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映画オタクじゃ終末ゾンビ世界は生き残れない!?『THE DEAD DON'T DIE』

さて、劇場が再開してから約1ヶ月が経過しました。今回から新作公開映画の感想や紹介がメインになっていくと思いますのでよろしくお願いします。

ということで少し前になりますが映画館再開後一発目に観に行った作品、ジム・ジャームッシュ監督のゆるゆるゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』です。

警察官が3人しかいない田舎町センターヴィルで、前代未聞の怪事件が発生。無残に内臓を食いちぎられた女性ふたりの変死体がダイナーで発見され困惑しながら出動した警察署長クリフ(ビル・マーレイ)と巡査ロニー(アダム・ドライバー) 折しも、センターヴィルでは夜になっても太陽がなかなか沈まず、スマホや時計が壊れ、動物たちが失踪する異常現象が続発していた。
やがてロニーの不吉な予感が的中し、無数の死者たちがむくむくと蘇って、地元民に噛みつき始める。銃やナタを手にしたクリフとロニーは「頭を殺れ!」を合言葉に、いくら倒してもわき出てくるゾンビとの激闘に身を投じる。

というストーリーなのだが、まず本作の特徴としてとにかく「ゆるい」んです。物語中盤まで特に何かが起きるわけではなくキャラの濃い地元民の間の抜けた会話が群像劇的に描かれます。(勿論、その背後では地球の自転が狂い徐々に終末世界へと近づいていきますが)ゾンビ映画が苦手な方は「グロい」「びっくり要素」「怖い」など心配されますがこの作品は心配無用。物語が終盤に差し掛かりゾンビ達が町の住人を襲い始めてもどこかポップな雰囲気(笑)その要因の一つが今作の多様なゾンビの種類だ。今作のゾンビは皆、生前の行動や思いに影響されている。なので冒頭にダイナーに出現する「コーヒーゾンビ」や「Wi-Fiゾンビ」「Twitterゾンビ」「テニスゾンビ」「お酒ゾンビ」などユニークなゾンビが出現する。と、同時にそれは人間の物に対する執着を表現していると思われるのでかなり皮肉が効いてますね(笑)

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もう一つの要因はキャラクターだ。主人公のロニー役はアダムドライバー。無表情でゾンビを殺していくメンタルが強靭になったカイロレンくんですね(笑)ちなみに後ほど紹介する葬儀屋のティルダとのやりとりでスターウォーズいじりもあります。アダムが劇中で乗ってる車の鍵にはスターデストロイヤーのキーホルダーが付いていたり‥‥。お次は雑貨屋の映画オタク青年ボビーウィギンズ。その名からビルボバギンズ(映画ホビットシリーズ主人公の名)とバカにされたりしているが、ゾンビ発生の危機をいち早く察知しゾンビ映画の巨匠ロメロ作品から学んだ知識で必死に抵抗するも喰われて「オタクゾンビ」に。どれだけゾンビ映画で学んだことがあっても生き残ることはできない‥‥、これは映画好きとしてはたまったもんじゃないですね(笑)そして序盤からの登場する都会から来たイキり若者役にセレーナゴメス!!なんで!!?めちゃ豪華!!そしてありがとう!!(笑)最後はティルダスウィントン様!!最近町に来た謎の葬儀屋でゾンビを日本刀でバサバサぶち殺していく姿はまるでキルビル!!おまけに今回のティルダ様、ラストに分かるその正体は予想を斜めいくとんでもないやつなんです‥‥

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と、言った感じでとにかく「ゆるい」ゾンビ映画になってます。7月現在でもまだまだ上映している映画館はあるので観に行ってみられてはいかがでしょうか?ゾンビ映画入門編的な作品としても是非オススメです(笑)あと個人的に思ったことなんですが墓場から蘇るゾンビって久しぶりにみた気がする。生きる屍。バイオハザードの影響もあってか近年のゾンビはウィルス感染が原因で発生するタイプが映画的に多かったけどやっぱり墓場から蘇るゾンビが一番オーソドックスで最恐ですよね。

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