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【noteだけではもったいない】小説投稿サイトから作家デビュー!(2017年8月号特集)


WEBからヒット作が続々登場している!

 7月28日、ベストセラー純愛小説『君の膵臓をたべたい』 が全国ロードショー公開される。
 『君の膵臓をたべたい』は小説投稿サイト「小説家になろう」で公開して評判となり、その後、双葉社から一般文芸として単行本化。
 2016年の本屋大賞第2位に輝いた作品。出版部数は単行本、文庫本を合わせて180万部という大ヒット作だ。

 今、『君の膵臓をたべたい』のように、小説投稿サイトに掲載して人気となり、それが書籍化、映画化される作品が増えている。
 たとえば、この6月に全国ロードショー公開された『魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』ももとは「小説家になろう」に掲載され、その後、電撃文庫から書籍化。シリーズ累計790万部を誇る超人気作品の劇場版だ。

 小説投稿サイトの中にはこうしたロングヒット、スマッシュヒットの予備軍がごろごろあり、ベストセラー作品、ベストセラー作家を次々と生み出している。
小説投稿サイトは、いわば小説家になるための新しいルートになりつつあるというわけだ。

掲載は無料、無審査! 書き手は200万人!

 小説投稿サイトは読むのも書くのも無料、また表現に問題がなければどんな小説でも無審査で掲載でき、読んだ人に感想を書いてもらうこともできる。
 となれば、小説を書くのが好きな人はもちろん、小説を書こうとは思ったこともなかった人までが書き出し、その数、推定ながら全国に300万人!

 また、この5年で「小説投稿サイトで人気が出て書籍化される」というルートが確立した。
 これにより、単に趣味で小説を書いて掲載するだけでなく、プロになりたいという明確な意思をもって小説投稿サイトを利用する人が増えた。

 もちろん、一介のアマチュアが無審査で掲載するわけだから、なかには小説とは言いがたいものもある。しかし、これが公募なら応募数300万編という規模。当然、ランキング上位に食い込む作品は相当レベルの高い作品であることは問違いない。

WEBで小説を書こう

今やWEB小説は、新しいブンガクの場

 30年前はまだパソコンで小説を書くのは敷居が高かった。インターネットの普及につれてWEB小説も広まるが、専門知識のない人はサイト構築などできず、まだまだ遠い存在だった。
 ブログが誕生し、誰でも手軽に小説を公表できるようになり、小説投稿サイトが誕生し、書くのも読むのもより手軽に。

 そして小説投稿サイトは、今や新人発掘の場でもある。小説が好きならやらない手はない。

WEB小説概史

1990年代

パソコン通信
パソコンとサーバーとの間でデータ通信をするサービス。インターネットの普及で廃止へ。
【世間の評価】
パソコンと小説が好きな人がやっているというレベル。

2000年代

ケータイ小説
ケータイ(ガラケー)の追及とともに流行。プロのケータイ小説家まで誕生させた。
【世間の評価】
主として中高生が等身大の日常を書いた日記の延長といった作品が多く、玉石混交。

小説家になろう誕生
個人サイトのリンク集ではなく、小説投稿のプラットフォームが誕生し、時代のさきがけに。
【世間の評価】
趣味としてはいいが、第三者の目を通さない作品が多く、大半の作品は商業レベルにない。

2010年代

エブリスタ誕生
小説投稿サイトに大企業が参入し、それまでなかったサービスを導入し、新風となる。
【世間の評価】
小説投稿サイトというと小さなサイトや個人サイトだったが、大企業が参入し、ブームの気配。

カクヨム誕生
小説投稿サイトに大手出版社のKADOKAWAが参入、大いに期待される。
【世間の評価】
小説投稿サイトから新人を発掘する側だった出版社が自らサイトを立ち上げ、書籍化に拍車。

特集「小説投稿サイトのすべて」
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※本記事は「公募ガイド2017年8月号」の記事を再掲載したものです。
(特集監修:飯田一史(WEB小説評論家))