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27 スカイ・ロード

 自分の未熟さなど理解しているつもりだ。しかしそれを馬鹿にされたくもないという気持ちもどこかにあった。
 一定距離を取ったオラーシオが仕掛けてきた。今しがた背後を取られたばかりのジルは、後ろを取られたくないがために、常にオラーシオのいる方角を意識しながら旋回する。どうやったら後ろを取れるのか? オラーシオが距離を詰めてきた。逃げればまた後ろをロックされる。ぎりぎりまで悩んだ挙句、ジルは距離を取るために逃げに転じる。
「おいおい、フランク。撃ってこいよ。つまんねぇぞ」
 オラーシオが挑発する。ミサイルアラートが鳴り響く。
「くそっ!」
 完全に射程距離に捕らえられた。オラーシオが模擬用ミサイルレーザーを発射。被弾されまいとローリングするけれど、ミサイルレーザーの軌道は変わらない。
 バイザーにまたしても被弾が表示される。
「逃げてばかりじゃだめだよ、フランク?」
 からかうように言って、またしてもオラーシオが離れていく。悔しかった。
 こんなはずじゃない。自分はこんなヘボじゃない。いつもの機体じゃないから、いつもの環境じゃないからと言い訳を考えれば考える程、みじめになって行く。

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