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美味しいは作るだけではなく、伝え、届けるもの。

最近美味しいとは何かを深く考えてます。

レストランにいるときは、キッチンで作った料理が数秒〜数分で提供されるので美味しい=作るの図式が成立しやすかった。

ただ現在はデリバリーフードやEC(うちもここ)で販売される商品が増えて来ているので美味しい=作るよりも美味しい=届けるの図式の方が強くなって来ています。

美味しい状態を出来るだけ維持して届けるという意味と、想いを届けるという意味があります。今の時代、食べ物も服もサービスもなぜこれをやりたいのか?が大切です。同じような商品ならば想いの入る(共感できる)商品を選びたいと思うのが人の気持ちでしょう。

モノ作りとは手段でしかなく、それを通して自分が世の中に何を伝えたいのかが僕は大切だと考えます。


美味しいだけではだめ。


僕はMr. CHEESECAKEで少しだけ認知してもらえるようになりました。でもそれはそこまでの積み重ね(ある意味での失敗)があってこそのMr. CHEESECAKEであり、いきなり上手くいったわけではありません。

最初は僕も自分の作りたいもの=美味しいだけのものを作っていました。そこにかける想いもありましたし、絶対に美味しいという感覚もありました。

でも逆にいうとそれしかなかったのです。それでは世の中にはフィットせず、理解もしれもらえません。

僕が29歳で自分の料理よりも先に生み出したのは『アロマティザン』というノンアルコールドリンクです。

Aromatiser + Artisan + Tisane = L'.Aromatisane
L'.Aromatisaneはハーブ、フルーツ、スパイスを組み合わせて作る     紅茶でも、ハーブティでも、ワインでもない。
「アロマティー」という新しいドリンクのカテゴリーです。

という商品です。

当時僕はお酒がほとんど飲めずレストランでも食事中に飲めるものがほとんどありませんでした。当時は今ほどノンアルコールという概念がなく、あるのはウーロン茶やオレンジジュースみたいな感じでした。

食後に飲むものもハーブティーでしたがブレンドしてあっても美味しいと思うものは中々なく。意を決して自分で作ることにしました。

このタイミングで香りの勉強も始めたので、一気に香りの世界に引き込まれたのを今でも覚えています。

このアロマティザンという商品は完成するのに最低一晩、完璧にするのに2晩かかります。当時は美味しさのために絶対譲れない行程だったのですが、そんなに手間がかかりめんどくさいことをする人はほとんどおらず。

美味しいものを作りさえすれば世の中は変わると思っていた29歳の僕の心は簡単に打ち砕かれました。


想いが強くてもだめ。


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