所にお湯を貯めた。

8本あるうちのよく切れるカッター2本を
持ち出し、洗面所の隣にある便座に座り、
私は腕を切り始めた。

カッターを深く腕に切りつける度に、「スッ」と
音が小さく聞こえ、やがて傷口がジップロック
を手で開けるようにクパァと開き、
真っ赤で薄汚い血が流れ出してゆく。

何度も何度も深く切りつけ、やがて血液でお湯が真っ赤になり始める。
人間が生まれ持った止血反応を拒絶する
かのように、血塗れの腕を洗面器に浸して血を
流し続けてゆく。

水の中で傷口から溢れ出る血液が、まるで
マーブリングの様にアーティスティックで、
何だか面白かった。

早く死にたい。そんな事を1時間くらい考え
続けていたのだが、これだけじゃ死ねない事が
段々と分かった。

出血量もだいぶ深く切ったつもりだったが
甘かった様で薬の量もまだまだ足りなかった。

精神薬を酒で飲めば2倍の効果が出ると聞いて
いたが、100錠近く飲まなければ今の精神薬は
中々死ねないらしい。


失敗だった。
私の望んだ自殺は未遂に終わったのだ。


それからは薬のせいでよく覚えていない。

何故か彼氏にヘロヘロの言葉で電話を
かけたらしく、ODをしたと報告をしたようで、
急いで彼氏が家へ駆けつけてくれた。

とにかくまた自殺に失敗したという悔しさで、看病をしてくれている彼氏を横目で見ながら、

【次は電車に飛び込んでやる】
【もっと薬を飲む】

等と、ろくでもない事を考えた。


後日、精神科へ通院し、事の全てを話して
薬が増えた。
「アメル」という薬で、パニック状態や鬱状態等
の精神的不安面を安定させてくれる薬だ。

今は周りの支えや薬のお陰もあって、希死念慮
や自殺念慮はほぼ無いが、
急に来る時があるので、正直不安だ。

私は常に不安や焦燥感が大きくも小さくも
付き纏っている。

それが大きくなれば、
希死念慮→自殺念慮→自殺行為へと
変化するので、なるべく嫌な事はあまり考えない様にしている。

またいつ、自分が自殺行為をするかと
考えると不安だ。