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わたしの詞『幼少期』

となりの家の屋根をたたく 雨降りの音が大好きで
誰よりも早く雨のにおいを 感じて外に飛び出した

壊れた雨どいから したたる雨水を つむじで受け止める
閉じたまぶたの裏側は 真っ暗だったけど
なんだかとても嬉しくて ニコニコ笑っていたよ

ゴキゲンになる法則なんかは 人それぞれだろうけど
お風呂で息を止めた時に 何かに気付いた気がしたよ
行方知れずのこの人生に ピッタリの地図を探すより
今あることと あなたのことを 両手で受けとめよう

雨あがりの 湿った土が奏でる 太陽のにおい
晴れ渡った空の下で 心を躍らせていたよ

路地裏の隙間から 垂直に見上げて 空を切り取る
途切れ途切れの雲の流れが 少し速く見えた
大きくなれる気がして ニコニコ笑っていたよ

ゴキゲンになる法則なんかは 人それぞれだろうけど
布団にもぐって息を止めたら 何かに気付いた気がしたよ
先の見えないこの人生を 照らす明かりを探すより
僕のあしあと ここにあること 忘れないでいよう

今あることと あなたのことを 忘れないでいよう


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