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この話を聴くと?話したら?貴方の元へ 来るかもしれません。

この話は、「嘘」が
含まれます

なので、この話を聴いたり
話したりした後
何か、起こったとしても
この話の、せいではありません。

何故なら、ただの「気」のせいだからです。


僕が大学生だった時の話です
軽井沢にある
リゾートホテルで、夏休みの期間
一か月半ほど、アルバイトをしていました。
そのホテルは
本館と別館に分かれていて
部屋数が454部屋もある
とても、規模の大きいホテルでした。
始めの一か月は、本館でフロント業務に従事し
残りの半月は、夜勤の勤務になり
別館で同じく、フロント業務に従事しました。

この体験をしたのは、別館に配属になった
初日に起きたんです。

別館に移動になった初日は、
勤務時間より30分早く現場に入り
施設の説明や、昼勤との違いや
夜勤での仕事内容などの
簡単な研修を受けました。

施設の説明を受けている時に
別館を担当する社員さん
(今後、佐々木さん、とします)から


「別館は、幽霊が出るんですよ。
見ても、余り驚かないでくださいね」

と、言われました。
何を言ってるんだこの人はと、思っていると
幽霊がでる箇所は、全部で3カ所あると
説明してくれました。

・一か所目は、今は使われていない
結婚式場(別館の隣にある)内に
布を被った、幽霊がでる。

・二か所目は、女性トイレの入り口付近を
 深夜、黒い影がふらふらしている

・三か所目は、客室の側の廊下で
この建物の造りは、フロントの背後に
カタカナの「ロ」の形をした通路になっていて
10部屋の客室があるのですが
フロントを正面にした、左側の通路の
一番奥の部屋の扉の前に、女の霊が出る
とのこと。

この女の霊は、特に何か悪さをする訳では
無い様なんですが、問題なのは
従業員だけではなく
お客様も、「見える事がある」ので
その女の霊について、何か言われたら
自分で、対応するのではなく
必ず社員に対応を求める様にと
指示されました。

あと、もう一つの社員対応を求める事として
「事故部屋」の説明を受けました。

「事故部屋」とは、
「事故物件」みたいな部屋
・・・ではなく
少し、部屋が狭かったり
他の部屋よりも、窓からの景色が悪い部屋で
ご予約頂いた部屋に不手際があった場合

例えば
・清掃が行き届いてなかったり
・たばこの臭いが取れていなかったetc

緊急にお客様をご案内する為に
開けてある部屋の事。
別館に、3部屋の用意があり
本館から、移動されてくる場合もあるので
「事故部屋」に、ご移動して頂く場合は
必ず社員に対応して貰うように、とのこと。

一通りの説明を、受けると
あとは、お客様が来るのを待つだけ
という、簡単なお仕事。

・・・というと、ホテル業界の人達から
怒られそうですが

日勤のフロントと違って、夜勤のフロントは
チェックインの時間帯(15時~)に、
仕事の関係で、お越し頂けなかったお客様が
夜20時~深夜帯に、チェックインを済ませるので
その対応をするもの。

なので、別館にお越し頂くお客様の人数は
本館の10分の1位。
部屋数も、20部屋弱しかないし
3分の2以上のお客様は、15時のチェックイン開始時間に
お越し頂く事が多かった為
夜勤のフロントで
対応するお客様の数は、数名程だったたので
かなり、お得な現場でした。

