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死神?

死神って聞くと、多分沢山の人は
黒いフードをかぶって、大きな鎌を持った姿や
怪談の話で出てくる、死期の近い人が見る黒い影や
複数人の子供などを
思い浮かべると、思いますが

僕の前に現れた「死神」は、気配と声だけでした。
現在進行形で、僕は生存しているので
正確には、「死神」では無いと思うのでタイトルは
「死神?」(死神・はてな)としました。

「死神」に性別は、無いと思うんですが
僕が聞いた声は男性の声だったので
この話の中では
この「死神」の事を「彼」と呼ぶ事にします。

僕が、「彼」と初めて会ったのは、僕が32歳の頃だったと思います
当時の僕は、カラオケ屋さんの
店長さんをやっていて
基本、社員は15:00-6:00までの
勤務だったのですが
年末という事もあり、いつもより
激務だった為か
長時間勤務と、酔っ払い相手の心労の為か?
仕事が終わる頃には眠さと疲労で
クタクタになって帰宅する日が続きました。

そんな、日の出来事です。

その日も、眠さと疲労でクタクタになっていて
いたのですが
翌日(正確には日が明けているので、当日)
休みだったので
仲の良いバイトの娘とファミレスで朝食をとり
なんだかんだ、帰宅をしたのが
朝の9時くらいでした。

「結構、長居させちゃったなぁ」

と、思いながら、猛烈に眠かったので
スーツを脱ぎ捨てて、シャワーも浴びずに
そのまま、ベットに倒れ込みました。
休日を寝て過ごすのは勿体ないと思ったので
夕方18時位に起きられる様に
携帯(当時はガラケー)のアラームを
18時にセットし眠りに就きました。

ピピピピ・・・・

設定したアラームが鳴り、それを止めるため
携帯に手を伸ばす。

「うー、もう18時かぁ」

年末という事もあり
18時でも、部屋の中は薄暗い状態でした。

寝起きは、良い方なんですが
何故か、いつもより頭と体が重く
直ぐに、起きる気になれず。
ベットのなかで、うだうだしていました

「疲れているのかぁ・・・」

と思いなら、ベットのなかでボートしていると
僕が寝ている部屋に、誰かが入ってくる
「気配」がしたんです。

当時の僕は、1Kのアパートに
一人暮らしをしていたので
誰かが、勝手に入ってくることはありません。

「あれ?」

っと、思っていると、その「気配」が
自分のベットの脇まで、やって来て
暫く、僕の事を見下ろしてしました。

すると

「ナンデ、オマエ生キテルダヨ?」

男の声がしました。
少しムカつき、反射的に起き上がると
部屋には、誰もいなく
気配だけが、残ってました。


これが、「彼」に会った初めての出来事でした。

次に彼と出会ったのは、2年後の
夏の事でした。

僕は、以前勤めていた企業の業績が悪化してきた為
倒産やリストラの危険があったため
自分が動けるで転職を決めようと、退職し
派遣会社を通して、群馬県にある「旅館」で
暫く働いていました。

同じ接客行業でも、旅館での接客は「色」が違い
慣れない仕事で、毎日クタクタになっていました。

その中で、同じ派遣会社から
派遣されている娘がいまして
入社日?受け入れ日が、同じだった事もあり
仲良くなったんですよね。

休みが被った日などは、食事に行ったり
買い物にいったり、遊びに行ったりしていました。

その日も、二人で出かけようと、約束していて
僕は、公休日だったんですが
彼女が、午前中だけの勤務だったので
自分の部屋で待つことにしたんです。

ただ、昨日仕事が終わったのが
深夜遅くまでだったので
彼女と約束している時間
ギリギリまで寝ていようと思い
布団に横になっていました。

心も体も疲れが貯まっていたのか?
自分でも分かるくらい、起き上がる事がしんどく

「しんどいなぁ」

と、思いながら体力回復に努めていました。

暫くすると、自分の部屋に
誰かが、近づいてくる気配がしました。

「あれ?もう、そんな時間?」

と、思っていると、いきなり金縛りに掛かりました

「え?このタイミングで?」

と、びっくりしていると、扉が

ガチャ

と、開き誰かが入ってきました。

「え?」

一瞬、彼女かな?って思ったんですが
その娘は、扉のノックをして
自分の存在を知らせるタイプの娘だったので
彼女では、ないと、瞬時にわかりました。

しかも、気配が男の気配だったんです

「え?」

ビックリして起き上がろうとしても
体は、動きません。
もちろん、声を出すことも出来ません。

「わー、どうしよう・・・」

と、思っていると
部屋に入ってきた人物は、部屋に入り込んできて
僕の正面に回り込んできました。

「何?何?」

と、思って思ってると
動けない体で、じっとしている
僕の顔に、自分の顔を近づけてきて

「ナンデ オマエ マダ 生キテルンダヨ」

「え?」

っと、思った瞬間、金縛りが解け
そのまま、布団から飛び起きてみると
部屋には、誰もいませんでした。


この話は、以上になります。
「死神」に魅入られてしまった怪談は

「死神」らしきものを見た後に
大病にかかったり
交通事故に遭ったり
九死に一生を得るパターンが多い中
地味なオチになってしまい、不満に感じる方は
多いかと思いますが

今、思うと
「彼」が僕前に現れた時期

死を意識した事は、無かったかと思うんですが

人間関係や仕事面で心に大きな負担を
抱えていた時期だったと思います

もしかしたら
「彼」が僕を自殺に追いやる為に
なにか、ストレスを与える様な「要素」を
意図的に行っていたのかな?
と、思いました。

この位の、ストレスを与えると
人間は、自ら命を落とすはずなにの
なんで、この人間は、生きているんだ

だから、「彼」は

「ナンデ オマエ 生キテルダヨ?」

「ナンデ オマエ マダ 生キテルンダヨ」

と、僕に、言ったのかな?

と、思いました。

ストレスを抱えすぎて、
自ら命を落としてしまった方々の中には

「彼」の意図によって
亡くなってしまった方もいるのでは、ないか?

と、考えさせられる、出来事でした。

©copyright kouhei.kobuna










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