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郊外を片づける(著・野沢正光)

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新建新聞社が発刊準備を進めている、建築家・野沢正光さん執筆による書籍「郊外を片づけるー住宅はこのまま亡びるのか」のβ版の原稿の一部を先行公開するマガジンです。
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右肩上がりのスクラップ・アンド・ビルド<書籍「郊外を片づけるー住宅はこのまま亡びるのか」からの問題提起>

右肩上がりのスクラップ・アンド・ビルド<書籍「郊外を片づけるー住宅はこのまま亡びるのか」からの問題提起>

1-2 右肩上がりのスクラップ・アンド・ビルド
戦後、日本の住宅地は激しく消長を繰り返す。
住宅は、築後数十年を経ずに解体される。
そして再びそこに新しい住宅が建設される。
それを繰り返すことに誰も疑問をもつことがない。

しかし、これは決してこの国の長き伝統であるはずはない。
戦後に作られたたかだか数十年の「習慣」であろうと思う。
過去、私たちの祖先が各世代ごとに住宅をつくるほどの富を持っていた

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風景への疑問ー住宅は個人のものだろうか<書籍「郊外を片づけるー住宅はこのまま亡びるのか」からの問題提起>

風景への疑問ー住宅は個人のものだろうか<書籍「郊外を片づけるー住宅はこのまま亡びるのか」からの問題提起>

住宅専門紙「新建ハウジング」を発行している、私たち新建新聞社では、建築家・野沢正光さん(野沢正光建築工房)に執筆いただき、書籍「郊外を片づけるー住宅はこのまま亡びるのか」の発刊準備を進めています。その一部(第1章〜)をこのnoteでβ(ベータ)版として公開、「郊外の問題をどう考えどう片づけるのか」、さらには「住宅はこのまま亡びるのか」といった大きなテーマの問題提起としたいと思っています。そのなかで

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