その日の夜は
ご予約頂いた全ての
お客様のチェックインを済ませ
数本の内線を取り次いでいるうちに
深夜1時を回ろうとしていました。

特になにもする事もなく
このまま朝を、迎えるのかなぁと
思っていた時に

ルルルルルル

客室から、電話が来ました。

「はい、フロントでございます」

「あ、もしもし。
あのさぁ、さっきから女の人が
間違えて部屋をノックしてくるんだけど
間違えた案内とかしてない?」

ーマチガエテ オンナガ ヘヤヲ ノックシテクル?ー

「いえ、その様なお客様は
見えておりませんし
その様な、ご案内は
此方ではしておりませんが・・・」

と、お伝えすると

「そっかぁ・・・
部屋を間違えた、だけなのかな・・・?
そっか、すいませんでした」

と、電話が切れました。

ー部屋を間違えるか?ー

と、思いながら、受話器を置くと

また直ぐに、電話が掛かってくる

「はい、フロントでございます」

「またさぁ 女が部屋をノックしてくるんだけど
 どうなってんの?お宅のホテル?」

先程のお客様だ
しかも、ちょっと怒ってる

「ちょっと、気持ち悪いんで
 部屋を変えてもらえないかぁ?
それが無理なら
もうチェックアウトしたいんだけど」

ーさっそく、「事故部屋」案件だー

「ご迷惑おかけして、大変申し訳ございません
お部屋の準備を致しますので
一度、お電話置かせて
頂いてよろしいでしょうか?」

と、お伝えし 一度電話を切ることに。

その事を、佐々木さんに伝えると

「早速、出たかね?女の幽霊?」

と、ニヤニヤしながら、
「事故部屋」の鍵を手にとり

「〇〇号室、案内できるから
”お客様にご移動出来ますが
如何なさいますか?”
って、連絡してくれる?」

と、言われたので、お客様に連絡をしてみると

「部屋移れるの?
 今直ぐに、来てもらえるの?
悪いね、待ってるよ」

と、先程とは、やわらかい口調だたので
もぅ、怒ってないみたいだ。

あとは、佐々木さんの任せよう
と、思ってたら、
それを察した佐々木さんは
ニヤニヤしながら

「小鮒君も、来るんだよ。
お化け見れるかもよ」

ーえー、別に見たくないー

と、思ったのですが
行かない訳にもいかず
渋々、後を付いていくことに

お客様の部屋の前で、
佐々木さんは
二回ノックし

「夜分遅くに、失礼します。
フロントでございます」

直ぐに、鍵を開ける音がして
扉が開き、中から
30代前半の、感じのよさそうな
男性が顔をだす。

「遅くに、すみません。
いや、変な女が、何回言っても
部屋に来るからさぁ
荷物、持って行った方が良い?」

「いえ、お荷物は
そのままで結構でございますので
ご準備が出来ましたら
お部屋まで、ご案内いたします」

暫くすると、男性とお連れ様(女性)が
出てきたので
お部屋までご案内しました。

部屋に到着してから

この部屋は
外観が、悪い事とをお伝えし
この部屋が
ご不満なら、あと
二部屋、ご案内出来るが、他の部屋も
外観は、悪い旨を説明するが
「今日は、寝るだけなんで大丈夫です」
と、承諾してくれました。

