雛人形の選び方 ：優しさに包まれるひなまつりにしたい

　春風がそよぐころ、ひなまつりの季節がやってきます。心温まるひなまつりを演出するためには、雛人形の選び方に心を込めることが大切だと思っています。飾る場所や雛人形の大きさ、お顔の表情、全体の雰囲気、そしてひなまつりの楽しみ方を優しく考えてみませんか。

　最初に、雛人形を飾る場所を選ぶ際は、その空間に調和するサイズ感が大切です。コンパクトな空間には小さな雛人形が、広々とした場所には立派な雛人形が心地よく馴染むのではないでょうか。飾る場所のサイズ、サイズギぎりぎりか、少し空間をとるか、というようなことです。飾る場所を数年経ったら変えてみるのも、ひなまつりを楽しむ一つの方法かもしれません。飾る場所のサイズに寄り添った雛人形が、ひなまつりの温かな雰囲気を広げてくれることでしょう。

　次に、雛人形の大きさを選ぶときには、心地よいバランスがポイントです。小ぶりな雛人形は可愛さが引き立ち、大きな雛人形は存在感があります。正直に申し上げて、飾るのは、短い期間だからと出っ張るイメージのようなサイズは、実は不相応なのかもしれません。お部屋の雰囲気や個々の好みに合わせて、ひなまつりを楽しむのに相応しい大きさをお選び下さい。

　雛人形のお顔の表情は、ひなまつりの雰囲気に結構、影響を与えます。優雅で穏やかな表情や、愛らしさが感じられる表情が、お祝いの気持ちをより一層引き立ててくれますし、最近では、はっきりとした表情も製作されています。お顔の表情に込められたご両親の想いが、いずれ言霊として、雛人形を通じてご家庭に雛人形のような雰囲気を運んでくるでしょう。

　雛人形の全体の雰囲気も重要なポイントです。伝統的な雛人形や、色鮮やかな衣装のもの、飾台と屏風だけのようなシンプルライクの飾りかたなどもあります。ご両親の赤ちゃんに対する思いに寄り添った雛人形を見つけてください。そうすることで、雛人形が、赤ちゃんの健やかな成長への願いとお部屋に潤いを添え、ひなまつりが、よりファミリーらしいものになります。

　最後に、雛まつりの楽しみ方を考えてみましょう。家族や友人と一緒に選んだ雛人形は、思い出として心に残ります。ひなまつりの日には、雛人形を眺めながらちらし寿司を食べたり、お茶を嗜んだり、温かなひとときを楽しんで下さい。そういった意味では、リビングに飾ることをお薦めしています。お人形を通じて、家族との絆が一層深まることでしょう。

　優しい雰囲気に包まれたひなまつりを迎えるために、雛人形選びは、心を込めて、思いを伝えるツールだと思って選んでみてください。伝統と優しさが交わるひなまつり、お部屋にもその温かさをたっぷりと取り入れてくださることで、赤ちゃんの健やかな成長を育んでいくことでしょう。