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31 スカイ・ロード

 カイアナイト空軍開発設計局のあるハウライト荒野は、ごつごつとした岩場が多くて緑が少ない。決して乾燥地帯というわけではないが、土壌が越えていないためにあまり植物は育たない環境にあった。
 エアカーは粉塵や砂埃がフィルターに入り込むためあまり歓迎されてはおらず、開発設計局では旧式の四輪自動車が重宝されていた。そのため、オフの日に市内に出ると、市民から「あぁ、軍隊の人が来た」という目で見られることが多い。
 この日も開発設計局から現れた車両は、市民にそんな目で見られつつ街へとやってきた。
 カイザーも開発設計局にやってくるまで乗ったことがなかったそれは、エアカー独特の駆動音より、エンジンからの震動が感じられて好きになれた。戦闘機とは似ても似つかないけれど、親近感があったのだ。
「はいよ、到着ですよ、エルセン中佐」
「どうもありがとう」
「いえいえ、どういたしまして。じゃぁ、終わったら連絡下さい。市内適当にぶらついてますんで」
 今日はリハビリのために病院を訪れていた。開発設計局内にはもちろん医官が常駐しており、多少の病気や怪我に対応してくれる。しかし規模は個人病院程度であり、ましてや元々技術者たちの心身を診察してきたけれど、リハビリが必要な身体障がい者の診察はしていない。そのため、民間の病院に転院し、そこのリハビリを受けていた。

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