45 スカイ・ロード
一年もたっていないはずだが、あまりにも久しぶりに見る。かつての部下だった、オリアーナ・オトウェイ大尉だった。
「団…長……団長!」
オリアーナは駆け寄ると、机代わりのテーブル越しにカイザーの顔を両手で掴んだ。
「フォックスバッ! ん!」
どうしてここにいるんだ? という質問をする前に、両手でがっちり顔を掴まれたまま唇を塞がれる。ちょっと待てと言いたいが、頭が混乱する上に、オリアーナがあまりにも積極的過ぎて呼吸すらままならない。
「あー、えーっと、俺、なんか邪魔みたいなんで、これで」
「んんんん! んん!」
待て、出ていくな! とばかりに手をあげてジルを引き留めつつ、もう片方の手でオリアーナの額を掴んで引きはがす。
「こら、待て! フォックバッ!」
額を押さえつけたものの、するりと滑って再びオリアーナに唇を塞がれてしまう。
するとあからさまな咳払いをした後、これまで聞いたこともない呆れられた声でジルは言った。
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