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11 スカイ・ロード

 ベルンハルト・フィードラー少将は、モニターに映し出されたデータを見てニヤリと笑った。
 少将という肩書きに反して、高級将校というより、親方といった雰囲気が勝るのは、彼が根っからの現場主義であり、カイアナイト空軍開発設計局局長という立場になっても、現場から必要とされる技術屋でもあったからだ。
 できるだけ現場に仕事を任せるようにはしているものの、如何せん本人が黙ってはいられない。開発や設計のこととなると、どうしても口出しもしたくなれば、手出しもしたくなる。他の軍人とは違い、この開発設計局という場所は軍人というよりも研究者や技術者、そして職人といった気質の者ばかりであり、この開発設計局で唯一軍人らしい生活を送っているのは、専属のテストパイロットたちくらいだ。
 そんな技術屋そのもののフィードラーは、一人のパイロットのデータを見ていた。
 現在行われている開発には、パイロットが二人必要となる。そのうちの一人は、エースクラスの飛行時間と経験、そして結果を残している人物が必要不可欠であり、そしてもう一人は逆に、飛行時間も経験も浅い、しかしながらまるきり新人というわけでもない成長途中のパイロットが必要だった。

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