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28 スカイ・ロード

「さて、そろそろいいか。FCOS戦闘を開始する。時間は十分。それを過ぎたら結果に関わらずに基地に帰投する」
「アイ・サー。じゃぁ行きますよ」
 オラーシオの飛行技術は高い。今すぐにでも前線が欲するくらいにずば抜けている。もしも可能ならば、カイザーがいなくなった第一飛行隊へ行ってもらいたい程だ。オラーシオがエースの座に収まったとしても、第一飛行隊の連中はその技術を認めるだろう。それほどにオラーシオの技術は優れていた。精神的なタフさも鷹揚さもパイロット適正がある。
 カイザーは一度だけバイザーを押し上げた。
 ふっと、短い息を吐く。ここには空で感じる空気抵抗がない。けれども代わりに人の命を預かっているというプレッシャーだけは、倍以上に感じられる。自分の操縦ミスで機体事ジルが死ぬ。微かなミスも許されない。
 カイザーは機体を一気に降下させた。

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