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妄想風味

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#哲学

自分自身を無にするということ。

自分自身を無にするということ。

人生とは、下降運動である。この世に生まれ落ちたその瞬間から、その身が汚泥へと成り果てるその時まで、人は絶えず下へ、下へと落下を続ける。この力は、「重力」のようなものである。
いかにしてその力から逃れられようか。
いかにしてその力から免れられようか。
ーただ、「恩寵」によってのみ、である。
「恩寵」とは、満たすものである。
しかし、恩寵を迎え入れるには擬似的な真空状態が必要である。それは、全てを捨て

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愛するものを、自らの手で作り上げたいという欲求は、神を模倣しようとしていることに他ならない。

しかし、それは偽物の神である。

他者を通して、自分自身を愛するということ。

人は、自分自身を愛することはできない。
わたしたちは、ただ他のものを愛することが
できるのみなのである。
ここに、わたしたちの悲惨がある。
他者が私たちを愛しているから、わたしたちは
他者を愛さなければならぬのではない。
他者が私たちを愛しているから、わたしたちは
わたしたち自身を愛さねばならぬのである。
この回り道がなければ、どうして自分自身を
愛することが出来よう。