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料理人田村のお金の話。

フリーになり4ヶ月間がむしゃらに走ってきました。

独立する前は本当に不安が多く胃が痛くなる毎日で、一歩踏み出してみればどうにかなると言い聞かせるしかなかったですが、本当にありがたいことに毎月お仕事を頂きながらせわしなく日々を過ごすことができ、充実した毎日となりました。

飲食業界の給与問題は色々ありますが、普通にレストランだけを経営して行くことを考えると、中々給与を潤沢に支払うことは難しいと感じています。もちろんそんなことは言ってられないのですが、13年働いてきた肌感覚は間違っていないかなと。

ではどの様に給与を増やして行くか。労働時間を減らし、効率をあげ、利益を増やす。シンプルで量産できるものを開発すればそれは可能かもしれませんが、そこにやりがいがなければ持続性はありません。シェフや職人と言われる職業は時間をかければ表現できない世界観があります。非効率だけれど、非効率だからこそ出せる味わいや風合いがある。効率化すると消えてしまう、一般の人には感じにくいかもしれないけれど絶対に必要なもの。それを続けることでしか開かれない扉もあると思います。

ただ、そこを突き詰めるだけではダメだとも思う。10年前ならばそれでもよかったかもしれないが、今は様々なものが淘汰されつつあり、本来ものすごく価値のあるものたちが消えている。どんなに良いことやものを作っていても存在を知られなければ意味がない。だからこそ知ってもらうための努力が必要。

レストランの中だけではなく、外の世界と関わりながら自分のフィールドを広げて行く。それをやるべきだと僕は思っている。(周りに強要するつもりはないし、人それぞれでいいと思う)

僕はモノづくりが好きだ。キッチンにこもっているだけの方がいい。でもそれでは世の中に対して価値のあるモノづくりは難しい。本当にしたいことのために『したくはないがするべきこと』をやらなければいけない。近い将来本当に自分のやりたいことを実現するために。

レストラン以外にも食のビジネスを展開することで自分と仕事の価値を高め資金を確保する。その中でレストランのスタッフにもしっかりとした給与を払える様にしつつ、ビジネス的な視点も伝えられたらなと考えながら日々を過ごしている。

料理人としての能力と、商品開発などのプロダクトデザインの力は別だと思っていますが、シェフという肩書きだとどちらも同じに捉えられてしまいがちで、シェフは店にいないといけない、他の仕事をしている暇があればレストランを良くしろ。的なことが言われます。なので僕はレストランを離れました。この考え方に対して柔軟な方が増えることが、将来の料理人の働き方改革につながるので、少しでもその為の一助になればと思う。


さて話しは逸れましたが、フリーになってからの僕の金銭事情をお話しできればと思います。今回は細かな内容は書いていませんが、これからの料理人の新しい働き方の参考になればいいなと思います(なるかは全く分からない)

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