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18 スカイ・ロード

 機体を降りてロッカーに向かう途中、同じ飛行隊のエリク・ノイマン大尉がチリーノと何かを話していた。ジルの存在に気付くと、ニヤリと笑い手招きする。あまりいい予想はしていなかった。
「よう、フランク。今日も死んじゃったんだって? 毎度毎度よく死ぬね」
「……せぇ」
「あー? なんつったてめぇ?」
「あががが!」
 反射的に呟いた言葉に反応したエリクは、ジルの両頬を掴んで左右に思い切り引っ張った。エリクの手を払い、思わず自分の頬を抑えると、ニヤニヤと笑っていた。
 エリクといいチリーノといい、ジルの兄貴のような年齢ということもあり、つい態度が緩んでしまう。

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