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開拓者の足跡をたどる旅 北海道開拓の村を歩く

先日6月30日、「北海道開拓の村」に行ってきました。新札幌駅前からバスに乗ること約20分。北海道の開拓の雰囲気を感じられるとワクワクしながら到着しました。

バスを降りて最初に目に入ったのは、明治41年(1908年)に建てられた「札幌停車場」と呼ばれる駅舎でした。今は管理棟として使われているそうですが、その風格ある姿に、これから始まる歴史の旅への期待が高まりました。

旧札幌停車場

入場してすぐ、私は思わず足を止めてしまいました。目の前に広がる景色は、まるで明治時代にタイムスリップしたかのよう。
特に印象的だったのは、緑と白のコントラストが美しい西洋風の洋館「旧開拓使札幌本庁舎」です。1869年に建てられたと聞いて、その歴史の重みに圧倒されました。

旧開拓使札幌本庁舎

開拓村の中を歩き始めると、次々と目を引く建物が現れます。私が特に興味深く感じたのは、以下の建物でした。

旧来正旅館: この建物を見たとき、まるで時代劇の世界に迷い込んだような気分になりました。当時の旅人たちは、どんな思いでここに宿泊していたのだろうかと想像を膨らませました。

旧来正旅館

三〼河本そば屋: 小樽の繁華街にあったというこのそば屋。店内をのぞいてみると、昔ながらの道具が並べられていて、当時の人々の日常生活が垣間見えるようでした。

三〼河本そば屋

旧小樽新聞社: 1894年創刊の新聞社というのに驚きました。北海道の情報がどのように伝えられていたのか、興味深く見学しました。

旧小樽新聞社

旧山本理髪店: この建物の洋風なデザインに目を引かれました。大正期の建築の特徴を残しているそうで、当時の人々のおしゃれ心が感じられました。

旧山本理髪店

村の中央の通りをゆっくりと走る馬車を見かけたときは、思わず写真を撮ってしまいました。その瞬間、本当に過去にタイムスリップしたような錯覚を覚えたのです。

「旧田村家北誠館蚕種製造所」
絹の原料となる蚕の卵をとる建物だと知り、北海道でも養蚕が行われていたことに驚きました。建物の中に入ると、当時の道具や資料が展示されており、開拓者たちの努力と工夫が手に取るように伝わってきて、思わず感動してしまいました。

旧田村家北誠館蚕種製造所

54.2ヘクタールという広大な敷地をすべて歩き回るのは出来ませんでしたが、充実した楽しい時間を過ごせました。
そしてより深く北海道開拓の歴史を感じることができました。

特に印象的だったのは、単に建物を移築・復元しただけでなく、当時の生活をリアルに再現しようという努力です。
例えば、建物の周りには当時使われていた道具が置かれていたり、季節の花が植えられていたりと、細部まで配慮されていました。

帰りのバスに乗る前、振り返って村全体を眺めたとき、不思議な感覚に襲われました。たった数時間の滞在でしたが、まるで遠い過去への旅から戻ってきたような気分だったのです。

北海道開拓の村を訪れて、改めて歴史を「体感する」ことの大切さを実感しました。
教科書や写真では伝わらない、当時の空気感や生活の息づかいを直接感じることができたのは、かけがえのない経験でした。

歴史好きの方はもちろん、そうでない方にも、ぜひ一度訪れてほしい場所です。きっと、新しい発見と感動が待っているはずです。


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