お客様にも、ご納得頂いたので
フロントへ戻ろうとした
その時、外から

コン、コン、コン

扉をノックする音がしました

「え?」

と、思っていると、若い女の声で

「すいません、開けて貰えませんか?」

「え?」

また再び、

コン、コン、コン

「すいません、開けて貰えませんか?」

すると、男性が、少し興奮気味に

「この人ですよ。さっきから
部屋のくる人」

と、言うと、扉に近づき

「ちょっと、あんた、迷惑なんだよ」

と、怒鳴ると、居なくなったのか
辺りは耳が痛くなくなるくらい

シーン・・・しました。

そして、暫くすると、また

コン、コン、コン

「すいません。開けて貰えませんか?」

「ちょっと、あんた、いい加減に・・・」

男性がそう言い掛けた

その時

ガサガサ・・・

扉の下から、「何か」が
入ってくる音がする。

何気なく、扉の下の方を見てみると
真っ赤なマニュキアをした指が
もぞもぞと
部屋に入って来ようとしていました。


「うぁ・・・」

と、そこにいる僕以外の全員が軽い悲鳴を上げ
金縛りにあったかの様に
その場で氷つきました。

その指は、付け根辺りまで
部屋に侵入すると
そのまま、何も無かったかの様に
すぅっ・・・と消えていきました。


ーこれが、研修で聞いた
女の幽霊なのかなぁ?ー

もしかしたら・・・・

そう考えていると

「冗談じゃない。なんで、旅行に来てまで
こんな目に、あわなきゃいけないんだ。
悪いけどね、帰らせてもらうよ」

男性は、顔を真っ赤にして怒ってしまい
そのお客様は、お帰りになって
しまいました。

軽井沢のアルバイト は、この件を
覗けば、楽でアルバイトでした。

それから、数か月たった
ある日の出来事でした。

明け方まで、友達と遊んでいた僕は
夕方ごろまで、ベットの中にいました。

目が覚めて、携帯(当時はガラケー)を
確認すると、18:00と表示されていました。

起きなきゃぁ・・・

と、思ったんですが
もう、冬が近づいた季節だったので
少し肌寒く、部屋の中は
すでに、暗く
それが、なんか心地よかったので
何となく、布団の中でボーと、していると

コツ コツ コツ


誰かが、アパートの階段を
登ってくる足音がしまいた。

なんとなく、気配で女性だとわかり
それも、その女性が自分の所に来るような
気がしたんです。

ピンポーン

隣の部屋で、チャイムの鳴る音が聞こえ
なんだ、僕の知り合いじゃないのかーいって
思っていると

コン コン コン

「すいません。開けて貰えませんか?」

当時の僕と、同年代くらいの
女性の声が聞こえてきました。

ー彼女さんかなぁ・・・ー

ピンポーン

コン コン コン

「すいません。開けて貰えませんか?」

ー隣の人はいないのかぁ・・・

彼女さんなら、敬語つかわないよなぁ・・・

バイトか、大学の後輩かなぁ・・・

と、勝手に想像していると

その女性は、

コツ コツ コツ ・・・と

階段を下りて、帰っていきました

何だろう・・・、
急用だったのかなぁ・・・
なら、携帯に電話か
メールでもすれば良いのに

他人事ながら、そんな事を考えて
また暫くボートしていると

コツ コツ コツと階段を上って来る
足音が聞えました。

ーさっきの女の人だー

そして、さっきと同じ様に

ピンポーン

コン コン コン

「すいません。開けて貰えませんか?」

少し、間をあけて

ピンポーン

コン コン コン

「すいません。開けて貰えませんか?」

さっきと同じパータンなら
また帰るんだろうなぁ・・・・って
何気なく耳を傾けていると
今度は、その足音は、僕の部屋の方へ
近づいてきました。

ーあれ?、こっち来たー

と、思っていると、

ピンポーン

今度は、僕の部屋のチャイムが鳴りました。

コン コン コン 

「すいません。開けて貰えませんか?」

同じく、間があいて

ピンポーン

コン コン コン

「すいません。開けて貰えませんか?」

今考えれば
すぐに対応すれば良かったんですが
その時は、
何故か、突然訪問して来たその女性の事が怖くて
必要ない居留守をしたしまったんです。

暫く、じーっとしていると

「あの話、話したの、あなたですよね」

アノハナシ ハナシタノ アナタデスヨネ?

何のことだろう?
と、考えていたら
昨日、友達と遊んでる時
怖い話になって
軽井沢であった
赤いマニュキアの話をした事を
思いだしました。

ーまさか、それ?ー

「・・・また来ます」

それだけ言うと、その女の人は
ゆっくりと、コツ、コツ、コツと
階段を降りて帰っていきました。

話は、これで終わりです。

この出来事から、一回だけ
「この話」をしました。

そうしたら、話を聴いた方の元に
勿論、僕にも
深夜、来るはずのない訪問者が
訪れました。

僕は、幸いにも部屋に居なかったので
録画されたモニータから
姿のない訪問者を確認しました。

聞き手の方は、深夜
音楽を聴いていたら

「起きてる?」

と、ドアをノックされ

うるさかったかぁ?っとおもって

ドアを開けたら、誰もいなかった

なんて事が、あったそうです。

始めにも言いましたが

この話には「嘘」が含まれています。

なので、深夜、あなたの部屋で起きる
不可解な現象は、全て
気のせいだと、思う事をお勧めします。





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