16 スカイ・ロード
「フライング・コントロール・オペレーション・システム概要……」
聞いたことがない。
顔をあげると、フィードラー少将は頷き、先を読むように促した。知ってはいけない程の機密情報ならば見せはしないだろうし、仮にそうだとしても、その機密情報にこれからカイザー自身が関わって行くことになるのだ。見ても大丈夫だろう。
フライング・コントロール・オペレーション・システム(FCOS)とは、開発設計局で立案された飛行訓練システムの一つである。
優れたパイロットの操縦と飛行を、体感することで技術を習得するというシンプルな目的だ。
ただこのシステムはもう一つ目的があり、同時進行で別の計画へ転用することになっている。
無人航空機(UAV)の積極的戦闘配備だ。
従来の無人航空機は、偵察任務はもちろん、簡単な爆撃任務・攻撃が出来るよう設計されている。操縦者がいないことから、脱出装置など不要になり軽量化が進み、更に速度の面が比ではない。人間が乗らないため、ブラックアウトを恐れることはなく、亜音速で航行可能で、撃墜されてもコストの面で安い。
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