08 さよなら、僕の平和な日々よ
「バスケとか興味ないわけ?」
と、北山が聞いてきた。確かにメンバーが五人ぎりぎりしかいない弱小バスケ部に、もう一人控えの選手が増えれば、試合運びは楽になることだろう。
僕に対する見え透いた勧誘なのだろう。久しぶりだなぁ、勧誘を受けるの。
しかし僕は苦笑しながら、否定するように首を振った。
「悪いけどさ、部活はできない。家がアンティーク・ショップやっているんだけど、店番頼まれることが多いんだ。それも前もって一言、言ってくれればいいのに、その日の朝になって頼むもんだから、部