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彼(カブトムシ)の時間と僕の時間

昨夜、帰り道に歩道でカブトムシを見つけた。
カブトやクワガタというと小学校の頃、叔父と一緒に夏休みに採りに出かけたことがある。結構たくさんいて、弟や従弟は30匹くらい捕まえるのに僕は一匹も捕まえられなかったことを思い出す。

だから、昨夜見つけたカブトムシが人生で5匹目くらい。

オスだったのが嬉しかったし、元気な強そうなやつだった。
小学生の頃の僕なら興奮したかもしれない!
ってか、その時も興奮したので家まで持って帰ろう!って思った。

もって帰れば明るいところでもっといい写真撮れるし、逃がすのはそのあとでも良いだろう。
いや。。。ちょっとまてよ。家まで歩いて20分。その間彼の角を手でつかんだまま持って帰るのか?籠とかないし。

ちょっとそれって彼にとってあまりにも酷なことではないだろうか?

そもそも、彼はひと夏しか生きられない。ってことは時間の感じ方が我々と違うかもしれないし、ひょっとしたらこの20分が彼にとって2週間かもしれない。
2週間、角をつかまれたまま身動きがとれないってどんな感じだろうか・・・

そう考えると、写真を撮るのなんてどうでもよくなってしまった。
彼の時間と僕の時間は密度が違うのだ。

その日はお酒を飲んでいたので自転車を押して歩いていたのだけれど、そうでなかったら気づかずに自転車で轢き殺していたかもしれない。
タイミングが良かった。
彼の時間と僕の時間が交差した。

彼が勢いよく、車道に向かって走っていたので、この夏を無事に生きられるようにそっと近くの木に移してきました。

サポートでいただいたお金は生活の足しになればと思います。なんとかこの一年生き延びなければ!(笑)