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夏フレーバーへの想い。

Mr. CHEESECAKEがWebリニューアルをしてもう直ぐ1年です。それまでは1人でBASEを使って運用をしていましたが、このリニューアルをきっかけに世界観を伝えることやサイトでの買いやすさなど、かなりの部分が改善されました(とはいえまだ出来ていないことばかりなので更に改善します)

このリニューアルのタイミングでレシピ本の撮影に協力してくれたスタイリストさんやフォトグラファーの方、Web周りの人たちにも本格的に参加してもらい、今のMr. CHEESECAKEが作られてきました。(もちろんそれ以外のメンバーも)

その中でも特にタカヤ・オオタの存在が大きく、彼の感性がMr. CHEESECAKEの世界観やブランドとしての強さを培ってくれたと思っています。

限定フレーバーの撮影をするたびに次のフレバーはどうしようか?という話になるのですが、その時タカヤは必ずシークヮーサーと言ってきます。沖縄出身で沖縄といえば!という食材なので分かるのですが、僕たち的には名前が可愛くないという理由で茶化してました。(タカヤも半分冗談で言ってたはず)

しかし本格的に夏のフレーバーを考える中で、爽やかで酸味のある味わいがいいなと思った時に、柑橘使いたいなと僕は考え始めてたのです。


夏らしさをどう表現するか。


レモンはClassic(通常味)に使っているし、ライムはそれだけでは普通すぎる。柚子や他の柑橘は時期がずれる。などと良い感じのものがありませんでした。

そんな中でシークヮーサの話を思い出し、一度ちゃんと調べてみることにしました。イメージはあるものの、しっかりと調べたこともなく敬遠するのは違うと思ったからです。そこで和名が平実檸檬という事を知り、香りの成分なども調べる中でその特徴や良さを知っていったのです。

それが今回のヒラミレモンに繋がっており、僕自身も新しい味わいの表現に行き着くことができました。何事も調べないといけないなと改めて実感することに。

ヒラミレモンではシークヮーサーの果汁とパウダーを使っています。果汁だけでは香りが乗らず、パウダーも併用する様にしたのですが、シークヮーサーは酸味もですが苦味も特徴的です。パウダーを使うことでその苦味が前面に出る様になりました。ミントと合わせることは決まっていたので組み合わせてみると、思いの外重たい印象で、夏の爽やかさからは少し離れていました。

味を作る時に大切にしているのは名前の響きと味の印象のバランスです。ヒラミレモンの響き的には爽やかでスッキリとした味わいを連想するので、今のままではかなり重たく、味わい的にはスッキリなのですが香りの印象が重たくチグハグな感じに。

これをうまく着地させるために考えたのが、もっと香りのトーンの高い、軽やかな風味の組み合わせです。結論から言うと山椒とオリーブオイルを合わせることで解決しました。

山椒は柑橘の香りが強く刺激もあるので頭の裏に香りが抜ける様な軽やかな香りです。オリーブオイルも黄緑色のトーンの高い香りでハーブ香もあり、爽やかさを増してくれる。

シークヮーサーとミントは爽やかさもあるのですが、苦味の部分でトーンが下がり重たくなってしまいがちなので、2つの軽いトーンの香りを組み合わせることで、口に入れてから飲み込むまでの香りの抑揚を生み出すことで全体の味わいの印象をコントロールしています。

また、トップに塩をかける事で味の変化に幅をつける事で、酸味や甘味を瞬間的に引き出して香りの奥行きも広げています。食べているのは同じケーキなのに、塩の部分が口に入ると違うケーキの様に味が広がる。この辺りが味のデザインの肝です。

味をデザインする時に大切なのは、五味のバランスを整える事と香りの流れを捉える事。そしてこの2つを高いレベルで重ねる事で、食べ手の感じ方を作り手の意図が真っ直ぐに伝わる様に整えます。

全てを感じてもらいたいと言うよりは、感じようとしなくても伝わるわかりやすい味のデザインを心がける事で『なんかわからないけど美味しい』状態を生み出したいからです。頭で理解できなくとも本能で感じる美味しさを作る事を目指しています。

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大切なのは食べ手がどう感じるか。


味をデザインする時の最初の基準はあくまでも自分の中の美味しさです。自分が美味しいと思わない限り良いものは作れません。しかしそれは味をデザインする途中までです。自分の中の基準を満たしつつ、そこから更に食べる人がどう感じるか?を探ります。

今回はタカヤの想いを乗せたかったのでタカヤにも確認してもらいましたし、それ以外の人が食べた時にどう感じるか?というのを考えます。これは今までのフレーバーもそうですが、自分らしさとMr. CHEESECAKEらしさに加え、ファンがイメージするであろうMr. CHEESECAKEらしさ、も考えるのです。

僕は自己満足のために味をデザインしません。自分がどんなに美味しいと思っても、それを食べた人が美味しいと思わなければ意味がないからです。(ただ全員に満足してもらうのが限りなく難しいことは理解してる。納得はしてない。)

名前の響きと実際の味、それを食べた人の感想。ここまでをできる限りクリアにイメージする様に心がける。それによって本当の意味で良い作品ができると思っています。

僕らは奇を衒いたい訳ではありません。自分たちの知っている新しい美味しさを提案したい、伝えたいのです。少しでも多くの食材を知ってもらったり、地域に目を向けてもらったり、生産者を知ってもらったり。

美味しいで終わらない、その先を提案する事で気付きや発見をしてもらいたい。食への関心を広げてもらいたい。そうする事で少しでもこの業界がより良くなればと思っています。

初めての夏のフレーバー。皆さんに受け入れてもらえるか不安もありますが、本当に美味しくデザインできました。少しでも多くの人にお届けできる様にみんなで頑張ります!よろしくお願いします!!!

購入の流れはこちら💁‍♂️

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皆様の優しさに救われてます泣