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夜長


どうして互いに愛し合う者は、傷つけ合うのか。

そんな一文を何処かで聞いた。

たぶん芥川の「或阿呆の一生」であると思う。

橋爪功の朗読で聞いたようである。

僕には君が孤独に見える。

どんなに一緒にいようとも君は一人に見えた。

若い頃からそうだった。

僕はボツボツ話した。

君は頭を抱えながら話した。

そのうち、学生時代の話などした。

君は色々な人間の業に巻き込まれてきたようだ。

僕はどうだったろう。

久々の夜長話だった。


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