「陰陽のバランスを保つことが大事」。皆が楽しく働ける組織のつくり方
コウダプロで新たな社内制度がスタートするかも!?
朝礼冒頭で制度の案や背景を説明したのはコウダプロ社長の幸田さん。
(当事者としても、はたから見ても魅力的な制度ですが、ごめんなさい。まだここでは発表できません)
社内のコミュニケーションツールでも事前にさらっと発表されていたこのテーマを皮切りに、今日も朝礼がスタートしました。
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こんにちは、プレスラボの池田園子(@sonokoikeda)です。
昨年より、月1回「コウダプロ朝礼レポート」を担当させていただいています。
前回(2024年7月)の朝礼noteはこちらから。
それでは朝礼レポートをお届けします。
会社の会議で「議題と関係ない話」ができますか?
幸田さんが新たな社内制度を発案したのには、コウダプロの組織風土が大きく関わっています。
「楽しく働ける会社であろうとしている」「主体性が発揮される環境をつくっている」。そんな組織風土を心地よく維持するために必要だと考えたのだそう。
組織風土というキーワードが出てきた流れで、コウダプロ憲法 第十条「ユーモアの精神」に話が進んでいきました。
コウダプロでユーモアを大事にする理由はシンプルで、心理的安全性の高い環境づくり・維持を目指しているからです。
「わ、課長が真顔で変なこと言ったわ。噴きそう。でも、ここで笑ったら明日からの俺はどうなる……!?」といった、ある種の恐怖を感じる雰囲気のある組織とは対局にある状態を理想としています。
心理的安全性の高低を測る分かりやすい基準として「会議で議題と関係のないテーマを気楽に話せるかどうか?」を幸田さんは挙げました。
ここでキモとなるのは、最もキャリアの浅い人でも「会議で議題と関係のないテーマを気楽に話せる」ことです。トップや役職者などがそれらを話せるのは立場上自然なこと。
若手が忖度せず、周囲の顔色を伺わずに「どうしてこれが大事なんですか?」「全然関係ない話なんですけど、共有していいですか?」などと臆さず言えるような環境こそが、心理的安全性の高い組織の姿です。
しかし「優秀な人ほど要注意です」と幸田さん。
たとえば、若手が「今の話の流れで突然思い出したことがあるんですけど、話していいですか?」と切り出したとき、優秀な人や真面目な人は「それ今関係ないよね」「また今度にしてほしいな」などと脇道に逸れるのを防ぎ、本題に戻そうとする傾向があります。
そういった「一見無駄に見えること」をスッと脇に流してなかったことにしたり、本題とされるテーマしか話せない雰囲気にしたりといった動きが累積していくと、「嫌な感じの圧」が常に漂う環境になってしまうのだとか。
1回3〜4時間の朝礼で「どうでもいい話」もたくさんする狙い
組織の環境はその集団を構成する一人ひとりの言動によってつくられていきます。それを思うと、業務に直結すること以外口にできないような会議を積み重ねていくと、一人ひとりが「決まった枠からはみ出ないこと」を意識するあまり、どこか萎縮した集団になるだろうなと容易に想像できます。
「そんな集団にしたくないから、毎週月曜日に3〜4時間も使って猪木さんの話ばかりしている(笑)というのは半分冗談だけど、代表自らがどうでもいい話を含めていろいろ話してるんです」と幸田さん。
さらにこう続けました。人によっては「もっと意味のある話をしてほしい」「この時間が半分になれば仕事を進められるのに」と思うかもしれないけど、それは表面しか見ていない証ですよ、と。
幸田さんには狙いがあります。代表がどうでもいい話を淡々としているのを毎週聞いていると、皆も「あ、全然関係ない話してもいいのかも」と思えて実行できるし、結果的に心理的安全性の高い組織になると確信しているのです。
そして、実際に社長にカ○チョーをしたり、社内でストッキング相撲をしたりと、コウダプロnoteでも一般の会社では見られない光景のごく一部が公開されていますが、これらを見ても「心理的安全性めちゃくちゃ高そう」と思えませんか。
幸田さんの言動にはすべて意味があり、本質的なところを見ているからこそ、現在のコウダプロという環境を設計できているのだと思います。
陰陽のバランスは意図的に保つ必要がある
ここまでの話には「陰陽のバランス」が大きく関係しています。陰陽とは東洋思想(医学)のベースとなる考え方で、宇宙のあらゆる物事を陰と陽の両側面から解釈することです。
陰陽を元にした思想「陰陽論」では、この世のすべてのものは陰と陽に分けられ、それらは対立する関係にありますが、互いに影響し合って変化しながら、バランスをとっていると考えられています。
身近な例を挙げると、太陽と月、男性と女性、上と下など、万物は陰と陽という対立するふたつで成り立っていることが分かるはずです。
この陰陽のバランスは会社という組織の中にも存在します。「それ(陰陽のバランス)は意図的に保たないと、組織内で維持できるものではない」と幸田さんはいいます。
トップや役職者、立場のある人はもちろん、メンバーの一人ひとりも意図的に保つ努力が必要で、全員の高度な合意があって成立するものだとか。
陰陽のバランスは感覚的には「あ〜そういうことね」と分かったとしても、その本質や深い部分を若手がすぐに捉えるのは難しいかもしれません。
その場合、部門を持つリーダーが理解していれば、部門全体ひいてはチーム、個人に波及していくものだと幸田さんはいいます。陰陽の調和が自然と伝わっていくのでしょう。
先に「宇宙」という言葉を挙げましたが、陰陽のバランスは宇宙や自然といった大きな存在と密接に関係しています。
そのため、宇宙や自然の摂理に反する極端な思想に走ると、陰陽のバランスを崩すことに。「真ん中」に対する理解やリテラシーを一人ひとりが持つことが大事だと幸田さんは強調しました。
陰陽のバランスは宇宙や自然とは切り離せないものだといえます。だからこそ、想像もできないような長い年月をかけて維持されている宇宙や自然に思いを馳せ、長期的な視野で物事を考えるかが、陰陽のバランスを保つことにもつながるのだと思います。
違いは当たり前。理解した上で、尊重して強みを生かす
先の陰と陽の例えで「男性と女性」を挙げました。陰陽のバランスに対する理解を皆に深めてもらうため、幸田さんは最近聞いた話を共有してくれました。
幸田さんを含めた数人のランチ会に参加していた20代女性Aさんが、「勘違いする男性に困った」エピソードを話してくれて、それが議論を呼び、盛り上がったのだそう。以下にAさんの話を端的にまとめてみます。
Jリーグクラブチーム「アビスパ福岡」にハマり始めたAさん。サッカーファンの男性が身近にいて、お互いアビスパ推しであることが分かったため、Aさんは純粋に「サッカー観戦仲間ができたらいいなあ」と考えて、その男性に「一緒に試合を見に行きましょう」と声かけたのだとか。
ところが男性は自身が「サッカー観戦仲間」にカテゴライズされているとは思わなかったようで、女性から「恋愛的な好意を持たれている」と受け取ったようで、その手のコミュニケーションをしてきたそう。
「気があると勘違いされたので、思い切りぶった斬ってしまいました」とAさん。男性にあなたは「恋愛対象枠」ではなく「サッカー観戦仲間枠」ですと明確に伝えた様子。
これに対して、幸田さんはその場で「女性から誘われると脈アリだと思ってしまう男性は多いんですよ。特に若い時期はそうなんじゃないですかね」と伝え、同席していた別の男性からは「勘違いする力でもないと突破できなくないですか?」との意見が。
確かに、ある程度恋愛経験を重ねたり、歳を重ねていったりする過程で「誘われる≠恋愛対象として見られている」と理解できるようになると思います。いちいち舞い上がらなくもなるでしょう。
しかし、「勘違いする力」にも一理あって、その勘違いから始まる一方の熱烈なアプローチにより、押された側が心を打たれて恋愛に発展する可能性もなきにしもあらずです。
幸田さんはこのエピソードには示唆が詰まっているといいます。
「老若男女全ての人が、人-人としては平等、イーブンな関係であるのは前提ですが、“性別は個性”であって、男性女性それぞれ“中身”に違いがあります。良くも悪くも違う世界を生きている、見えているモノが違う、と捉えることが必要」と幸田さん。
分かりやすいところでいうと肉体的な構造が異なり、大脳のメカニズムやその働きにも特徴があり、感情面や思考面に差があります。
先に例に挙げた月と太陽の関係のように、両方が異なる得意なことを持ち、どちらも存在しないと地球の生態系を保てないのと同様、男女ともに違うもので、違いがあるからこそ互いの強みを生かして、プラスを出し合うことができるということでもあります。
お互いが調和し、長所(得意なこと)を合わせ、短所(苦手なこと)を補い合うとき、良い状況がワークしているといえるのです。
互いは同質ではない、違いを持っていることを分かった上で、尊重してリスペクトすることが大事です。
こういった「違うのが前提であること」ひいては陰陽の関係があることなどを伝える教育は、幼いうちからした方がいいなと改めて思いました。こういうことが腹落ちしていないと、互いの違いを責めたり、無用な分断が生まれたりするからです。
まとめ
本日もそろそろまとめに入ります。
陰陽のバランスは全てのことに起因するものです。そこを保つのも乱すのも人次第なのだなと思いました。
よい組織をつくって維持していくのは、いかにそのあたりの本質を理解している人をチームに引き入れるか、人選びを誤らないか、にかかっているのでしょう。
その点、今のコウダプロはとてもよい状態に見えます。これからも「どうでもいいこと“も”話す」朝礼に参加してレポートを制作しながら、コウダプロという唯一無二の組織を追っていきたいと思います。
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